チャプター25 魔法の物
王様に教育されてから、フィリーとブラッドムーンはあんまり絡まなくなったんだよね。会うときは、王様がなんか言ってきそうで、避けたりして。それ見てワンは後悔してた。「ちょっと小僧どもに小言言っとこう」くらいのつもりだったのに、まさかの展開になっちゃったわけ。
「出てけ!出てけ!」って、すっごい叫び声が聞こえてきたんだけど、あれ、ブラッドムーンの部屋からじゃん…あ、さっきご飯運んでたメイドさんだ!
「どうしたの?」フィリーがダッシュで上に行って、ブラッドムーンに追い出されたメイドさんに聞いたんだ。メイドさん、大号泣でなんか言ってるんだけど、何言ってるのか全然わかんない。フィリー、なんかキレて、メイドさんをどかして、ブラッドムーンの部屋に突入!
「何だよ」フィリーが部屋に入ったら、ブラッドムーン、ベッドで本読んでるし…あれ?さっきの叫び声って…?
「何が?」ブラッドムーンは知らないよ!みたいな顔してるけど、マジか?あの声、明らかにブラッドムーンの部屋から聞こえたんだけど…幻聴?メイドさんの様子もおかしいし。
「お前、さっき叫んだ?」フィリーがちょっとブラッドムーンに近づいて、目を見て聞いたんだけど…ブラッドムーン、ちょっと気まずそう。フィリーから目をそらすなよ…
「…うん、叫んだよ。それが?」ブラッドムーン、素直に答えて、本を読み始めた。実は、叫ぶのを隠すために本持ってただけなんだよね。
「なんで叫んだんだよ」フィリー、ちょっとイライラしてる。最近、なんでか知らないけど、すごい短気なんだよね…いや、マジでちょっとしたことでキレるし、人殺したくなったりもするし!
「あんたに何の関係があるのよ!」ブラッドムーンもイライラ。なんであんなに熱い感じで話しかけてくるんだ?兄妹だって、今はもう他人みたいなもんなのに。なんでそんなに怒るんだよ!
「ふーん、そういう言い方するんだ」フィリー、我慢の限界!マジギレしてる。なんでブラッドムーン、こんなこと言うんだ?今は敵対してるとしても、こんなことある?
あー、もう無理。このままじゃ、絶対ケンカになる…止めないと。でも、俺が止めに行くのも変だし、それに、俺のこと知らないし。どうすりゃいいんだ?
--ローラン、お前、姿見せろよ…二人の前に
うわ、誰?なんか違う気配がする…お前は誰だ?
誰でもいいから、とにかく、姿見せろ…
姿見せられるのか?やってみるか…呪文唱え終わったら…
「バーン…」うわ、マジで…姿見せられたけど、なんか…転んだし、痛いし…
「何よ!」ブラッドムーンが振り返って叫んだ!本読んでから、マジで呆然としてたし…
うわ、何だよ…俺だけど、今は人間の姿だよな…「やあ、こんにちは」
「キャー!」ブラッドムーン、また叫んだ!最近、ブラッドムーン、叫ぶの好きだな…
「コホン、あのさ、君、全裸だよ!」フィリーがブラッドムーンの目を隠して、ちょっと気まずそうに注意喚起…んで、自分のコートをローランに投げた。
「あー、サンキュー」マジで汗だくで恥ずかしいんだけど…ってか、綺麗だって言ってたじゃん!なんで落下の時に服着せてくれなかったんだよ!マジ恥ずかしい!
「何なの、あんた!」ブラッドムーンはローランを見て…結構イケメンじゃん…長い髪で、シルバーだけど、肌も白いし、顔も整ってるし、瞳の色は青と赤のオッドアイ!漫画とかに出てきそうじゃん!
「あー、俺はローラン…」
「ローラン?何千年も封印されてた?」フィリー、びっくりして叫び、ブラッドムーンをどかして、ローランのそばに走って行って、肩掴んでめっちゃ見てる…
「うん、俺だけど…」ちょっとビビりながら、一歩下がって…んで、ソファーに派手にダイブ!からの、フィリーの服を反射的に引っ張って…んで…フィリーが俺の上に倒れてきて…俺は横で、フィリーのクソッタレが俺のほっぺにキスした。
「ちょ、何やってんの!部屋でイチャイチャすんな!」ブラッドムーン、そう言って口を手で覆ってトイレに走った…別に吐くんじゃないけど、興奮して我慢できなかったんだよね。ブラッドムーンのことだから、腐女子だし、そんな良い絵、我慢できるわけないじゃん。
「ごめん、悪かった」あー、マジで恥ずかしい…せっかく出てきたのに…フィリー、早くどいてよ!なんで動かないの?早く…もうだめだ。
「動くな!」フィリー、何か言った…俺、マジで固まった。俺も男だし、そういうのわかるし…まじかよ、最悪!
「あの…まず、どいてくれない?」俺、絶対顔真っ赤になってると思う。もう、全部恥ずかしい!姿見せない方が良かったかも…ケンカは止められたけど、でも…俺の犠牲…!
「俺…もしどいたら、動くなよ!」フィリー、なんとか支えて、ローランに頼らないようにしてる。まさか、男にそんな気持ちを持つとは…
そして、二人は変な体勢のまま…
「コホン、フィリー、もう降りてもいい?」時間もったいないし、ワンに会いたいんだけど。
「悪い」フィリー、ちょっと苦しそうに立ち上がったんだけど、すぐ倒れちゃって、ローランがすぐさま抱きしめた。「いや…大丈夫だよ、一人で歩けるから」
「嘘つけ、ゆっくり休め」そして、フィリーの部屋に着いた。
「ありがとう」
「いいってことよ。あと、ブラッドムーンとの関係、そんなギスギスさせんなよ…ワン、お前らがそんなの望んでないぞ」そう言って、どっか行った…あー、かっこいい。
ワンの書斎ー
「コンコン…」
「誰だ?」ワンが聞いた。
「内緒!」あはは、当てられると思うか?今、ワンの顔、赤くなってないかな…そうじゃないと、見られた時に笑われる。
「わかんない…」ワン、適当に答えた…だって、それが正解なんだもん。
「へへ、忘れちゃったのかよ!」俺が数百歳の時、ワンが数歳の頃、よく一緒に遊んだんだよね…
「忘れるわけないだろ…なんか用?」ワンは落ち着いた様子でローランのそばに行って…抱きしめた。
あー、相変わらず、俺のハグ大好きだな…でも、今、大の男二人が抱き合ってる姿って…さっきの出来事の後だから、もう…あーあ…
「用がないと会えないのか?」会いたかったんだよ…よし、ちょっとだけ甘えよう。
「へへ、会いたかった?」俺の心の秘密、読まれちゃった。
「メンツ大事」ワン、意味不明なこと言ってるけど、ワンがこうなるのはローランの前だけ。だって、ワンはローランに育てられたんだから…
「また人の心読むな!」このクソガキ…またやるんだから。「あのさ、ブラッドムーンとフィリーに謝っとけよ…お前が原因なんだから!」
「なんで知ってるんだよ」ワンはローランを突き放して、信じられないって顔で聞いた。
ずっと見てたんだから、知ってるよ。「さあ、ゆっくり当ててみな」