第10章
「マジかよ! あそこの超イケてるチョコレート色の美女たち、見てみろよ。あたし、あの子たちみたいなのが欲しい」とアレックスが言い、二人の女の子を指差した。
「今のあたし、完全にレズビアンモード」とマディソンが言った。ソファーに寝そべり、頭をアレックスの腕に預けていた。
女の子たちを見ていたら、ゼニアと、彼女のお店のアシスタントだってことに気づいた。あたしは立ち上がり、彼女たちのところへ歩いていった。
「やあ」
「あ…え…いぇえええい!」とゼニアがすすり泣いた。アルコール臭が彼女の息から漂い、彼女のアシスタントはゼニアを自分の足で立たせようと必死だった。
「飲みすぎ」と彼女は口パクした。
あたしは彼女を見て、髪を指でかき上げた。
「あたしはEJ。友達だよ。彼女を家まで送るよ」と、あたしは彼女の友達に言った。
「やだあああ!! ドン…ダンスしようよ!」とゼニアが懇願した。
ダンス? ってことは「ダンス」って言いたかったんだ。
「ダメだよ、ゼニ! もう十分楽しんだでしょ。もう家に帰る時間だよ!」あたしは彼女を肩に担ぎ、外に出て自分の車に向かった。ゼニアはずっとくすくす笑っていた。
エアコンのスイッチを入れ、車のロックをした。マディソンを迎えに行くために中へ戻った。ジャックとアレックスに彼女を任せるのは信用できなかった。みんな酔っ払ってるし。
マディソンはなんとか歩けて、ゼニアみたいに頑固じゃなかった。あたしたちは楽々と外へ出た。
彼女は助手席に乗り込み、ゼニアは後ろの席に寝転んだ。
今、あたしは二人もの酔っ払いを家に連れて帰らないといけない。
~
ゼニアの家に到着すると、あたしは彼女を後ろから抱きかかえ、エレベーターに向かった彼女の階に着くと、彼女は何とかセキュリティシステムでドアを開けた。
「ハーイ!」あたしはゼニアの母親が家にいることを願って叫んだ。「ブラックマンさん!」
「ママは…家に…いない」とゼニアが言い、近くのソファーに倒れ込んだ。
家に? ってことは家にいないってことか。
彼女をこんな状態で一人にしておくしかないのかと思うと、気分が悪くなった。
「ゼニア、あたしはもう帰るよ。あたしが行ったらドアに鍵かけて、水飲んで、ちょっと寝ててね。いい?」あたしは彼女のそばにしゃがみこみ、彼女の髪をなでた。
「いや!イージェイ、行かないで。お願い、一緒にいてよ。あなたを失いたくないの」
あたしは困惑した。
どうしてあたしを失うって言うんだ?
「ゼニア、一緒にいられないの。マディソンも家に送らないといけないから」
「いや!あたしも愛してるのEJ!あたしも!」
「ちょっと寝てろ、酔っ払い」
~
あたしはドアから出て、エレベーターに乗り、自分の車に戻った。マディソンはもうぐっすり眠っているようだった。もう真夜中を過ぎている。
マディソンとあたしを家に送り届けたけど、まだゼニアの言葉が頭から離れない。
「あたしも愛してる。」
何に対して愛してるって言ったんだろう?
ゼニア視点
月曜日の午後に、あたしたちは二つの雑誌の企画を終えた。アシュリーとあたしは、その日の残りの時間は最高の気分だった。
「思いついたことがあるの。これを祝う必要があるわ!ソーシャルメディアで『ストーキング』してる男が、今日夜に友達のためにすごいホームパーティーをやるんだ。行きたければ行けるわ。招待状には誰でもって書いてあるし」
「いやよ、アシュリー。月曜日の夜にパーティーに行く気にはなれないわ。明日は仕事があるんだから、マジで」
「お願いよ、ゼニ、絶対楽しいって。それにこれを祝う必要もあるし」
「やだ!週末に祝えばいいわ」
「その時にはもう興奮も冷めてるわよ。今やる必要があるし、それにアレックスに会いたくてたまらないの。マジでイケメンだし!」
彼女はスーパーマーケットでアメを欲しがる子供のように、あたしにしがみついてきた。あたしは彼女に首を横に振った。
「わかったわ!行くけど、3時間までよ!」
「もちろん、もちろん、もちろん。8時には準備しててね!」
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その日の終わり、アシュリーはすでに帰った。あたしは鍵をかけ、セキュリティシステムを作動させ、照明とエアコンを消し、タクシーを捕まえに行った。
午後8時、あたしは着替えてアシュリーが迎えに来るのを待っていた。彼女は妹の車で迎えに来て、あたしたちはホームパーティーへ向かった。車で約1時間だった。
大きな男がドアの前に立っていた。あたしたちは彼に自分たちのことを伝え、「アレックスの名前」を使って混乱せずに中に入ることができた。
「いた!いた!」アシュリーは、とてもハンサムで色白の男を指差した。彼は全身黒ずくめで、典型的な「不良」って感じだった。
「めっちゃイケメン」とあたしは彼女に言った。
「でしょ。知ってるわ」と彼女は黄色い声をあげた。
「行ってみて、話しかけてみたら」
「いや!無理!あたしは彼のタイプじゃないと思う」
「なんでそう思うの?」
「だって彼のFacebookページを見てたら、いろんな女性の写真があったけど、黒人の女性はいなかったんだもん。彼は黒人の女の子が好きじゃないと思うの」彼女はそう言うと少し悲しそうな顔をしたが、バーを見た時にはすぐに消え去った。
一杯、また一杯。あたしはアシュリーの飲み物まで飲んだ。
「今夜はあんたが運転よ、ビッチ!」とあたしは彼女のテキーラを奪い、一気に飲み干した。
あたしの頭はEJとマディソンのことに戻った。マディソンが彼の人生に再び現れ、あたしたちの関係を乱したんだ。どうして彼女は戻ってこないといけなかったんだろう?