バー、再び彼に会う[2]
リャンシーの小説の内容、気に入ってくれたら嬉しいな!夏ってさ、夕方にならないと涼しくないじゃん?あの、かったるい気分も、夕方になるとちょっとマシになるんだよね。
ジウインは夏が嫌い。でも、夏の夜は好きなんだ。なんでかわかんないけど、夏の夜だけは好き。
ジウインは成績悪くて、高校行けなかったんだよね。山の中にいたくなくて、外に出て頑張ろうと思ったんだけどさ。山って、マジで遅れてるから、都会の流行とか全然追いつけないんだよね。だから、ジウインはとりあえずバーでバイトすることにしたんだ。
夜になると、音楽がガンガンかかって、空には花火が上がる。ジウインは、こんなにキレイな空見て、「あたしも、あんなキレイな花火、自分のために上げてもらえるかな?」って考えてた。で、考え終わった頃には、まるで幽霊みたいに店内に入って行ったんだよね。マネージャーから電話かかってきて、3012号室のお客さんにドリンク運んでって言われた。ジウインは、最初、ここで働くの結構好きだったんだ。ただのバイトだし。でも、だんだん嫌になってきてさ。バーで働く女の子たちの派手な格好とか、男たちのエロい視線とか、ジウインはマジで無理だった。バイト変えたかったんだけど、マネージャーがダメって言うんだよね。田舎娘のジウインが、マネージャーに逆らえるわけないじゃん?無理!だから、大人しく続けるしかないんだよね!
血みたいな赤い目、ヨンシアはジウインのこと見てた。口元には、ちょっと悪い感じの笑顔が浮かんでる。ヨンシアは、今回ジウインがまた現れたのって、自分が仕組んだことだって思ってるみたい。ジウインのことよく見てみると、なんか間抜けな顔してて、全然自分を意識してない。ヨンシアはジウインのこと面白がってて、ジウインがテーブルにワイン置いた時に、わざとグラス落として、マネージャーに怒ったフリしてた。
マネージャーはすぐに来て、冷や汗かいてた。マネージャーは、このいつもと違う常連客のこと、よく見てて、こっそり調べてたんだよね。ヨンシアって、ミヤギグループの会長、リン・ファンの養子で、素性が謎なんだって。その「素性不明」って言葉で、マネージャーは、この人には逆らえないって分かってたけど、新しく入った子が問題起こしちゃったからね。
「なんだよ、お前!」ヨンシアの冷たい口調には、明らかに怒りがこもってる。
ヨンシア、なんでこんなことしたのか、自分でも分かってないんだ。今の行動も、言ってることも、全部自分のものじゃない気がして、体が言うこと聞かないんだよね。なんでか分かんないけど、胸の中にあったかいものがずっと渦巻いてる。
「ジウイン、お前、クビだ。出てけ!」マネージャーはそう言って、こっそりヨンシアのこと見てた。マネージャーは、新しく入った子のせいで、自分がクビになるのは嫌だったんだ。マネージャーは、内心、ヨンシアが怒らなくて、責任追及しなかったら、自分の店になんにも起きないって分かってたんだ。閉店とか、ありえないし。
目の前にいるのが、ヤスクラ名門学園のアイドル、「バラの王子」ことヨンシアだって知ってるし。朝から、自分に嫌がらせしてきたのは、わざとだったんだって思ってた。ジウインは、もう何も言えない。クビになったんだから。
カバン持って、ジウインはしょんぼり歩いてた。初めての都会でのバイト、誰かのせいでクビになったし、お給料ももらえなかった。ジウインは今月、風と太陽を食べるしかないんだ。どうして、このヨンシアに嫌われたんだろう?言葉でも態度でも、ヨンシアを怒らせるようなことしてないのに。もしかして、自分が気に食わなかったのかな?マジで最悪だ…。
ジウインは心の中でため息をついて、空を見上げた。空は真っ暗で、夜明けの気配なんて全然ない。道沿いのライトはカラフルで、噴水の水がポタポタ落ちてる。ジウインの姿が水面に映って、水に揺れて、何度も何度も繰り返される。ジウインはそこに呆然と立ってて、それから涙が止まらなくなった。さっきの辛かったこととか、色々思い出して。自分の心に何が起きてるのか分かんないけど、色んな辛いことが溜まっちゃって、言葉にもできなくて、ただ泣くしかなかったんだ。
ジウインは自分の姿を見て、手を上げた。持ってたミネラルウォーターを投げたら、ジウインの姿は完全に消えた。
夜が明けて、薄い日差しがジウインを照らしてる。ピンクのワンピースが、すごく眩しい。
ジウインはちょっと重い気持ちで、一晩中、あの姿が砕けていくのを見てたんだ。自分に言い聞かせてる。「明日はきっと、もっといい日になる。明日は、きっと、もっと、もっと…」って何度も…何回も…
バイクがビューンって通り過ぎて、砂埃が舞ってジウインにかかった。ジウインは気にせず、そのまま歩き続けた。山で砂とか川の水とか木とかと遊んで育ったんだから。ジウインは、こんなこと全然気にしないんだ。へへ!
募集の張り紙がいっぱい貼ってある壁まで歩いて行って、急いで見てたら、メイドの募集を見つけたんだ。踵を返して、一歩踏み出した。世の中に、そんなうまい話はない。もし本当だったら、雇い主の家の敷居って低すぎるじゃん?この募集の紙は、もう破って捨てちゃったんだ。一歩踏み出したんだけど、ジウインは躊躇したんだよね。もし、本当だったら?そしたら、チャンス逃すことになるじゃん?次の瞬間、ジウインは思いっきり、その募集の紙を引きちぎった。住所見て、人に場所聞いてみた。
ジウインは方向音痴じゃないんだ。山の中だったら、目を瞑ってても家に帰れる。でも、都会は道が違うから、目を瞑ってたら壁にぶつかるし、目を開けてても何回も間違った道歩くことになる。ジウインって、記憶力悪いから、アパートからバーまでの道とか、何回覚えても覚えられないんだよね。この前、うっかりヤサクラ名門学園の横通り過ぎて、うっかりヨンシアとぶつかっちゃったんだけど、あれがジウインの人生で一番最悪な出来事だって思ってる。
三回も四回も道を聞いて、親切な人に助けてもらって、やっと募集の紙に書いてある住所に着いた。でも、目の前で起きてることになんか不思議な感じがした。普通の家だし、別に何も特別なことないんだもん。ジウインは、子供の頃、おばあさんが山で話してくれた話、子供とか女の人とか女の子を売る話とか思い出して、ますます怖くなってきた。人間の心って、マジで怖いんだよね。おばあさんが言ってたし、ジウインも信じてて、心に刻んでるんだ。人間って、そういうもんなんだって。不純で、優しくないって。天使とは違うんだよね。ジウインは天使のことすごく好きで、なんでか分からないけど、好きで。いつから好きになったんだろう?たぶん、意識し始めた頃からかな。