エレラ、誕生日おめでとう
エレラの視点
私、すぐに精神病院に行って、ナースステーションでデイモンを探したんだ。
「デイモン、患者番号412。」ってナースステーションを守ってるナースに言ったら、彼女はなんか紙を見てから私を見たんだ。
「彼、さっき弁護士と兄弟と一緒に出かけたわよ。」って言われて、マジでヘコんだ。
「あ、あの、ドラコはデイモンをどこに連れて行くのか言ってた?」って聞いたら、ナースは首を横に振った。
「いいえ、でも、さっき警察がいっぱいいたの。」これでさらに希望がなくなった。ドラコはデイモンを連れ出したけど、どこに行くんだ?
デイモンは手紙で、実験室に連れて行かれるって言ってたけど、どの実験室かは分からないんだよね。フィリピンにはいっぱい個人経営の実験室があるから。
すぐに携帯を取り出して、ハバッコの番号に電話した。そしたらすぐに出てくれた。
「もしもし、ハバッコ、ゲイザーと一緒にいる?」って私が聞くと、タバコを吸ってフゥーって吹く音が聞こえてから、彼は答えたんだ。
「いや、なんで?」って聞かれた。ハバッコはまだ何が起きてるか知らないのか?
「ドラコがデイモンを連れて行って、実験室に連れて行ったの。」って言うと、向こうで舌打ちする音が聞こえた。私と同じくらい、ゲイザーも怒ってるだろうな。
私は、彼らが私の知らないうちにデイモンを連れて行ったことに腹が立ってる。ドラコは友達だし、デイモンは彼の兄弟だから、すごい信頼してたんだけど、今みたいになってきて、だんだんドラコを信じられなくなってきてる。
「マジかよ、ドラコはデイモンをどこに連れてったんだよ!?」ってハバッコが向こうで叫んだ。
「私も知らなかったんだけど、デイモンを解放するってことになったみたいで、デイモンからの手紙によると、宿主の体にあるいろんな人格を取るために実験室に連れて行かれるみたい。」って言いながら、精神病院から出て行った。
車を路肩に寄せて、ハバッコの怒りを聞いてた。
「最初から、あのドラコは信用できなかったんだよな。お前がいなかったら、ゲイザーも俺も彼を信じなかっただろうよ。」ってイライラしながら言ってきた。
タクシーに乗って、ハバッコはまだ怒りをぶちまけてた。
「ゲイザーはどこにいるんだ?」って彼は聞いた。
「分からない。私が働いてるカフェに寄ってから、すぐに出て行ったの。」って言って、深呼吸してからドラコの家の住所を運転手に伝えた。ハバッコは、電話を切る前に私にさよならを言って、ドラコの家に向かう道のりで、さらに不安になった。
ハバッコが電話を切ってから数分後、知らない番号からメッセージが来たんだ。そのメッセージには、尾根にある住所が書いてあった。
この番号が誰のか分からないけど、運転手にそこに行くって言っちゃったことに気づいた。数分後、運転手は私をその住所の角で降ろした。
メッセージの住所が廃墟になってる建物だったから、さらに不安になった。
携帯を見ると、また振動したんだ。
「見えてるよ、入りなよ。」私はゴクリと飲み込んで、もう一度建物を見た。さらに不安になって、強い風のせいで髪が逆立った。続けるべきか、やめるべきか分からないけど、何か悪いことが起きそうな気がしたんだ。でも、デイモンがここにいるかもしれないから、行かなきゃならない部分もあった。
気づいたら、自分でもない状態で、廃墟になった建物の中に足を踏み入れていた。建物の雰囲気を見て、心臓がドキドキした。明かりはなくて、小さな窓からの光だけが建物の中を照らしてるんだ。
ゴクリと飲み込んで、黒い猫が目の前を横切ったので、思わず飛び上がりそうになった。胸を掴んで、猫を追いかけた。
携帯を見ると、また振動した。その番号からのメッセージだった。
「WELCOME」
なんか分かんないけど、勇気がなくなったんだ。すぐに建物から走り出そうと後ろを向いた時、ドアが閉まって、私は泣き出してしまった。
すぐにドアを叩いて開けようとしたけど、外から何かを塞がれてるみたいで、ドアを開けることができなかった。
しばらくすると、恐怖で涙が流れ始めて、頭の中で何も悪いことが起きないように祈ってた。そしたら、足音が近づいてくるのが聞こえたんだ。
「お願い…お願いだから、出して…」って泣いて、怖くて座り込んだ。誰かの存在を目の前に感じて、さらに怖くなって、目を閉じた。
これが最後?死ぬのか?
「エレラ。」って誰かが私の名前を呼んだ。聞き覚えのある声だった。
すぐに目を開けて、私が座ってる暗い場所で、私を呼んだ人を探そうとした。
「デ、デイモン?」って呼んだら、彼の名前を呼んだと同時に電気がついて、クラッカーがパーンって鳴って、真ん中に知らない人たちが立ってたんだけど、ゲイザーは誕生日帽子をかぶってケーキを持ってニッコリしてたし、ドラコは風船を持っていたんだ。真ん中には、「ハッピーバースデー」って書いてある長い白い布があって、デイモンが風船を持って私の前に立って笑ってた。
どんな気持ちになるのか分からなかったけど、一秒も無駄にせず、すぐにデイモンを強く抱きしめた。同時に涙が溢れてきて、今、いろんな感情が入り混じってるのが分かった。恐怖、不安、悲しみ、そして喜び。
悪いことが起きたんだと思ってたから、もう終わりだって思ってたから、不安と恐怖。誕生日のこと忘れちゃってたから、悲しみ。そして、私が大好きな人たちがサプライズしてくれたから、喜び。デイモンがまた目の前にいるから、もちろん嬉しい。
「久しぶりだな、そんなに俺のこと怒ってるのか?」って冷たく聞かれて、私はさらに嬉しくなった。やっと彼の声が聞けたから。彼とまた話せるようになったから。彼を避けて、病院に行かなかったことを責めてるみたいだったんだ。
「誕生日おめでとう、エレラ。」ってデイモンが優しく囁いたから、私はさらに強く彼を抱きしめたんだ。
涙が止まらなくて、デイモンを抱きしめると、デイモンも私を抱きしめてくれた。
今、この時、私は自分の気持ちが確信できた。デイモンを友達だけだと思ってないってこと。デイモンが前に私に言ったことは正しかったんだってこと。友情よりも深い感情だってこと。
それは本当で、認めます。私がデイモンを愛してるってことを。そして、今、私はデイモンが普通の人間でありますようにって祈ってるんだ。いろんな人格も、宿主も、多重人格障害もありませんようにって。
「ありがとう。」って囁きながら、彼を抱きしめた。
2022年4月4日、私が父を探すために経験した苦労と悲しみ بعدين、再び幸せを感じた日。私がぼんやりとでも叶えたいと願った、たくさんの願いを叶えたいと願った日。デイモンを愛していることを自分自身に証明した日。私がすごく幸せだった日。
でも、これは私が最初で最後の喜びを経験する日なんだ。彼を抱きしめられる最後の日なんだ。
2022年4月6日。