宮殿
サムは、デンマークの王子様だってことをバラしたんだよね…で、自分のところに帰るから、エリザベスも一緒に行かないかって誘ったんだ。
最初はエリザベスもビックリして、目の前にデンマークの王子様がいることに信じられなかったんだけど…でも、あとになって、騙された気分になったんだよね。だって、今までそんなこと一言も言ってくれなかったし、自分の本当の身分を隠してたんだから。
「あなた、王子様だったんだ…今まで、なんで私に言わなかったの?」
エリザベスは聞いた。
「君じゃなくて、みんなに隠してたんだ…実はさ…デンマークから逃げてきたんだ。戴冠式の前に…」
サムは言った。
「えー、なんで…なんで自分の本当の身分から逃げ出すの?」
エリザベスは聞いた。
「だってさ…王子様の重荷全部背負いたくなかったんだ。人生を楽しみたいって思ったんだよね…生きたいって…王子の責任とか抱えながら、生き残るんじゃなくて」
サムは説明した。
「じゃあ、なんでみんなから自分の身分を隠すの?」
エリザベスは聞いた。
「ただ単にさ…敵にカモにされたくなかったんだよね…ここに…それに、父さんである王様からも逃げたかったから…だから…でも、もうすぐ帰るよ。もし君がそばにいてくれるなら、責任を負うのも楽になると思うんだ」
サムはエリザベスを見て言った。
「うーん…王子様…あなたの責任を負うために、私も連れていくのね…」
エリザベスは言った。
すると、サムはエリザベスの手を自分の手で包み、指に指輪をはめたんだ。
エリザベスはそれを見て…驚いた…呆然としたんだ。
「え、私たち、婚約したってこと…?」
彼女の目が大きく見開かれた…もう涙が止まらなかった…幸せの涙。やっと自分のものだって呼べる人ができたんだから。
それに、デンマークに行くんだって付け加えたんだよね…あそこなら安全だって。ポールがオンダの刑務所から脱走したから。
警察は彼を探してるけど、手がかりは全然ないんだって。どうあってもポールはエリザベスのところにたどり着くって…それが脅威なんだって…デンマークに戻るのが一番だって。
ポールが逃げ出したって聞いて、エリザベスはビビったんだよね。
マジでヤバいって顔してた…
でも、デンマークに行くって聞いて…ほっとしたんだよね。あそこなら安全だし、ポールも追って来れないから。
エリザベスの視点{}
「さて…じゃあ、デンマークに向かうわけね…今日、デートの後にすぐ出発するんだよ。ポールが刑務所から脱走しちゃったから…いつ来るかわからないし」
夕食を一緒に食べて、屋敷に帰ったんだ。そこで荷物をまとめて、タクシーで空港に向かったんだ。
婚約指輪をずっと見てた…めっちゃ綺麗なんだもん…あたしの手が綺麗に見えるんだよね、あの指輪のおかげで。
それからサムを見たんだ。車の窓から外を見てた…
きっと、戴冠式のことで緊張してるんだよね…
サムは、檻の中に閉じ込められて生きていくようなタイプじゃないって分かってる。自由な鳥みたいに、高く飛びたいんだよね…でも、戴冠式は彼を檻の中に閉じ込めて、みんなが求めることをやらせるだけなんだろうな。
大変だよな…王太子になったら、責任もいっぱいあるし…
きっと、だから彼は王国から何度も逃げたんだよね…責任が怖かったんだろーなーって。
そんなことを考えてたら、空港に着いたんだ。
あたしとサムは車から降りて…車の後ろから運転手が荷物を運んでくれた…それから…空港の中に入ったんだ。
もうすでに遅れてて…飛行機はもうすぐ搭乗開始ってとこだったんだけど、ラッキーなことに間に合って、入れてもらえたんだ。
あたしたちは、飛行機の中の席に座った…席に座ったら…サムはあたしの隣に座ったんだ。
あたしの手を握って…あたしはサムに微笑んだら、ニヤって笑い返してくれたんだ。
夜だったから、席に座ったまま休憩したんだ…あたしは寝ちゃって…それから、しばらくして…
2時に目が覚めたんだ…飛行機のみんなは寝てた…サムを見たんだけど…やっぱり寝てるんだ。
あたしはトイレに行きたくなって、立って行ったんだ…リフレッシュして…席に戻ったら…サムはまだ寝てる。
席に着いたんだ…窓側の席だったから…窓のシャッターを開けて…外を見たんだ。
真っ暗な空が見えて…下には海だけ…ずーっと海なんだよね…
これがあたしの新しい人生なんだ…あたしは、この新しい人生でちゃんと責任を果たさないといけないんだ…人生にはサムしかいないんだから…今、彼と婚約してるんだし…もうすぐ結婚するんだから…この関係で全部責任を果たさないといけないんだ…サムのこと、愛してるよ…今まで、サムみたいに誰かを愛したことなんてなかったんだから。
彼はイケメンだし…いい人だし…大人だし…彼のこと、欲しくない人なんていないでしょ?
