マニラ県には、すごく賑やかで平和な町があるんだ。隠れ里みたいな場所で、一番奥に行くと、海の向こうに山の景色が見えるんだよ。
そこで育って、ハシエンダ・モンテネグロがどんどん大きくなっていくのを見てきたんだ。俺は、地元の山で採れた丈夫な木材で作られた、オーガニックなマットとかバックパックとか椅子を作るのを手伝ってるんだ。
この田舎暮らしには満足してるって言えるかな。生活に必要なものも自然も豊富だし。お父さんとお母さんが山火事で亡くなった時に、おじいちゃんとおばあちゃんが育ててくれたんだ。家が森の真ん中にあったから、容赦ない火事には勝てなかったんだ。
孤児になったのは11歳の時で、おばあちゃんとおじいちゃんに引き取られて、山からここに連れてこられたんだ。おじいちゃんとおばあちゃんには誰もいなかったから、特に一人っ子の父親がいなくなってからはね。おじいちゃんの米作りの手伝いもするし、たまにおばあちゃんのバックパックやマット作りも手伝うんだ。それでお金が稼げるから、勉強にも役立ってるんだよね。
ここにいる人たちの多くは、まだマニラに行こうとしてるんだ。なんでみんな行かなきゃならないんだろ?この町は豊なのにって思うんだよね。授業で聞いた話だと、マニラの建物はすっごく高いらしい!そこで働くチャンスもたくさんあるんだって。大学に行く人もいるし。
昔、マニラってどんなとこなんだろうって興味を持ったんだ。あかりがいっぱいで、飲み物とかある建物のこと、なんて言うんだっけ?
高い太陽を見上げて、目を閉じる。しゃがんで、おでこの汗を拭う。バックパックを掴んで、おばあちゃんの小屋に向かうんだ。他のみんなと一緒に。
「終わったよ、おばあちゃん。」みんなが俺を見て笑った。また自分の仕事に誇りを持てた。
「オーロラ、あんないい子なのに、マニラに行かせたらいいのに、テッサ。」おばあちゃんの友達が言った。バッグとかをテーブルに置いて、みんなの話を聞いてた。もう聞き慣れた話なんだ。
「そうそう、テッサ…それに、もうあんなに年なのに、まだボーイフレンドもいないの?あらあら!もったいないわね。見て!鼻も可愛いし!まつげも長いし!瞳なんか人形みたい!スタイルもモデルみたい!すぐに少女時代を思い出したわ。」そう言われて、俺はただ笑ってた。
おばあちゃんは震えて笑った。「だって、オーロラしかいないんだから、私が面倒を見ないと。だから、大学に行かせてあげたいんだよ。今は学費も高いし。」
深くため息をついた。なんとかして勉強できるようになるといいな。みんなをがっかりさせたくないし。
「心配しないで、おばあちゃん!バイトでもして、学費の足しにするから。」
「あんたはほんとに賢いね!うちの娘もそうだったらいいんだけど、頑固なんだよね!それで妊娠しちゃったんだ!」
みんなは別のプロジェクトをしながら、話は続いた。オーガニックなものを作っているけど、おばあちゃんはモンテネグロの土地管理者の一人でもあるんだ。モンテネグロの田んぼで米を収穫したり、世話をしたりするリーダーなんだよね。おじいちゃんと一緒に。
俺たちは木造の家に入った。おじいちゃんが請求書を数えているのが見えた。
「わあ!すごいお金だね、おじいちゃん!」俺が言った。おばあちゃんは、前に俺が拾った貝殻で作ったバッグとブレスレットを準備していた。
「これは、あんたが大学に行く時のためにとっておこう。残りは電気代とか食費にするよ。」
家族を思う気持ちがすごく切なくって、笑顔が消えた。俺たちは裕福じゃないけど、愛だけはたくさんある。お金はなくても、感謝の気持ちに勝るものはない。俺は彼らと一緒で幸せなんだ。
「ありがとう、おじいちゃん!大学を卒業したら、マニラに行くよ!モンテネグロの会社で働いて、いつも一緒におじいちゃんを連れて行ってあげるから!」
モンテネグロは、そこに住む人たちのことを大切にしてるんだ。前にモンテネグロの人たちの集まりで会ったんだ。クリスマスのたびに、みんなが屋敷に招待されて、一緒にクリスマスを祝ったんだ。あと、セニョール・フアニトが奨学金をくれるって話も聞いたけど、まだ確認はされてないんだ。でも、本とかその他の費用だけで済むって信じてるよ。
家ではもう夕食は食べなくなったんだ。屋敷で食べるから。前と変わらない感じだよね。パーティーも開かれるらしい。
