第24章
セスのPOV
僕の手は勝手に髪に伸びて、後ろに引っ張っちゃうんだ。やめられないんだよね、この癖。
あの男の子たちには、これですごくからかわれてるんだけど、別に気にしない。
ザナヤが昔、これやってるとかっこいいって言ってくれてさ。あのクソったれ可愛い声で、僕にそんなこと言われたら、マジで興奮するに決まってるじゃん。
まあ、普段からそうだけど。
あいつとの会話、まだ覚えてる。
いつものように髪をいじってたら、あいつが突然話し始めたんだ。
「髪を後ろにやるの、好き。あのね、」ってどもっちゃって。
「何が好きなの?」ってからかったら、顔真っ赤にしてた。
クソ可愛いんだよな、あいつ。一晩中キスしてたい。
「かっこいい」って言って、すぐに顔隠して、僕が抱きしめたんだ。
あのピンク色の頬っぺた、マジで可愛い。つまんでキスしたい。
どうしようもないくらい惚れてる自分に、ちょっと笑っちゃった。
男の子たちがそばにいなくてよかった。もし見られたら、小学校5年生のクソガキが好きな子からアメもらったみたいな顔してんなって、絶対からかわれるもんな。
たまにからかわれるのは、もうマジで勘弁してほしいんだよね。特に、スカイとグレイが、ザヤのことについて僕をからかうことに人生捧げてるから。
別に嫌じゃないんだけどね。あの時、僕のために隠れてくれたから、感謝してるんだ。オーストラリアに行って、あいつを追いかけようとした時も。
ストームとレイズは、僕がどんだけ落ち込んでるか気づいてさ、あいつを追いかけて、ちゃんと話し合えって言ってくれたんだ。
もちろん、僕らがケンカしてるだけだと思ったんだろうけど。あのサリーとのスキャンダルで、ちょっとだけメディアが騒いでたから。
あの時、サリーとのことで泣いてるの見て、マジで駆けつけなきゃって思った。東京があいつを連れて行ったから、僕らの前で泣かせたくなかったんだろうけど。
あいつがあんだけ泣き虫だったのに、今はすごい強くなったなって、誇らしい気持ちになったよ。
あの夜、電話に出なかった時は、マジでムカついたし、イライラした。
あいつのあの悲しそうな顔を思い出すだけで、胸が締め付けられるんだ。
その夜、スカイに頼んで、ザヤがまた練習に来たら、サリーから遠ざけてもらうことにしたんだ。
サリーに最近嫌がらせされてるなんて、とてもじゃないけど言えないよ。あいつがまた動揺して、嫉妬するかもしれないから。
ザヤって、サリーのことになるとちょっとナーバスになるんだよね。それに、サリーとは絶対に会わないって決めたし。
ここ数日、忙しかったから、ザヤが一人でいるのを見て、すぐにグレイを捕まえたんだ。
会いたかったんだ。
触りたかったし、あの可愛い声を聞きたかった。
寂しかったんだ。
それで、ちょっと危ないことだってわかってたけど、あのクソったれ、暗い隅に連れて行って、ギューって抱きしめたんだ。
もしあいつがメイクしてなくて、ゴールデンアワードに行くってことがなかったら、多分もうキスしてた。
手を洗ってる時に、口笛吹いちゃったんだ。そしたら、背の高い奴が入ってきてさ。
会うの楽しみでもあり、ちょっと嫌な感じもする、僕の大切な友達、チャーリーだった。
目が合った瞬間、すぐに頷いた。
友達だけど、もちろん先輩だし、先輩には敬意を払わないとね、どんな時でも。
僕だってわかって、笑顔になったよ。
「お、セス!」って言って、僕の肩を叩いて、それから一緒に手を洗ったんだ。
「やあ、チャーリー。」って挨拶した。
「最近、よく会うね。」
あいつがザナヤを見た直後に僕を見たこと思い出して、笑っちゃった。
「で、いつもお前と会う時は、ザナヤにも会うんだよな。」って、疑わしげに見てきた。「待てよ、あいつ、個室にいないよな?」って、周りを見回してる。
