第18章
アレクサンダーの視点
ジャンナが去った後、俺はもう以前の俺じゃなかった、原因は俺だ。
最初から彼女に話すべきだった、あんなバカげた賭けなんかするべきじゃなかったんだ。
今、俺が本当に愛している人は怒っていて、たぶんもう俺に会いたくないだろう。
正直言って、ジャンナを愛しているように誰かを愛したことはなかった。
いつ彼女を好きになったのかもわからない、ただ彼女のそばを離れられないってことだけはわかってた。
とにかく、彼女に許してもらうしかない。
ジャンナの視点
学校を本当に早く出ちゃったから、授業をたくさんサボったことになる。
部屋にこもって泣いてた、こんな気分になるのは嫌だ。
「リトルエンジェル」ジャマルが部屋に入ってきた、小さい頃にお父さんが俺のことそう呼んでたんだよね。
「ジャマル、私の部屋から出てって、裏切り者」
「ジャンナ、そんなこと言うなよ、俺はお前の双子の兄貴なんだから」って言って、俺に近づいてきた。
「私に嘘をつく前に考えればよかったのに」
「嘘なんてついてない」
「嘘だよ、Xanderを殴った理由を聞いたら『何でもない』って言ったじゃない」
「あれな、Xanderと友達が賭けについて話してるのを聞いた日なんだ、俺はすごく怒ってて、彼を何度も殴ったんだよ。
もし誰も止めなかったら、殺してたかもしれない」
「それでも教えてくれなかった」
「本当は言いたかったんだ、でもお前を見てたら、お前がXanderのことどれだけ大切にしてるのかわかったから、言えなかった」
「私をバカみたいに信じさせたんだよ、私がバカだった」
「いや、お前はバカじゃないよ、Xanderのこと好きなんだから」って言って、俺は笑った。
「ジャマル、いつからそんな恋愛のこと知ってるの?」
「確かに、お前に恋愛について語るのに一番ふさわしい人間じゃないかもしれないけど、ただお前らの関係を見てたら、二人の間に繋がりがあるってわかるし、お前もそう感じてるはずだってことだけは知ってるよ」
「ジャマル、彼は私をバカにしたんだよ」
「それは知ってるけど、彼は個人的に俺に、どれだけお前とジャンナを愛してるか、何でもするつもりだって言ってた、本気だったよ」
「ジャミー、今は一人でいたい」
「わかったよ」
アレクサンダーの視点
俺は窓際に座って、ジャンナが前みたいに窓を開けてくれるのを待ってた。
二人でくだらない話を夜通しするんだ。
「あなたとパパは出張に行くわ」
「うん、わかった」って俺は冷たく言った。
「そんな言い方しないで、あなたの将来のために稼いでるのよ」ってママは言った。
「お金を稼ぐより、一緒に思い出を作ってほしい」って俺が言うと、彼女はため息をついた。
「さようなら」って言って、彼女は行ってしまった。
俺はジャンナの窓をじっと見つめた、まだ閉まってる。
部屋からピンを取って、彼女の窓に投げた。
「見てくれ、ジャンナ、俺の声が聞こえてるってわかってるよ、本当にごめん、君を傷つけようなんて思ってなかった、君は素晴らしい人だ。
ジャンナ、俺が確信してることの一つは、君をすごく愛してるってこと、君は俺のすべてだ。
俺の歌を聞いてくれて、才能と歌いたい気持ちを認めてくれたのは君だけだった」
ジャンナの視点
閉まった窓のそばに座ってて、彼の言ったこと全部聞こえた、窓を開けて彼の美しい顔を見たい気持ちも少しあったけど、彼のことは全部忘れ去りたいって気持ちの方が大きかった。
ワードローブから写真アルバムを取り出した。
開いてみると、Xanderと俺のたくさんの冒険の写真があった。
写真をめくり続けて、楽しかったことを全部思い出し始めた。
* * * * *
一週間後。
もう一週間経ったけど、俺とXanderは全然話してない、彼に会うことすらほとんどない。
「ジャンナ、お前はただ自分を罰してるだけだと思うよ」ってジャマルが言った。
俺らはリビングで映画を見てたんだ。
「どうして?」
「Xanderはもうお前に謝ったし、お前から距離も置いてる、なのになんでまだ彼に怒ってるんだ?」
「彼は私を騙したんだよ、もしかしたら、彼が私に言ったこと全部嘘かもしれない」
「いや、嘘なんかじゃないよ、お前もわかってるだろ、遅くなる前に彼を許してやんな」
「ちょっと行ってくる」って言って、俺は階段を駆け上がった。
自分の部屋に着くと、Xanderがベッドに座って雑誌を読んでた。
「な、なんでここにいるの?」って俺は聞いた。
「会いたかった」って言って、俺のこと見てる。
「別に会いたくないし、出て行って」
彼は立ち上がって、俺に近づいてきた。
「本当に?」
「何が?」って、彼の目から逃げようとしながら聞いた。
「俺に会いたくないって、本当に?」
