フィン・フリン・ヴォーン
クレメンタイン POV
マジ? こ、これがフィン? リットが言ってたフィン? まじで?
「チッ、立て」 前見たら、フィンが立ってて、椅子はまだ上に浮いたまんま。いつもの悪い癖!
「チッ」 フィンが俺の前に手を差し出したから、それ見てから顔見た。頼れば助けてくれんのかな、いや、また恥ずかしい目に遭うだけかも。手を掴む代わりにニヤって笑って、手を借りずに立ち上がった。
「うわっ」ってみんなが驚いた声あげた。フィンは俺がさっき座ってた床を見て、ゆっくり手を引っ込めて、ピンって立ってから俺を見た。
「手、出してくれてありがとね。恥ずかしい思いもありがと。感謝しとく」 って言ってフィンの肩ポンって叩いて、前の空席に歩いて行った。周りの奴らの悲鳴が聞こえたけど、無視。
「おい、ウーマン!」 驚いて振り向いたら、フィンがいた。
「あたしのこと?」って聞いたら、すげー嫌そうな顔された。突然、下の鉄の椅子が壊れて、デカい音がして、何人かビビってた。
「うわ、耳痛いんだけど」 レオナが冷たく言った。
「あたしの声より痛い!」 レアナが文句言ってる。あっという間にフィンが俺の前に来てて、「何で触ってきてんの?」ってめっちゃ怒ってる。頭かいた。
「触っちゃダメって言った?」って聞いたら、ますます眉間にシワ寄せて、明らかに嫌そうな顔してる。
「お前、マジで…」
「フィン、座れ」 クリードが命令口調で言って、俺見てからフィン見た。
「おっと、怒りん坊にも対抗馬がいたか」 ヴォーンが笑った。フィンはまだ俺の前に立ってるから、俺はそのまま椅子に座って、フィンを見てた。
「うーん…病気とかになるんじゃね?」って言った。
「ハハハハハハハハ!」 ヴォーン、ヴァン、リアナが笑ってる。
「ほんとに…」
「フィン、座れ」 クリードがめっちゃ怒ってる。フィンは目を瞑って、拳握ってるのが見えたから、俺見た。
「まだ終わってねえからな」って脅してきて、一瞬で椅子に座って、めっちゃ悪い顔で俺見てた。俺はムッとして、何事もなかったかのようにティーチャーの方見てた。
「じゃあ、コンゼットさん、アルファって何?」って聞かれて、俺は目見開いて立ち上がった。
「社会性の動物の研究で、一番偉い奴はアルファって呼ばれることが多いんだ。オス、メス、あるいは両方、種によって違うけど。オスとメスが一緒にその役割果たす場合は、アルファペアって言ったりする。アルファになる方法は、身体能力とか攻撃性で強くなるか、仲間と協力してグループ内で影響力を持つか。アルファの座は変わることもあって、それは大抵、強い奴と弱い奴が戦って決まる。場合によっては死ぬまで戦う」って答えた。
突然、周りが静かになった。え、間違えた? 目見開いてたら、ティーチャーが拍手してくれた。「すごいわね。そう、その通り。本当に人間? ミックスパワーとかじゃないの? ほぼ全部言ってくれたわ」 ティーチャーが言った。
「えっと…純粋な人間です」 って言った。
「マジメちゃん」 フィンが言ったから、笑ってフィンを見た。
「ちょうどいいショーオフね」って言ったら、双子とあの子がまた笑ってる。マジで、面白くもないのにいつも笑いやがって。俺はまた床に座っちゃった。椅子じゃなくて。椅子がまた浮いてるの見て、フィンがまた余計なことしたんだなって思ったから、ムカついて立ち上がってフィン見た。
「怒ってんの? それとも、邪魔された? もし、あたしが好きで見てるなら、素直に言ってくんない? 邪魔しないで、あたしの席からどいて!」って言った。長い沈黙が流れた。みんな明らかに驚いてるし、俺も。椅子が落ちて、ガタンって音した。ヴォーン家5人、みんな笑ってる。クリードとレオナも入ってる。フィンはめっちゃムカついて俺見てる。
「えっと…冗談だよ」って言って、椅子に座って目を瞑った。はー、何言っちゃったんだろ。
「フィン、お前にも対抗馬現れたなーハハハハハ!」
「ワロタ!」 ヴァンとヴォーン。