「ちょ、おい!ここは男のトイレだぞ!」って、目を見開いた。
無意識に、周りを見回して、僕らの会話を聞いてるやつがいないか確認したんだ。僕らの仕事だと、こういう話って、森の火事みたいに広がっちゃうからね。
あいつが鏡の前で髪をセットしてるのを見てたんだ。
「もう一回聞くつもりはないぞ、セス。」って、真剣な顔をしてるから、ため息ついた。この会話がどこに向かってるか、わかってるから。
もちろん、あいつが何を聞こうとしてるか、もう知ってた。前に聞かれたことあるからね。
マジで最悪。同じ答えしか言えないんだ。僕のためじゃなくて、あいつのために。
僕らのファン、メンバーのためにも…。
イライラして拳を握りしめたい衝動を抑えた。
チャーリーに僕の気持ちを見抜かれるわけにはいかないんだ。
「もし同じこと聞くつもりなら、答えは同じだよ。あいつとは付き合ってない。」って、きっぱりと言った。
だって、もう結婚してるんだから。心の中でそう思った。なんか、この真実を知ってるから、僕らの関係について平気で嘘ついてても、心が落ち着くんだよね。
あいつは僕の真剣さに笑った。
「お前の言葉…ま、そう言うなら。」って、目がキラキラしてて、ちょっと楽しそうな顔をしてる。
なんでだかわからないけど、あいつの顔に浮かんでる、あのいたずらっぽい光は、なんか嫌なんだよね。
「なんで?」って、ちょっと疑いの目で聞いた。
なんか、あいつがなんでこんなことばっかり聞いてくるのか、ちょっとわかってきて、内側がゾワゾワしてきたんだ。
まさか…クソッ、嫌だ。
あいつはゆっくり僕の方を向いて、僕の手はまだ洗えてないのに、目の前にぶら下がってる。
「なんでかは、もうわかってるんじゃないか?」って言って、僕の肩を叩いて、トイレから出て行ったんだ。
「くそっ」って呟いた。
チャーリーは、僕があいつのこと好きなの、認めたってこと?
いや、奥さんって言うべきか?
イライラして蛇口を止めたんだ。
もういいや。ザヤに話して、あいつと会わないように頼めばいい。
それに、今回のパフォーマンスが終わったら、もう会うことはないはずだし。
だって、僕らはアイドルで、忙しいんだから。
アイドルが仕事以外で会うのは、友達か恋人の場合だけ。
僕は絶対にあいつに、ザヤに近づいて欲しくないんだ。
ザナヤは僕のものだ。あのクソったれ、僕にキスし始めた時から、もう決まってる。
それに、僕はザヤにキスするのが好きなんだ。
すぐに手を拭いて、部屋を出た。
ザナヤのアコースティックパフォーマンスがもうすぐ始まるし、僕のダンスパフォーマンスは終わったとこ。
あいつのことを考えるだけで、胸がドキドキするんだ。
初めて会った時、あんなに喧嘩したのに、今はもう、完全にメロメロなんだから。
僕の女。
マジか。ザヤが、僕に夢中になる女の子が多いからって、ダンスやりすぎないでって言ってきた時、ちょっと笑っちゃったんだ。
あのゲームイベントの時に、僕が一番人気で、女の子アイドルがフィニッシュラインで見たい人ランキングで、一番票多かった時のこと、思い出した。
僕のザナヤは、嫉妬してる時、マジで可愛いんだよな。
イベント会場に戻る途中で、数人のスタッフが必死に探してるのを見かけたんだ。
僕のことには気づいてないみたいだったけど、変なこと言ってるのが聞こえたんだ。
「デボンさんに会われる前に見つけないと、BPに殺される。」
BPって言ったのか、それとも聞き間違いかなって。
「アスト!」って、もう一人の男が呪ってる。
また歩き始めたら、他のやつが言ったんだ。
「マジでしつこいファンだ。」
僕は困惑して首を振った。
なんでこんなに嫌な予感がするんだろう?
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