第28章
ザナヤのPOV
「うわああああ!」 携帯をベッドに投げつけて、うめき声をあげた。
セスのメンバーと寮に行った日からもう2日も経ってるのに、私たち2人は連絡すら取ってない。
セスは一度もメッセージを送ってこないし、安全に寮に着いたことすら教えてくれない。
もっと悪いことに、私たちの寮はめちゃくちゃになってる。
マックスはいつも部屋にいて、ちょっと機嫌が悪そうだし、カリはずっと携帯をいじってる。
まあ、東京東京はいつも通り、変な感じだし。
でも、ちょっと心配になってきた。
セスはどんなに忙しくても、海外にいても、毎日私にメッセージを送ってくれるのに。
セスのボスが病院に運ばれたってニュースも出たしね。
それに、セスとサリーが付き合ってるっていうスキャンダルもネットで騒がれてる。
今、セスはすごく叩かれてる。だって、私とサリーを弄んでるって、遊び人だって言われてるから。
でも、私は怒ってない。
彼は私を信じてって言ったから、信じる。
きっと何か説明があるはず。
ちょっと記事を読んだときは、心が少しズキッとしたけど。
ファンが2人を応援してるコメントとか見ると、心が爆発しそうになる。
あの人を自分のものだって、世界に言えない気持ちって、本当に切ない。
辛くて泣き崩れたいのに、どうしても泣けない。
なんで?だって、意味ないし、めちゃくちゃ苦しいだけじゃん。
そして、私たちはまだ短い時間しか一緒にいないのに、彼を心から信じることに決めた。
彼が私に本気だってわかってる。私に会えなくて彼がどれだけ辛いか、感じてる。
抱きしめ方も、キスも、彼の切望が伝わってくるんだ。
彼は私のことを大切にしてる。だから、私は彼を信じてる。
信じてるよ、セス。
携帯を見ていたら、ドアをノックする音がして、開いた。
見上げると、カリがいた。
「ねえ、何かあった?」
心配そうに私を見てる。
「ちょっと様子見に来たの。セスから連絡あった?」って言って、私のところへ歩いてきた。
それからベッドの隅に座って、私も座ろうとした。
ため息が漏れた。
彼女を見て、彼女も少し落ち込んでることに気づいた。
「まだ連絡来てないよ。でも」って、彼女を心配そうに見つめた。「大丈夫?」
彼女は視線をそらした。
「うん。ちょっと疲れただけかな」
勘だけど、彼女は本当のこと言ってないと思う。でも、今、それを言うのは良くない気がする。
自分のことで手一杯で、メンバーのこと、全然気にかけてなかった。
カリも何か抱えてるみたいで、全然気づいてなかった。
何も考えずに、彼女に近づいて、彼女を抱きしめた。
ぎゅーって強く抱きしめたら、彼女も同じように抱きしめてくれた。
部屋には沈黙が流れ、私たちは抱きしめ合っていた。
なんだか、彼女と一緒にいることで安心した。
「ザナヤ…」
「んー?」
彼女は黙ってて、少ししてから、抱擁を解いた。
「あのさー…」何か言いたげだけど、言い出せないみたい。
ため息をついてるのが見えたし、目も私の方を見てない。
「なあに?」心配して聞いた。
彼女は私を見て、すごく頼りなさそうな目をしてる。「本当にセスを信じてる?」
彼女の質問に唇を噛んだ。
セスを信じてないから、こんな風になっちゃったのかな?
「信じてるよ、カリ。信じてる」と、彼女を安心させるように笑った。「こんな記事とか全然気にならないくらい、信じてるんだ」
「本当に?」って彼女は聞いた。
「うん。でも、なんでそんなこと聞くの?」
「だって、いつもサリーの名前が出てくるし、なんか変だなって」
私は彼女に笑った。
「知ってるけど、それでも信じてる。信じてって言われたから、そうするだけ」
もう答えは出したんだけど、心のどこかで、やっぱり何かおかしい気がする。
不安になってきて、お腹も少し変な感じがしてきた。
「カリ、何か知ってる?」って、彼女に眉をひそめた。
彼女は私を見て、自分の心と戦ってるみたいだった。
「カリ…」と、厳しく見つめた。
彼女は下唇を噛んで、床を見つめた。
「私たちが彼女のグループと友達だって知ってるでしょ?」
私は頷いた。
「そして、彼女たちは意地悪とかじゃないって」
また、どこに向かってるのか分からず、頷いた。
サリーへの嫉妬はあったとしても、私たちのグループと彼女たちのグループは良い友達っていう事実は変わらないからね。
彼女は少し躊躇してたけど、私を見つめた。
彼女はゴクリと唾を飲み込んだ。
「セリが、セスとサリーは付き合ってるって、はっきり言ってた」
それを聞いた瞬間、怒りで拳を握りしめた。
「セスは私を裏切らない」と、彼女に言うというより、自分に言い聞かせた。
「実は、もう1年以上付き合ってて…いや、もう2年?」
それを聞いて、肩が落ちた。まるで氷のバケツを浴びたみたいに、体が硬直して動けなくなった。
心臓がドキドキしてきて、少し焦ってきた。
結婚する前から、サリーと付き合ってたってこと?
つまり、彼は本当に彼女を愛してるってこと?
でも、なんで私にこんなことしたの?
気づけば、涙が頬を伝っていた。
なんで?
私は彼に好きになってって頼んだことなんてない。
結婚した後だって、一度も彼に連絡して、何かを求めたことなんてなかった。
彼に彼女がいてもいいって、はっきり言った。一人でも大丈夫だって、はっきり見せたはず。
サリーなんて、私にとってどうでもいい存在だったのに。彼の言葉を思い出す。
嘘じゃん。
なんで私を好きになったフリして、自分を苦しめる必要があったの?
「あのさ、ザナヤ…」カリが心配そうに私を見てる。
ドアが勢いよく開いて、東京が駆け込んできた。
彼女の顔は衝撃と心配でいっぱい。
「ちょ、ちょっと…」と、私たち2人を見てつぶやいた。
それから前に来て、私を心配そうに見つめた。
私は彼女の携帯を見た。
「まさか…」すごく嫌なものを見たんだって、分かったみたいに言った。
目は涙でいっぱい。
でも、私は彼女の携帯に手を伸ばした。
彼女は少し躊躇したけど、渡してくれた。
速報:セス・デボンとハン・サリー、交際
写真を見てみると、2人は手をつないでいた。
2人ともマスクをしてる。セスはビーニー帽、サリーはキャップをかぶってる。
顔は隠れてるけど、絶対にセスだって確信した。
「ザナヤ…」
私は返事をしなかった。
私の世界は一瞬にして止まって、聞こえるのは、心がバラバラになる音だけ。
なんでこんなことしたの?
全部嘘だったの?
だって、夜食とか、朝3時にこっそり会ったり、深夜の電話とか、甘い言葉とか…全部、彼にとっては遊びだったってこと?
私は東京とカリに抱きしめられながら、心を込めて泣いた。
「カリ…」と、すごく泣いた。
涙が頬を川のように流れ落ちていく。
すごく辛くて、喉も痛くなってきた。
私の世界が目の前で崩れていくみたいだった。
彼は私を信じてって言ったのに、なんで私の心を壊したの?
クソ、セス・デボン。
クソ…
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