第1章 走る
「行かないと、見つかっちゃうよ」私のお付きの護衛の一人、サムが、急いで私に言うんだ。行こうって。
「でも、こんなのって…」私、まだ言ってた。
「行けるし、行くんだよ。お前を守るって約束したんだから、邪魔だって、関係ない」ジョナサンが私を引っ張って行った。
「でも、置いてけないよ。ここのみんな、私たちに親切にしてくれたのに。困ってる時に、見捨てるなんてできないよ」私は言い続けた。
「見つけ出して、私のもとに連れて来なさい。私が始末してあげるから」彼女、そう言った。
私を殺す気満々の、あの人の声。私を物理的にだけじゃなく、夢にまで出てくるんだ。
「もう行こう」サムが切羽詰まった声で言うから、今回はもう何も言えなかった。
今、私たちがいるのは、果てしない階段がある秘密の通路。めちゃくちゃ暗くて、不気味。でも、二人がたいまつ持ってるから、どっちに進むかとか、見えるんだよね。私たちは急いで歩いて、トンネルの外に出たら、外には馬が三頭待機してた。急いで乗って、どこに向かってるのかも分かんないけど、とにかく速く走った。安全な場所なんてないんだ。唯一安全だと思ってた場所にも、彼女は私を追いかけて来た。もう、こんなことが2年も続いてる。彼女は私を殺そうと追いかけて来て、私は必死に逃げる。
前は違ったんだ。お母さんは、世界はこんなに平和だったんだよって話してくれたけど、今は戦争だらけ。みんな、いつ殺されるか分かんないから、目も開けてられないんだって。彼女みたいな人たちが、弱い人を脅してるけど、誰も何も言えない。年齢とか、そんなの気にしないで、何でもかんでも殺しちゃうんだ。
彼女の目的は、世界を支配して、邪魔なやつを殺すこと。でも、私、邪魔してないんだけど。っていうか、彼女が何しようと、別にどうでもいいんだ。文句言ってるのは、私だけだし。なんで、私が殺される理由があるのか分かんないけど、思い出した。
なんで、私にそんな力があるって思ってるのか、全然分かんないけど、殺すか、殺されるか、みたいな感じなんだろうな。でも、誰が彼女を殺せるんだ?
私には、彼女を傷つけることなんてできない。彼女の方がずっと強いし、怖くて近づきたくもない。だって、躊躇なく私を殺すだろうから。でも、誰か勇敢な人が現れて、私を助けてくれるといいんだけどな。そうすれば、こんなに逃げ回らなくても済むのに。
「どこに行くの?」休憩で止まった時に、私が聞いた。
今いるのは洞窟で、そこで一晩過ごすことになった。もう、どこにも行けないし、誰にも頼れないんだ。誰かを頼った瞬間、裏切られて、私たち全員にとって最悪なことになるから。
「分かんないよ」サムが答えた。「お前を守るために、一生逃げ続けるかもしれない。だって、お前に何かあったら、希望がなくなっちゃうんだ。俺らは、お前が必要なんだ」
「そんなの信じないって言ったでしょ。なんで、お母さんやお父さんが殺された時に、何もできなかったの?なんで、彼女が現れるたびに、何もできないの?」私は怒って言った。「変な期待するのやめてよ。私なんて、彼女に比べたら、何でもないんだから。あっという間に殺されるよ」
「信じなきゃ」ジョナサンが言った。「お前が、この苦しみを終わらせる唯一の希望なんだ。みんな、お前がそれをやってくれるって期待してるんだ」
「それが、私が一番やりたくないことなんだよ。無理だよ。私、殺されるよ。今日だって何もできなかったのに、明日できるわけないでしょ?」
「俺らは、お前と月の女神を信じてる。彼女がお前を通して、俺らを守ってくれるんだ」サムが言った。
「もう、今日は終わり!」私は、言い合いにも疲れて言った。こんなの初めてじゃないし、最後でもないんだから。
私には、すごいギフトがあるんだけど、使う気はないんだ。みんなが私に望むような人間にはならない。私にも人生があるのに、悲しいことに、それは手に入らないんだ。いつも、お母さんお父さんが、外の世界から守ってくれてた。外に出るのも、何かイベントに参加するのも許されなかった。年に一度、月の女神を祝う時だけは、大勢の人と護衛と一緒に参加したけど。いつも嫌だった。友達もいないし、学校にも行けなかったから、ずっとホームスクーリング。両親のことは嫌いだった。だって、制限されて、閉じ込められてるみたいだったから。
そう、欲しいものは全部手に入ったけど、それでも足りないものもあるんだ。自分の部屋の壁の向こう側にある人生を見てみたかった。誰だって経験できるようなことを、経験したかったけど、できなかった。そして、今、自由になったけど、全然楽しくないんだ。自分の部屋に帰りたくて、今度は自分から閉じこもって、外に出ろって言われたら、両親に反論したりしないのにって。でも、そんなこと、何もできないんだ。たまに、これが夢だったらいいのにって、そこから目覚められたらって思うけど、今は現実だって分かってる。すごくつらい現実。いつ終わるか分からない悪夢。
もし本当に終わらせられるなら、とっくにやってるはずだけど、私には何もできないんだ。すごく嫌だ。たくさんの人が私に期待してて、私を信じてくれてるのに、私自身は自分を信じてないんだから。誰も傷つけたくないし、失望させたくない。いつか、自分の運命を果たすために、努力しなきゃいけない日が来るって分かってる。みんながうんざりして、死を願うような時が来るだろうから。でも、まだ、無理なんだ。怖いんだ。
人に失望させるのが怖い。予言を果たすことができなくて、死んでしまって、誰も苦しんでる人たちの世話をすることができなくなるのが怖い。何もするつもりはない。彼女に勝てるだけの勇気と力を持てるまでは。負けるってことは、失敗と苦しみってことだから、そんなの望んでないんだ。
みんな、
これは私の最初の狼男の話。まだそうは見えないかもしれないけど、そうなんだよ。狼男の話をたくさん読んでて、すごく面白そうだったから、私も挑戦してみたんだ。文章とか、変なところがあったらごめんね。この本を読んで、投票して、コメントしてくれると嬉しいな。本当に、みんなの意見が聞きたいんだ。この本について、どう思うか教えてほしい。
読んでくれてありがとう。すごく嬉しいよ。気に入って、ずっと読んでくれるといいな。
大好きだよ?