白紙
夏、たまんない風がジウインの体からゆっくり吹いてくる。それのせいでジウインは心の中で夏をののしるんだよね。ジウインはただただ夏が嫌い、理由もわからず、根拠もなく、無意識に嫌いになっちゃうんだ。
海辺に立って、果てしない海を眺めてた。ジウインはそれをみて、「え、ここに海があるんだ!」ってビックリ。ジウインは知らなかったんだよね。
海はそんなに大きくないんだけど、裸眼で見てると錯覚で本当にデカくて、永遠に続いていくように見えるんだよね。実際はそうじゃないけど、終わりはすぐそこにあって、平面的な角度からは見えないんだ。
「なんでシンレのこと、シリンって呼んでるの?」ジウインが聞いた。彼女は理解できなかったんだ。
ジャン・ティエンはちょっと黙ってて、果てしない海を見て、ため息をついて目を閉じた。左の顔に風で髪がバサバサ。悲しい右の顔がジウインの目に深く刻まれて、ジウインは何も聞かなかったけど、ただ静かにジャン・ティエンの隣に立って見てたんだ。そして、心の中で直感した。「ジャン・ティエンは自分に答えてくれるだろう」って。
長い時間が経ってから、ジャン・ティエンはジウインに答えた。ジャン・ティエンは、その裏にある話はしなかった。ただ「お前が間違ってる」って言って、それから何も言わなくなった。ジャン・ティエンは話したくなかったんだ、記憶が怖いから、そして、ジウインを信じられないから。ジャン・ティエンは記憶を知ってるけど、それを覚えているかどうかは自分次第だってことも。でも、ジャンはナイーブで怖かったんだ。
二人はまた長い間そこに立っていて、もう一言も話さなかった。ジウインはジャン・ティエンの答えに疑問を感じてて、ジャン・ティエンの目、背中、顔には「破滅」って言葉が書いてあるのが見えたんだ。ただ、ジウインはそれを口にしなかったし、どう言えばいいのかもわからなかった。静かに立って、長い間海を見てた。
夕暮れ時、熱い光がすぐに大地を覆って、海は金色に変わった。「見て、いいな、憧れるな、美しいなあ」って感じ。
「帰ろ!夕暮れだし、暗くなるから…」ジャン・ティエンの口調には、何か混ぜてあるように聞こえなかった。でも、もしかしたら本当に何も混ぜてなくて、ただの忠告だったのかもしれないね。
ジウインは頷いて、振り返って数歩歩いて、頭を少し傾けて、ジャン・ティエンに不思議そうな目を向けて、ジャン・ティエンから「進んでいいよ」ってサインをもらってから、前に進んだんだ。
夜、すごく綺麗!星がキラキラ輝いて、空全体を照らしてる。星は少しずつ淡く光って、月を伴ってる。
月は、よく言う「お皿みたいな満月」みたいで、今の月の形は本当に大きな皿みたいだった。淡い光を広げて、空に輝き、地面を照らすことはできないんだ。
ジウインはそれを眺めて、美しさに憧れる。ただ、月の右下には血痕がついていた。ジウインはなんでこんなにはっきり見えるのか分からなかった。普通の視力なら、こんなにはっきり見えないはずなのに。でも、今はすごく鮮明で、血痕が見えるんだ。
「何?血?」ジウインは心の中で驚いて独り言を言った。ジウインは幻覚、視覚的な錯覚だって思ってるんだ。必死に目をこすって、もう一度目を開けると、ジウインは気づいた。「幻覚じゃない、視覚の錯覚でもない!」って。
ヨンシアは部屋に隠れて、壁に背中を向けて、震えながら頭を抱えてた。ヨンシアは心の中で血への欲求を抑えてて、心臓が激しく鼓動してる。その速さは、今にも飛び出しそうで、血を欲してる!ヨンシアは自分の意志で心を抑えた。ヨンシアはもう耐えられない、すごく苦しくて辛いんだ…この二つの感情は、二つの両刃の剣みたいで、ヨンシアの意志を貫こうとしているんだ。
ヨンシアは頑張った。お母さんがヨンシアの揺るがない意志で、何があっても破られないものなんだ。ヨンシアは今日が血の月だって知ってるし、意識を失って狂ったように血を吸ってしまうことも知ってる。ジャン・ティエンが自分の外で守ってくれてることも知ってて、ジャン・ティエンは容赦なく自分を倒すだろうってことも…ヨンシアはお母さんのために生きたいし、血族を失った吸血鬼のために生きたいんだ。ヨンシアは自制しなきゃいけない!でも、こんなに苦しくて辛いのは何でなんだろう?
「お母さん…」ヨンシアは顔を上げて、血のように赤い眼球が輝き、顔は蒼白で血色がない。
風のように速く、ヨンシアは森の下に立って、あたりを見回した。ジャン・ティエンの影を捉えて、右手を広げて、近くにいる見知らぬ人を吸い寄せ、首を掴み、牙を見せて噛みつき、激しく投げ捨て、口角に血痕をつけて、少し笑って、ジャン・ティエンを笑った?
「恥知らずな吸血鬼!」ジャン・ティエンは冷たく言って、その口調からは冷たさが滲み出てる。
いつの間にか、ジャン・ティエンは手に千の魏を持ってて、目の前のヨンシアに向かって、ヨンシアの額を狙って、発砲した。
ヨンシアは弾丸を凝視して、後ろにのけぞって、すぐに走り出した。その目的はジャン・ティエンで、ヨンシアはジャン・ティエンと戦うつもりなんだ。ヨンシアは自分の命をかけて勝負したいんだ、運命なんて信じてなし、自分の運命を変えたいんだ!
ジャン・ティエンの首を掴んで、ヨンシアは掴むはずだった。でも、少し離れたところにジウインが近づいてくるのを見て、ヨンシアは我に返った。ジャン・ティエンを離して、この場所から急いで逃げ出した。
ジャン・ティエンはニヤリと笑って、千の魏をヨンシアの頭の後ろに向けて狙ったけど、外れた…ヨンシアの手に当たったんだ。
ジウインは怖くなってしゃがみこんで、彼女は銃撃戦に巻き込まれて、空き地にしゃがんで、両手で耳を塞いで、心臓はドキドキしてた。銃声が止んだ後、周りには何も音がなくて、すごく恐ろしくて、息を呑むように静かだった。
長い時間が経って、ジウインは顔を上げて、目を見開いて、自分の目の前から消えてしまった見慣れた姿をじっと見て、その人から落ちていく血の線を見て、ジウインの目は空っぽになって、頭は真っ白になった。自分がどこにいるのかも分からなくなって、血の線を見てるんだ…
「あれは…」
ジャン・ティエンは振り返って、ジウインを見てため息をついた。ジャン・ティエンはジウインが人間だって知ってる。この光景を見て怖がるのは当然のことだけど、それでもジャン・ティエンはジウインが可哀想に感じてるんだ。
千の魏をしまい込んで、ジャン・ティエンはジウインの方に向かって、手を差し伸べて、ジウインを引っ張るように合図した。でも、ジウインはそれを無視して、まだそこに留まって、呆然と見つめてる。ジャン・ティエンはしゃがみこんで、ジウインの目を見た。ジウインはゆっくりと目を閉じた。
眠り、忘れ、記憶喪失。
. . . . . . . . リャンシーに原稿が保存されてるけど、ほとんどはコード化されてるし、読者の数は限られてるはずだし、私もお小遣い稼ぎしたいし、ううう、ううう、ううう…