感情
エレラ POV
ゲイザーとドラコの間のゴタゴタの後、二日経った。あたしは、何が起きたのか、恥ずかしくって。あたし、ドラコに顔向けできなかったんだよね。何て言えばいいのか分からなかったから。
別れる前に謝ったけど、全然足りないって分かってた。
今日はまたデイモンに会いに行った。デイモンのために持ってきたご飯を用意しながら、面会エリアでじっと待ってたんだ。
面会エリアのドアが開くのを見てたら、そこからデイモンが出てきた。冷たいオーラをまとって。目が合った瞬間、あたしは笑った。
あたしの方に歩いてきて、目の前に座るのを見てた。
「おはよう」って挨拶したら、デイモンはあたしを見て、それからあたしの持ってきた食べ物を見た。
「あ、食べるもの持ってきたんだ。朝ごはんね。全部あんたの分だよ。あたしはもう食べ終わったから」って言って、デイモンの前の皿にご飯を置いた。
「ねえ、デイモン、ゲイザーと話した?」って聞いたら、デイモンは首を横に振ったから、あたしは無理やり笑顔を作った。ゲイザーは、デイモンが弟はいないって言ってたから、デイモンがドラコの弟だって分かった時はびっくりしたって言ってたんだよね。
目の前の食べ物を見つめてるデイモンを見た。
「もう食べてもいいよ、デイモン」って言ったら、一瞬あたしを見て、それからまた目の前の食べ物に視線を戻した。
あたしが用意したものを食べるデイモンを見てた。少しだけあたしを見てから食べ始めたから、笑っちゃった。
「デイモン、質問してもいい?」って聞いたら、またあたしの方を見て、頷いた。冷たい感情はそのまま顔に残ってる。食べながら、あたしはデイモンを見てた。
「兄弟っている?」って聞いたら、一口食べるのを止めて、あたしを見て、首を横に振ったから、あたしはゴクリと唾を飲んだ。また食べ始めて、あたしは別の方向を見て、ドラコとゲイザーが言ってたことを思い出した。ドラコによると、デイモンはドラコの弟らしいけど、ゲイザーは、デイモンは弟はいないって言ってたらしい。それで、今…
またデイモンを見てると、食べ続けてる。
デイモンもあたしに、弟はいないって言ったんだよね。
「エレラ」デイモンに呼ばれて、あたしの意識はそっちに向いた。目の前のご飯が半分くらい減ってるのに気づいて、デイモンが真剣な顔であたしを見てるから、笑った。
「なんで?」って聞かれて、あたしは眉をひそめた。
「何、なんで?」って聞いたら、デイモンは深呼吸して、あたしを見て、椅子に体を預けた。
「なんでこんなことしてるんだ?」って聞かれたから、あたしはただデイモンを見つめてた。
「なんで俺を助けたいんだ?」って言って、あたしはゴクリと唾を飲んだ。
「なんで俺を治したいんだ?」って、あたしの目を見て聞いてきた。
「なんでそんなに優しくしてくれるんだ、エレラ?」って聞かれて、あたしは目を逸らした。
なんで?あたしも分からないんだよね。
「あんたのその友達、あんたにとって特別な人なの?」
ドラコに助けを求めた時に聞かれた質問を思い出したし、その質問へのあたしの答えも思い出した。
デイモンはあたしにとって特別な人。デイモンに会えて嬉しいし、デイモンの冷たい目を見るのも嬉しいし、デイモンが近くにいると嬉しい。初めてデイモンの本当の笑顔を見た時のことは、絶対に心から消えないって思ってる。
「あたしにとって、あんたは大事だよ、デイモン」って言って、デイモンを見たら、デイモンの目に驚きが見えたけど、冷たい視線は変わらない。「
大事?」って聞いて、デイモンはテーブルに両手を置いて、あたしの顔に近づいてきたから、あたしはびっくりして心臓がドキドキしてきた。
「どれくらい大事なんだ、エレラ?」って聞かれ、あたしはゴクリと唾を飲み、目を逸らして少し体を離した。落ち着こう。
「な、なんでそんなこと聞くの?」って聞いたら、デイモンはニヤリと笑って、テーブルに両手を置いたまま、椅子に体を預けた。
「まずいことでもあったか?」って聞いて笑った。「顔真っ赤じゃん。あたしに何か欲しいものがある?」あたしはデイモンの言葉に目を見開いた。な、何?