彼は支えてくれるし…あたしを独占したがるんだよね…あたしのそばから離れないし…いつもあたしを助けてくれるんだ…
ポールに誘拐された時も、誰も助けてくれなかったのに、彼だけが見つけ出して、あたしを助けてくれたんだから。
それに、あたしたちはお互いを愛し合ってるんだ…誰よりも愛し合ってる…一緒に過ごした夜は、何にも代えがたいんだ…あの夜のことは、あたしの心の宝物だよ。
そんなことを考えてたら、サムが起きたんだ…
彼はあたしを見て…またあたしの手を握ったんだ…
「どうしたの、サム…大丈夫?」
エリザベスは聞いた。
「ううん…実はさ…夢を見たんだよ。君が遠くに行っちゃう夢を…」
サムは言った。
心配そうな顔をしてて…まだぼーっとしてる感じだった…
それからまたあたしの手を握って…また寝ちゃったんだ…
うーん…変な夢…でも、気にしないことにしたんだ。
今回はあたしも彼の手に手を重ねて…また考え事してたんだ…
考えながら、窓から外を見たんだ…空港が見えたよ…明かりが見えるんだよね…着陸するところから空港が見えたんだ。
サムを起こしたんだ。
彼が起きたら…荷物を持って飛行機から出て、バスで空港に向かったんだ。
空港の外の駐車場に、黒い色の車がずらーっと並んでるのが見えたんだ…みんな同じ色なんだよね…黒い色の車が。
そこから、大勢の人が出てきたんだ…ボディーガードみたいだった…
黒いスーツに黒いサングラス…雨が降ってるのに…
そのうちの一人がサムの方に向かって行ったんだ。
「デンマークに、おかえりなさいませ…王子様…」
王様が、安全に宮殿まで連れて行くようにって言ってたんで…これは、あたしたちの任務です…荷物を車まで運びますね…あと、警備のために…王子様の隣にいる女性は、どなたですか?」
その人は、あたしのことを聞いたんだ。
「ああ、彼女は婚約者だよ…エリザベス・クーパーって言うんだ」
サムは自信ありげな声で答えた。
あたしの情報を確認してから、彼らはサムと一緒にあたしを車に乗せてくれたんだ。
車に乗ったら…全部の車が宮殿に向かって走り出したんだ。
そこにたどり着くと…目の前に美しい屋敷があったんだ…すっごく綺麗で、見惚れちゃったよ。
それから、駐車場に入ると…召使いの人たちが待ってたんだよね…
召使いの人たちの間に、王様と女王様もいたんだ…
飛行機に乗ってる間に、ググって顔を覚えてたから、分かったんだよね。
サムのお父さんだったんだ。
車から降りて、サムは召使いの人たちが王様と女王様と一緒に待ってるところに連れて行ってくれたんだ。
「さて…サムエル、やっと帰ってきたね…責任から解放された人生はどうだった?どうだったの?」
王様はサムをからかったんだ。
「父さん、もう喧嘩はしたくないんだ…後で話せないかな?」
サムは言った。
「おい…今、息子があたしにこんな話し方をするのか…父親に話す態度じゃないだろう!」
王様は怒鳴った。
「ああ、もうやめなさい!二人とも!サムがどれだけぶりに帰ってきたと思ってるの?もう、彼の気分を悪くさせるのはやめて…中に入れてあげなさい!お腹すいてるだろうから…歓迎してあげて、入れてあげなさい」
女王様は言った。
「それで…息子や…隣にいるのは誰?彼女はガールフレンド?やあ、ハニー」
女王様は聞いた。
「お母さん…いや…あたしとエリザベスは婚約してるんだ」
サムは言った。
「え…まあ…おめでとう、二人とも!さあ、中に入りなさい」
女王様は言った。
