CHAPTER 4
四章 - お父様は言う
庭、一番好きな場所。
ここ、何時間も座ってたんだ。一番落ち着ける場所だったから。宮殿のゴタゴタから離れて。
涼しい風が吹いてきて、鳥の声がBGMで、花粉の匂いが鼻をくすぐる。
ブランコに座って、周りに本をいっぱい置いて、クッキーをムシャムシャ食べるんだ。
最高の組み合わせだよね!!
「あの頃は最高だったな」って、庭を歩きながら、心の中で思った。
まさか、私の安らぎの場所、心の拠り所が、ある日、逃げ道になるとはね。王位への欲、権力への貪欲さに目がくらんで、怒りに我を忘れて、自分の妹でさえ見逃そうとしない連中から逃げるための。
権力って本当に恐ろしいものだ。父上がケンカする度に言ってたことを、あんなに早く忘れちゃうなんて。
お父様はいつも言ってた。「王子たちの絆は、母なる大地を守る剣であり、王女たちの絆は、それを守る盾であり、私たち全員の絆は、アズベドランを覆うベールであり、王冠はそれらを一つにまとめる偉大な心だ」って。
お父様は言う。「アズベドランは戦場の兵士のようなものだ。
攻撃するための鋭い剣と、敵の攻撃から身を守るための強固な盾が必要なんだ」って。
いつもそれを強調して、私たちの脳に一つ一つの言葉を刻み込もうとしてた。
でも、その努力も無駄になったみたいだね。彼が教えてくれたこと全部、右から左に聞き流されたみたいだ。
母上の部屋へと続く、いつもの道を行く。そこは私の部屋がある場所。
いつもの自分の部屋の入り口を見て、鍵が開けられるのを待ってたけど、開かなかった。代わりに、そこを通り過ぎて、違う場所に向かってる。
「まさか、見落としたのかな」
「兄上、私の部屋を通り過ぎましたよ。どこへ行くんですか?」って尋ねた。
「まさか、兄上は私を助けるフリをして、殺すつもりなのか」そう考えながら、短剣の柄を握りしめ、どんな攻撃にも反撃できるよう準備した。無駄だろうけど、やってみる価値はある。
「落ち着け、ビタキール。宮殿で一番安全な部屋に向かってるんだ」セリムが答えた。
「お父様の部屋?なんで??」不思議に思って尋ねた。
「ビタキール、あの部屋は、特にお父様のために作られたわけじゃなくて…」
「王位に就くすべての支配者のために」私が彼の言葉を続けた。
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もう夜になって、宮廷で起きた反乱は数時間で終わった。私は高い部屋にいる。
「陛下、反乱の報告をお届けします。入室許可を」マフムード・パシャ、国家安全保障大臣がドアから言った。
セリムは心配そうに私を見て、私が大丈夫かどうか、宰相に対峙する準備ができているのか、目で尋ねている。
セリム王子は王位を狙っているのに、まだ自分のプライドを飲み込み、私を支え、守ってくれてることに、誇りで胸がいっぱいになった。
こんなことができるのは、純粋な心を持った人だけだ。彼への尊敬と憧れが10倍になった。
私はうなずき、準備ができていることを示した。
彼はドアに向かって歩き、開けた。
三人の男が部屋に入ってくるのを見た。
皮肉なもんだ。以前は、私が許可を求めて入っていたのに、今日は私が許可を与える側だ。
「サラーム、女王陛下」三人のパシャが頭を下げて挨拶した。
そしてまさにその瞬間に、私の世界が360度変わったことに気づいた。
あの時、私の人生は二度と元には戻らないんだって理解したんだ。