「な、何て言うつもり?」って聞くと、あたしは席を立った。デイモンの大きな笑い声が聞こえたから、デイモンを見ると、作り笑顔じゃなくて、本当に笑ってる。あたしは笑いながらデイモンを見てた。
なんであたしの心臓はこんな風になってるの?胸から飛び出しそうなくらいドキドキしてるし、なんでデイモンが笑ったり、本当に笑ったりするのを見ると嬉しいんだろう?デイモンって、あたしにとって一体何なんだろう?
しばらくして、デイモンは急に真剣な顔になってあたしを見て、あたしの口元の笑顔はゆっくりと消えていった。
「エレラ」って、真剣な声で呼ばれた。
「俺に対して感じてることは、もうやめなきゃだめだよ」って言われて、あたしは言葉を失い、デイモンを見つめたままだった。
「あんたが俺に対してどんな気持ちを抱き始めたのか分からないけど、遅くなる前にやめて」って言うから、あたしは笑って、別の方向を見た。
「あんたはそういうこと言うには顔が厚すぎるよ」って言った。
「じゃあなんでこんなことしてるんだ?」って聞かれたから、あたしはデイモンを見た。
「だって、約束したから、デイモン」って答えた。
「なんでそんな約束を守り続けるんだ、エレラ?」って聞かれて、その時、あたしは言葉を失い、冷たくて批判的なデイモンの目を見つめていた。
「あんたはバカじゃないでしょ。自分だってバカじゃないって分かってるでしょ。俺のこと、どう思ってるか分かってるでしょ」って言う。
「デイモン、あたしはあんたのこと、友達だってしか思ってないよ」って言った。
「それは良かった。じゃあ、もう面会も、手伝うのもやめてくれ」って言われて、あたしは皮肉っぽく笑った。
「やめる?なんで?そうしたら、永遠に刑務所に入れられるの?死刑にされるの?デイモン、なんであんたは自分の命を奪いたいわけ?」って苛立ちながら聞いた。
「だって、そうしたら全部うまくいくんだ、エレラ!」って突然叫んだから、あたしはびっくりしちゃった。ガードたちも驚いてデイモンに近づいてくるし。デイモンは立ち上がって、あたしはデイモンがイライラしてるって分かった。
デイモンを見つめて、何を言えばいいのか分からなかった。デイモンがあたしにこんなに怒鳴ったのは初めてのこと。確かにいつも冷たいけど、今日みたいに怒鳴ることは一度もなかったのに。
「こんなつまらない人生、終わらせたいんだ、エレラ。チャイやアハズと戦うことに疲れ果てたから、休みたいんだ」って言う。
拳を握りしめて、あたしはデイモンの頬を強く平手打ちした。デイモンは止まって、ガードたちが二人の間に立ちはだかった。
「そんなこと、簡単に言えることじゃない」て言った。躊躇してデイモンの目を見つめた。
「飽きたからって、簡単に自分の人生を終わらせたいって言えるの?未来にはどんな素晴らしい可能性があるの?あんたを残して行かなきゃいけない人たちのことは?ゲイザーやハバッコのことは?あたしのことは?!」って叫んだら、涙が止まらなかった。
「あたしを失いたくないから、あたしたちは必死になってるのに、あんたは…」
「そんなこと、俺のためにしろって頼んでない、エレラ!」って叫んだから、あたしは黙った。
「あたしの気持ちは分からないでしょ。あんたはあたしの立場にいないから。あんたの立場じゃないから、そんなこと簡単に言えるんでしょ。この体はあたしのものなんだ、エレラ。あんたのために戦うよ。あんたのために戦うんだ。でも、結局はただのAlterなんだ。この体が治ったら、あたしもいなくなっちゃうんだ!そしたら、あんたに会えなくなるし、話すこともできなくなるんだ!」って叫んだから、あたしは止まった。
ガードたちはすぐに二人の間に来た。デイモンの言葉が頭に入ってくる中、あたしはデイモンが落ち着くのを見てた。
「サーを部屋に案内する時間だ」って、ガードの一人が言ってきたけど、あたしはデイモンのことしか見てなかったから、聞こえなかった。
デイモンが手錠をかけられ、立たされるのを見てた。デイモンが数歩あたしから離れて、また止まってあたしを見て、あたしの心臓はドキドキしてきた。
「俺に対して感じてることは、もうやめてくれ、エレラ」って言って、あたしから歩いていった。