「ちょっと待って…婚約したのに、あたしたちに言ってなかったのね…」
王様は聞いた。
「まあ、いいじゃない…彼の人生なんだし…」
女王様は言って、二人を歓迎してくれたんだ。
彼女はあたしをすごく優しく歓迎してくれて…サムの部屋に案内してくれたんだ…そこに泊まるんだよね。
その間に、サムは父さんのところに行って、何か大切な話があったからって呼ばれてたんだ。
「それで…息子よ…呼んだのは…君がここに帰ってきたから…もうどこにも行かないと思ってるから…明日にでも戴冠式を執り行おうかと…お母様から今日来るって聞いてたから…もう準備はしてあるんだけど」
王様は聞いた。
「父さん…あたしはまだ、こんなに早く責任を負いたくないんだ…まだ21歳だし…父さんは、あたしを責任の泥沼に突き落とそうとしてる…まだ、自信がないんだ」
サムは言った。
「息子よ…もう準備はしてあるんだ…分かってくれ…いつか、私たちの席を受け継いで、責任と向き合わないといけないんだ…逃げられないんだよ…大変だろうけど、それが君の運命なんだ…お願いだ」
王様は頼んだ。
「父さん…分かった…いいよ…承知したよ…でも、すぐにエリザベスと結婚するよ」
サムは言った。
「ああ、もちろん…いいとも」
王様は承知した。
その後、サムはいくつか重要な書類にサインをして…自分の部屋に戻ってきたんだ…あたしが待ってた部屋に。
「どうしたの、サム…今日は何か悩んでる顔してるけど…」
あたしは聞いた。
「ああ…いや、エリザ…君には…分かってもらえないだろうから…やめておくよ」
サムは言い訳した。
「結婚するのに、あたしがあなたの問題を理解して、解決できるって、まだ思ってないのね」
あたしは言った。
「いや…明日は戴冠式なんだ…デンマークの王子様になるんだ…だから、心配なんだ…というか、緊張してるんだ…こんな責任を負うことに…緊張してる」
サムは言った。
「サム…王子様になるって、すごいことだよ?みんな、あなたみたいな人生を送りたいんだよ?王子様になるのが悪いことだって、誰が言ったの?」
あたしは聞いた。
「いや、エリザ…王子様になるって、すごい特権があるけど…それと同時に、たくさんの責任と義務があるんだよ」
サムは言った。
「じゃあ、あと何年、義務から逃げるの?いつか、全部引き受けて、全部受け入れないといけないんだよ?」
あたしは言った。
「まあ…君のために、王子様になることに同意したけど…君に問題のない人生、脅威のない人生を送って欲しかったから…それに、その後に結婚するんだ」
サムは言った。
「その後…ってことは…明日の後…何?うわー、超嬉しいんだけど!」
あたしは言った。
サムの言葉を聞いて、あたしはその場で飛び跳ねたんだ。
超嬉しいんだよね!言葉で言い表せないくらい!
サムに駆け寄って、ぎゅーっと抱きしめたんだ…
二人とも、結婚のこと…嬉しかったんだよね…
でも、サムの顔には、ちょっと変な緊張が見えたんだ…
きっと、戴冠式のことでなんだろうな…
「サム…言ったでしょ…緊張しないで…落ち着いて…そして、今日を楽しもうよ!明日から、あたしたちの人生は変わるんだから」
あたしは言った。
「そうだね…明日から、今日みたいにはいかないんだよね…楽しもう」
その日、二人は楽しんだんだ…映画を観たり…ご飯を食べたり…お酒も飲んだり…ワインも飲んだり…
夜には、生で作ったり…
夜通し、二人は肉体的に親密だったんだ…
次の日の朝…