昔の白いドレスを着た。着替えて、深くため息をつく。数年経って小さくなったから、引っ張り出さなきゃいけなかったんだ。オフショルダーで、丈は太ももまでしかないんだよね。
「おばあちゃん!もう着れないよ!」俺が言うと、おばあちゃんは俺を見た。
「孫はセクシーだな!大丈夫だよ!さあ!髪をセットしてあげるわ!」
おばあちゃんは俺の髪をセットして、ゆるく無造作にした。ウェーブがもっと強くなったんだ。サンダルも履いた。おじいちゃんが1年前にくれたものだから、まだ履けるんだ。
モンテネグロの屋敷に着くと、テーブルが長くて、モンテネグロの人たちが座っていて、俺たちも知ってる人たちもいた。花の飾りがキラキラ光ってた。みんなはもう騒ぎ始めてた。
俺たちはすぐにおばあちゃんの友達のグループに混ざった。おじいちゃんは向こうのテーブルにいる友達のところに行った。
「あら!オーロラを連れてきたのね!可愛いわ!」そう言われて、たくさんの人が俺を見てるのに気づいたんだ。特に男の人たちが。
「もちろんよ!」おばあちゃんテッサは俺を誇らしげだった。
セニョーラ・パトリシアと旦那さんのセニョール・フアニトが出てきたのが見えた。俺たちは拍手した。みんなと会話を始めるのは楽しいことなんだ。
二人の息子はすごく真面目なんだ。家族で来て交流してる人もいた。
俺は、たまにしか会わない兄弟たちにだけ集中してるんだよね。
「ここにいてね、オーロラ!ちょっとあの女性に渡してくるわ!」おばあちゃんは、バッグとブレスレットを同時に見せた。
「うん、おばあちゃん!」
用を足そうと思って、食べ物に気を取られてたら、おしっこしたくなっちゃった。礼儀正しくテーブルを離れて、屋敷の後ろのトイレに行ったんだ。
トイレに向かってたら、すごく苦しそうなうめき声が聞こえたんだ。
テレビドラマで見たことある!女性が苦しんでる時のうめき声って、こんな感じ!俺は目を見開いて、口を閉じた。すごく緊張して、緊張のあまり、横にあったちりとりを手に取って構えたんだ。
女性がほとんど泣きそうな声で、辛そうに聞こえたから、さらに緊張したんだ。涙がもう込み上げてきて、特にこの辺りは電気がついてないから。
「あー!気持ちいい?」男の声が聞こえて、俺は立ち止まった。それから、女性はまた叫び始めた!!
その声の元に行くと、俺は迷わず女性の後ろにいた男を叩いたんだ。え?メイドの制服を着た女性で、ズボンが足元にある!パンツは?
「あー。」何をしてるのか分かって、顔が赤くなりそうになった。特に、その男が誰だか分かった時!遅すぎたけど、俺は目を閉じた。
振り返った。すごく緊張して、顔が熱くなる。なんでだろ?初めて見たから。
そこに立っていることしかできなかったんだ。後ろから彼の声が聞こえた時。
「君は誰?」
彼の方を見ようともしなかった。「あ!ハシエンダの人!」そう言って、俺はどもった。
彼の足音が近づいてくるのが聞こえた。
「なんでここにいるんだ?覗き見でもしてたのか?」彼の声は皮肉っぽくて、変なアクセントだった。
「そんなつもりじゃなかった。トイレに行こうとしてただけ。」
「顔を見せろ。」俺に命令するんだ。まるで俺は命令に慣れてるみたいに。「二度も言わせるなよ、ガキ。」って付け加えた。胸がドキドキして、俺はすぐに振り返ったけど、頭を下げた。
「ごめんなさい。」俺が言ったけど、彼は何も言わなかった。顔を上げて彼を見ると、真剣に俺を見ていた。一方で、俺は彼がどれだけイケメンなのかに見惚れてしまったみたい。
眉毛から血が出てるのを見て、さらに罪悪感を感じた。たぶん、ちりとりで叩いちゃったんだ。
「ごめんなさい!」俺はすぐに言った。
彼がものすごい速さで近づいてきたから、息を止めた。すぐに後ろに下がって、冷たい壁にもたれかかった。
男がこんなに親密に近づいてきたのは初めてだった。特に、彼の腕が俺の頭の上を回って、腰に触れたんだ。
彼の唇が俺の耳に触れた時、息が止まるかと思った。
「名前は?」彼は囁いた。
「キ…キム・オーロラ。」俺はどもった。
彼はやっと俺から離れた。「前会った時は、まだ子供だったのにね。」
彼はそう言って、俺は飲み込んで、頷いた。会話は、誰かがこの男を呼んだ時に中断された。
「ふざけるのはやめろ、エゼキエル。ママが呼んでるぞ。」彼の兄の声が聞こえて、俺は頭を下げた。
エゼキエルは目をきつく閉じて、悪態をついた。「クソッ、マヌエル!」
「女はほっとけ、エゼキエル。」マヌエルがそう付け加えた。まるで脅迫しているみたいに。