チャプター32 モンティバトルの始まり
ロー・ランが死んでから一ヶ月経ったんだよね。この一ヶ月間、ブラッドムーンはずっと元気なくてさ。フィリーとワンはあの手この手でブラッドムーンを笑顔にしようとしたんだけど、ブラッドムーンはいつもニヤニヤしてるだけで、ワンとフィリーはマジで頭抱えてたよ。ロー・ランの死がブラッドムーンに与えたショックは小さくなかったけど、それ以上に困ったのは、魔界に来て一ヶ月も経つのに、モンティ争奪戦の話が全然進まないこと!これが重要なんだよな…。あいつらがここに居座ってるのは、ブラッドムーンにモンティバトルに参加させたいからなのにさ。それに、この一ヶ月間、天国のエンジェルたちが全然来ないし!
ロー・ランがいなくなって、マジで退屈なんだよね。人間界に戻りたいんだけど、魔王様の許可がないと無理だし…。モンティバトルがいつ始まるかも分かんないし、魔界ってつまんないんだよね。人間界みたいなハイテクもないし、パソコンもないし。何年も経ってるのに、魔界は魔王が住んでる場所以外、まるで封建社会と一緒なんだもん。
「ユーラシアを探したい!」ブラッドムーンが、やっと一ヶ月ぶりに言葉を発したんだ。この一ヶ月間、ブラッドムーンは黙ってたんだよね。たまにニヤけるだけで、ほとんど感情がなくなっちゃっててさ。言葉を失ったみたいに。ブラッドムーンも、フィリーとワンを心配させてるって分かってるだろうけど…、ホントに話したくないんだよね。なんか力が出ないっていうか。ロー・ランが死んだ後、ブラッドムーンも自分の計画を実行したくなくなったみたいでさ。今はただ、ユーラシアを見つけて人間界に戻りたいだけなんだ。モンティ争奪戦とかどうでもいいんだよ!魔界が消滅するのが一番いいって思ってるんじゃないかな!
ブラッドムーンが久しぶりに話したから、ワンとフィリーは喜んだけど…、「ユーラシアを探す」って、ちょっと無理じゃない?ユーラシアがどこにいるか、誰も知らないんだし。たとえ見つけたとしても、ユーラシアが会ってくれる保証もないし。ワンはブラッドムーンをガッカリさせたくないけど、真実を言わないといけない。「ブラッドムーン、もしかしたらユーラシアは見つけられないかもしれないし、見つけられたとしても会えないかもしれないんだ。」
「ユーラシアは見つけられるし、絶対に会える!」ブラッドムーンは、すごく力強く言ったんだ。その言葉には疑う余地がないっていうか、ユーラシアが会ってくれるって確信してるみたいでさ、ブラッドムーンがどこからそんな自信を持ってるのか、誰も分かんないけど。でも、ブラッドムーンがそんなに自信満々なんだから、きっと何か理由があるんだろう。とりあえず信じてみるしかないか。「分かったけどさ、俺はユーラシアの気配を全然感じないんだよ。」ワンはユーラシアの気配を知ってるんだけど、今は全然感じないんだよね。
「ロー・ランの匂いを辿れば見つけられるよ。だって、あいつら接点あったし…」ブラッドムーンのこの一言で、ワンはハッとしたんだ。そうだよな、ロー・ランの匂いを辿れば見つけられるんだ。俺はロー・ランの匂いを感じられないけど、ブラッドムーンは絶対感じられるはずだし。だって、あいつの感覚はマジで鋭いからな。「よし、じゃあ、そうしよう。」ブラッドムーンが何のためにユーラシアを探してるのかは分かんないけど、妹みたいなもんだし、甘やかしてやる権利はあるよな。法律に触れない限り、応援してやるぜ!
ブラッドムーンはもう無駄話はせずに、すぐに立ち上がってロー・ランの匂いを辿り始めた…。その匂いを辿って、ブラッドムーンたちは山の麓に到着したんだ…。この麓はワンも知ってるけど、ここはサタンが住んでるところなんだよな。まさか、サタンがユーラシアを蘇らせたのか?!「ブラッドムーン、フィリー、ここはサタンが住んでる場所なんだ。魔界の普通の人間が頂上まで行くのはマジで難しいんだ。俺も前に行ったけど、成功しなかったし。」ワンは、ブラッドムーンに諦めさせようとしたんだけど、もしかしたらユーラシアはサタンの側にいるかもしれないし、山の麓の地下からは明らかにサタンの気配を感じるんだよな。でも、その隣には別の気配がしてて、それがユーラシアの気配だと思うんだ。
「やってみないと分からないでしょ。」ブラッドムーンは何も言わずに、目を閉じて、静かにゴーストチェンジを唱えたんだ。そしたら、黒と白の翼が現れたんだよ。ブラッドムーンの近くに。もう山の頂上に向かって飛んでるし。山の途中で、ブラッドムーンはブリンクでもっと速く行けるか試してみたくなったみたいでさ。そしたら、そのアイデアを実行したんだ。世界の混血児の翼と、ブラッドムーン独特のブリンクで、一瞬で頂上に着いちゃったんだよ!ブラッドムーンはちょっと興奮してて、そしたら小屋が見えたんだ。ブラッドムーンは小屋に入って、ノックしたんだけど、誰も出てこなくて、ドアが勝手に開いたんだよね。中に入って、ブラッドムーンは歩きながら周りを見てたんだけど、その小さな小屋がまるで城みたいだったんだ。「誰かいるー?!」ブラッドムーンは歩きながら叫んでたんだけど、ここはサタンが住んでるところって分かってるけど、どこに住んでるのかは知らないんだよね。だって、しばらく寝室とか見てないし…。
