第23章
しょっぱい涙が、眠たい目を伝って落ちた。牢屋が開いて、カラッポだったから。
さっき、アルファとシャワーを浴び終えた後、ダンスフロアのど真ん中で、何の説明もなくいなくなって、マインドリンクもブロックしやがったアルファのことばっかり考えてたんだ。それで、大好きな妹に会いに行こうとしたら、いなくなってたし、アルファは知ってた。
あたし、今、知ったし、マジでキレ散らかしてた。正直、あたしにも、アルファには隠してた秘密が結構あったんだけど、全部アルファのためだったんだよ。
「なんであたしに隠してたのよ!」 お腹の出っ張りがいつもより目立つ。風が強い夜で、午後8時、いつもよりイライラしてた。
「お前を守りたかったんだ、誓うよ。」 あたしの後ろに入ってきたとき、匂いでわかった。怒ってるあたしって、全然可愛くないんだよね。妹に何があったのか、知る必要があった。
「違う、あたしから隠したかっただけ。」 アルファの瞳の色が濃くなる。あたしの手首を乱暴に掴まれた。
「そんな口きくな。」 アルファのトーンが、寂しい牢屋の壁に響き渡る。あたしは息を呑み、降参するように頭を下げた。アルファの力を使って、あたしに聞かせようとするの、マジで嫌。そして、もっと素晴らしい説明をするんだよね。
「どれくらいの間、あたしに隠すつもりだったの?」 彼の息が荒くなって、顔に近づいてきた。
「お前が呪いを隠してたのと同じくらいだ。」 身体の中がヘトヘトになるような、すごく焦った気分で、あたしは立ち尽くした。
彼は、あたしの呪いを知っていたんだ。
あのバカ医者、口を閉じてりゃいいのに。レイスが唸り声をあげたから、あたしはシーって言って黙らせた。内側で起こってる騒ぎから解放されたかったんだ。
喉を掴んで息をしようとする。すると、彼がすぐに、あたしが深刻なパニック発作を起こしていることに気づいた。何度も行ったことのある医者のところに運ばれ、丁寧に降ろされた。マスクを必死につけられた。
アルファにしては、医者の狭い家にこんなに早く着くなんて、異常な速さだった。目を閉じて息を吸うと、小さい心臓の音がほとんど聞こえなくなった。赤ちゃんの命を失いそうになっていることに気づいて、嗚咽が込み上げた。
「ごめん、デスタリア。」 疲れたような、イライラした顔で、彼は言った。最初の赤ちゃんを失うかもしれないと察したんだろう。
あたしは一言も発しなかった。疲れ果ててて、休む必要があった。彼はそれを理解したらしく、以前より不満そうな顔をした医者にお礼を言った。突然、わかったんだ。
アルファは、医者に無理やり話させたんだ。
あたしへの信頼のなさ、マジで傷ついた。待たずに、あたしに聞かずに、医者に聞きに行ったんだ。なんでこんなに詮索好きなの、って思った。原因はあたしの呪い、月の女神だけど、それはあたしの中にあるものなのに、彼にはないものなのに。家まで帰る間も、ずっと不機嫌だった。
彼はあたしをそっとベッドに寝かせ、後ろから抱きしめて、首の後ろにキスをした。「ごめん、プリンセス。前のお前の様子が心配だったから、どうしても知りたかったんだ。許してくれ。」 涙が首の後ろに伝う中、彼は低い声で懇願した。
あたしは彼のを向き、頬に触れて涙を拭った。熱くキスをすると、彼はいつものように上になり、あたしの唇を奪った。最高に生々しい方法で。
「あたしを信じて。」 あたしが言うと、彼は同意し、あたしを慰めるためなら何でもすると約束してくれた。
「わかってるよ。ただ、お前があたしに隠してたのが、すごくムカついただけなんだ。」 彼はあたしの手を握りながら説明した。
「隠してたわけじゃない、ただ、辛い真実に向き合えなかっただけなの。」 涙のダムができながら、彼の目を見た。
「大丈夫、ベイビー。お前を置いて行ったりしない。」 彼の力強い声が、あたしの涙を落ち着かせ、残りの涙を拭って額にキスをした。地球を揺るがすような約束が、あたしたちの上に漂っていた。
彼はあたしたちのために戦い、意図せず殺してしまうのを防ぐだろうと、レイスは決意した口調で言った。
あたしもそれと戦えることを願った。その呪いの抜け穴を見つけないと、あたしたちの家族に影響が出るから。
「あたし、それと戦えるかな。」 重い目と乾いた涙で、あたしは彼に問いかけた。
「できるし、するよ。お前を生かしておくために、どんな呪いも防いでやる。」 彼の目が、あたしの目をじっと見つめ、感動的な言葉を口にした。あたしたちのメイトとしての引力が強まり、お互いを奪い合うような視線を続けた。
そんなまじめなこと言わないでよ。あれは、アイ・ファックって言うんだよ。でも、そろそろ本番行かない? レイスが目を回したから、あたしは悲鳴をあげてしまった。メイトに聞かれて恥ずかしい。
「レイスの意見に賛成。マジでそうするべき。」 彼は眉毛を上げて、あたしの足が彼の腰に絡みついた。最高に罪深いやり方で。
「そうしたいけど、もう寝たいだけ。」 それで、彼の希望は打ち砕かれ、彼は唸り声をあげて、あたしをからかい屋だって呼んだ。