「うん、嫌」
彼は俺の腰を掴んで、俺らの額が触れ合った。
「今は?」ってニヤけながら聞いてきた。
「や、や、私を放して」って言って、彼から逃れようとした。
「ジャンナ、お前も俺のこと好きじゃないみたいなフリするのやめてくれ、だって目で見るとそうは見えないから」
「じゃあ、私の目は人を騙してるってことね」
「いや、お前の目はものすごく綺麗だ」って言って、本当に顔が赤くなりそうだった。
「私を放して」って言って、彼を突き飛ばした。
「ジャンナ、ただ許してほしいんだ」
「Xander、もう行って、お願い」
彼は深く息を吐いて、窓から自分の部屋に戻って行った。
* * * * *
4日後。
アレクサンダーの視点
「これ、本当にうまくいくかな?」ってジャマルに聞いた。
「もちろん、ジャンナは誰かに歌ってもらったり、ギターを弾いてもらうのが大好きなんだ」
俺はジャンナに許してもらうために、ありとあらゆることを試したから、ジャマルが彼女のために歌ってあげたらって提案したんだ。
「彼女は今、アシュリーと家の前にいるよ、チャンスだ」って言って、ジャマルは俺を外に押した。
よし、うまくいくといいな。
歌うのにこんなに緊張するのは初めてだ。
ジャンナとアシュリーがいる場所に歩いて行った。
「ジャンナ」って呼ぶと、彼女は振り返った。
「また何?」
「ただ許してほしいから、お前に歌を歌うんだ」
ギターを弾き始めた。
いつも君が来ると、変な気分になる
まるで天井を歩いてるみたいで、足が地面から全部浮いてるんだ
俺の心臓がどこにあるかわかってる、それは君と一緒なんだ
だから言うよ、クレイジーインユーって
そして言うよ、毎分遅すぎるって
気にしない、どんなことだってするよ、一晩中運転して、一番早い飛行機に乗って君に会うんだ、説明するよ
君は俺をひっくり返したんだ、君がそこにいると、俺の世界が回ってるって誓うよ
君は俺をひっくり返したんだ
歌い終わると、アシュリーが拍手し始めた。
「わあ、すごい可愛い」ってアシュリーが笑顔で言った、ジャンナを見ると、顔には何も表情がない。
「終わった?もう家に入っていい?」
「ジャンナ、Xanderは心から歌ったんだよ、せめて彼を褒めてあげたらどうなんだ」
「嫌、だってお願いしたわけじゃないし」
「許してほしいから歌ったんだ、愛してるんだよ、それが真実なんだ」
「嘘だよ、そんなことなら、私に賭けたりしないわ」
「あれは間違いだった、本当にごめん」
「時間の無駄だよ」
「そうかもしれない、お前みたいな身勝手な人に謝るのは時間の無駄かもしれない」
「え、私が身勝手だって?」
「そうだよ、ジャンナ、お前が困った時はいつも話を聞いてあげたのに、お前は俺の言うことなんか聞こうともしない」
「私がそんなに身勝手なら、なんでお前のくだらない歌を聞いてたんだ、お父さんですら聞かなかったのに」
「え、俺の歌はくだらないって?」
「そうよ、そしてあなたの親は正しかったと思うわ、特にお父さんが、あなたは落第者だって言った時に」って怒ってて、すごく傷ついた。
「ジャンナ、どうしたんだよ?」ってアシュリーが聞いた。
「私の人生から消えて欲しいんだ、もう結構だよ」って言って、俺は怒って歩き出した。
ジャンナの視点
「なんであんなこと言ったの?」って、Xanderが行ってしまってから、アシュリーが聞いた。
「彼はそうされるべきだったの」
「そんなことない、彼はあなたを愛してる、ジャンナ、それが見えないのがそんなに難しいことなの?」
「彼は私に嘘をついたんだよ」
「もう謝ったんだよ、ジャンナ、そんなに彼に厳しくしないで、そうしたら永遠に彼を失うことになるわ」
「アシュリー、もうこの話は終わり、入ってランチ食べよう」
「嫌、私は家に帰る」
「本当にXanderの味方なの?彼は私を利用して、私に嘘をついた…私が被害者なんだよ、彼じゃなくて」
「嫌、誰の味方でもないわ、ただあなたみたいな身勝手な人と一緒にいたくないだけ」ってアシュリーが言って、行ってしまった。
「別に」って俺は心の中で思った
* * * * *
俺はジャマルも俺に怒ってるから一人でテレビを見てた。
「ジャンナ、大変なことになってるわ」ってママが階段を駆け下りてきた。
「何?」
「Xanderのことよ」って言った。
「ママ、もしあの嘘つきのことなら、本当に聞きたくないんだけど…」
「一回だけ私の話を聞いて、これは深刻なことなの」って、ママが遮った。
「じゃあ、Xanderのことで何がそんなに深刻なの?」
「病院から電話が来たの、ジャンナ、Xanderはトラックに轢かれて、今病院で必死に生きてるって」
「ええ?!」
「本当なの、Xanderは死にかけてるのよ」
続く