「止まれ!」冷たい声が聞こえて、ブラッドムーンはその気配が誰のものか分かったんだ。探し求めていた…ユーラシアだった。
「やあ、ユーラシア!」ブラッドムーンも冷たい口調で返したんだ。この男に対して、ブラッドムーンは憎しみを感じてたんだ。この男が、大切な友達、兄弟みたいな友達を奪ったから!ブラッドムーンは悪いやつじゃないけど、見た目で人を判断するタイプじゃないんだよね。心を見てるんだけど、この男の心は、ブラッドムーンによってずっと前から真っ黒に認定されてるんだ。「はは、知り合いだったか?!」ユーラシアは、こんな女の子は初めて見たんだけど、すごく懐かしい感じがするんだよね…。金髪の巻き毛は、あの人に似てるし、でも思い出せない…。血色の目は、純血の吸血鬼のものみたいだし、とりあえず吸血鬼だと判断したんだ。
「もちろん、知らないけど、ロー・ランのことは知ってるはず!」ブラッドムーンがロー・ランって言った瞬間、ブラッドムーンの血色の目がギューってなったんだよね…。握りしめてた拳も、思わず握り締めちゃってさ、もし勢いでユーラシアを傷つけたらどうしようって思ってたんだ。「あいつのことを俺に言え!」ユーラシアは突然叫び出して、小屋が揺れたんだ…。ブラッドムーンは、なんでこんなに感情的になってるのか分かんなかったし、知りたくもなかったんだ。ロー・ランが無実だったこと、ロー・ランがずっと苦しんでたことをユーラシアに伝えるためだけに、ここに来たんだから。「
なんでそんなに感情的になるのか分からないけど、ロー・ランの友達として、あいつに理由も分からず間違って死んでほしくないんだ!」ブラッドムーンはユーラシアに近づいて言ったんだ。ユーラシアは聞いてなくて、ただすごく耳を塞いで、ブラッドムーンがロー・ランについて何か言うのを、聞かないようにしようとしてたんだ。「黙れ、黙れ…黙れよ!」
「ユーラシア、聞いてくれる?ロー・ランは、本当はあなたを殺してないんだよ。ただ、あなたの感覚を麻痺させただけなんだ。あなたたちの間に何があったのかは知らないけど、ロー・ランには安らかに旅立ってほしいんだ。分かる?あいつがあなたと死闘を繰り広げようとした時、自分の命を犠牲にして、あなたの憎しみを和らげようと決めてたんだよ。分かる?あいつが去る時に、考えてたのはあなたのことだけだったんだよ。よく考えてみて。あいつはそんなに簡単にあなたに殺されるようなやつだった?!」ブラッドムーンはそう言い終わると、なんだか感情をコントロールできなくなっちゃって、振り返って小屋を出て…また山を下って飛んで行ったんだ。山を下る時、また涙が溢れてきたんだよね。ブラッドムーンはロー・ランが大好きだったんだ。フィリーみたいに、兄弟みたいに思ってたのに…。今回はロー・ランの応援で中国に来たのに…、あっという間にロー・ランは永遠にいなくなって、帰ってこなくなっちゃったんだよ。ブラッドムーンが山の麓に戻った時、ワンとフィリーはまだ驚いた顔をしてたんだ…。ブラッドムーンが登れたことにビックリしてたし!それに、ブラッドムーンが登ったから、山の途中の霧が消えたんだ。
「どうだった?」フィリーが最初に我に返って、すぐにブラッドムーンに聞いたんだ…。フィリーは疑問に思ってたけど、聞きたくなかったんだよね。「もう言うことは全部言ったよ。帰ろう。魔王様に人間界に会えるって話をしてくるから。」ブラッドムーンは、魔王様が聞いてくれると思ってるんだけど…、もし聞いてくれなくても、こっそり帰ればいいんだし。マジでモンティバトルには参加したくないし、自分の純血が何の意味があるのかも探求したくないし…ただ、幸せに生きたいだけなんだ。
経験を積むと、無関心になるって言うけど、まさにそれだよね…。自分の謎を探求する気にもなれないし。自分の体なんだから、いつか分かるだろうし。ちょうど魔王様の書斎に向かって歩いてたら、突然、ボディーガードが駆けつけてきて、魔王様の書斎の外でひざまずいて言ったんだ。「魔王様、天国からエンジェルたちが魔界を攻撃しに来ました!」これを聞いて、ちょうど到着したばかりのブラッドムーンは、マジで倒れそうになったよね…。マジかよ、さっきまで何にもきがないって言ってたのに、俺たちを帰らせてくれるのかな?って思ってたら、今度は天国からエンジェルたちが来てるって言うし!モンティバトルとか、マジでやる気ないんだよ!世界の混血児の力とか、色んな封印とか、色々持ってるけど…、人間って、どんなに強くても、やる気がなかったら、能力も弱まるんだよね。
魔王様はそれを聞くと、すぐに書斎から飛び出してきたんだ。出てきたと思ったら、探し求めていたブラッドムーンがいたんだよね。でも、今のブラッドムーンの顔はマジで不機嫌そうだった…。まるで借金でもしてるみたいな顔で、魔王様は気にせずに…ブラッドムーンの手を掴んで、基地の中心に向かって走り出したんだ。そこは、元々攻撃することになってた場所なんだけど…、ブラッドムーンは魔王様の手を強く振り払って、反対方向に歩いて行ったんだ…。