第94章 特別編
カリのPOV
「マジで、アンタらまだやり直してないの?」ザナヤが私を見て呆れてる。私はテーブルに頬をくっつけて、野菜を切りながら、数メートル先にいる。両手を広げて、残りのエネルギーが全部体から抜け出ていく感じ。
最近、マジで疲れてる。
大きくため息をついて、唇を尖らせて彼女の言葉に答えた。
「どうしようもないじゃん」ってつぶやいたら、彼女に呆れ顔された。
「カリ、あいつ、マジで土下座してたんだよ?なのにアンタ、自分が綺麗だって勘違いして断ったんでしょ。だから、私がなんでアンタらの関係のこと気にしてるか説明してくんない?」ってニヤニヤするから、目頭に涙が溜まってるのバレそうになって、腕で顔を覆った。
なんで、毎回こんなに痛いんだろう?
「うん、断ったよ。でも、傷ついたんだもん」って言った。声が震え始めて、途中で言葉を止めた。「それくらいはさせてよ?だって、あいつのせいでマジで傷ついたんだもん。相談もなしに、自分達のこと決めつけないでよ」って付け加えた。
胸がいっぱい。あいつのこと考えるだけで、マジでイライラするし、それが嫌で仕方ない。
彼女の目が優しくなった。
同情してるって分かってる。でも、いらない。自分で何とかできる。ザナヤはもう大変なこといっぱい抱えてるのに、私のことまで心配させたくない。
セスの結婚発表後、ファンの一部が二人を避けるようになった。でも、二人は諦めなかった。
SHADOWは、一部のファンがボイコットを決定した後、記者会見を開いた。でも、SHADOWは決意を固く守った。モノは、ザナヤとの幸せを見つけたからって、一生かけてセスをグループから外すようなことはしないって説明した。
まあ、SHADOWにはファンがいっぱいいるしね。もちろん、メンバーを心から愛してる人達は、彼らのそばに寄り添った。セスを批判する声から守ってくれたりもした。
最終的には、SHADOWをどれだけ愛してるか、それを実感して関係を受け入れた人もいる。メンバーも、傷ついたのは理解してるって言ってた。でも、誰にでも好かれるなんて無理だしね。
ザナヤに関しては、まだ駆け出しだったから、特に大きな打撃を受けた。若すぎる結婚だって思われたりもした。でも、理解のあるファンがたくさんいてくれて、本当に良かったって思う。アンチも多かったけど、彼女をすごく愛してくれる人もたくさんいるんだよね。
それに、私たちもいるし。
面白い出来事もあったんだ。セスのファンの一人がファンミに来て、ザナヤにプレゼントをくれたんだ。その女の子は、セスのファンでいてもいいですか?結婚する前の、あの頃みたいに!って聞いてきたんだよ。
そう、つまり、彼に夢中になっててもいいですか?みたいな感じで。ザナヤは最初は戸惑ってたけど、クールに対応してた。
全然大丈夫だよ!一緒にファンやろ!って。
あなたらしくいることを愛してくれるファンがたくさんいるって、すごく感動した。
セスとザナヤは、いろいろあった。今は、もうすぐ産まれるベイビー・モチのこと、どうやってファンに報告するか悩んでる。
ベイビー・アシュトンは、私たちみんなにたくさんの幸せを運んできてくれた。もうすぐ二歳の誕生日だし、メンバー達は、お祝いの準備で忙しい。
でも、グレイと東京に準備させたら、絶対ケンカになるから、やめといた方がいいと思う。
少し経ってから、髪をルーズなお団子にして、エプロン姿で、すっぴんのザナヤを見た。
うん、マジでいいママって感じ。でも、私より全然可愛いんだよな。
少なくとも、セスは私たちにいつもそう言うんだ。私たちを家に帰らせようとするたびに。何回追い出そうとしたか覚えてないけど、最終的には諦めるしかなかった。
ベイビー・アシュトンのことになると、二人がいつも大騒ぎするの、面白いよね。
ベイビー・モチが生まれて最初の月、ザナヤはすごく神経質になって、赤ちゃんを傷つけないか心配してた。
最初はモノは赤ちゃんに近づけなかったし、モノは赤ちゃんのことすごく可愛がってるから、なんか心が温かくなった。
セスとグレイは、モノが赤ちゃんに話しかけようとする度にそばにいた。
モノは不器用だから心配だったけど、結局、モノが一番赤ちゃんを大事にしてた。でも、モノが赤ちゃんの前で変顔し始めると問題発生。
アシュトンはそれが嫌で、泣き叫んで、ザナヤはキレるんだよね。
ちょうどその時、マックスが入って来た。髪はボサボサで、顔はセックスアピール全開。
後ろにはスカイがいて、ニヤニヤしてる。
まじかよ。またカップルか。
ザナヤは二人を見て顔をしかめた。
「マジで、セスが二人をゲストルームから出てくるとこ見たら、二人とも殺すからな」ザナヤは苛立ちながら首を振った。
まるで合図したかのように、セスがシャツも着ないで入って来て、奥さんに後ろからハグした。
私は喜ぶべきなんだろうけど、一瞬、心臓が止まった。
二人の関係は完璧だ。
別にそうなりたいわけじゃないのに、自分の関係はこんな風にはならないって考えると、毎回胸が締め付けられるんだ。
「おい、二人とも、またゲストルームでヤったのか?」セスが、同じようにハグし合ってる二人に叫んだ。マックスがスカイを後ろからハグしてて、スカイはマックスの背中の前で手を組んでる。
マジで可愛い。ちょっとジェラシー感じてきた。
「いや」スカイがニヤリとしたけど、セスは彼を睨んだ。
「マジでスカイ、お前と彼女が家の中で変なことしてるとこ見つけたら、全員追い出すからな。マジで」
ザナヤは旦那の言葉に笑った。
「セスの家の向かいに家を買うつもりだよ。永遠に一緒にいるからね」スカイはニヤリとして、セスは美しい奥さんを見つめて唸った。
「セス、どいてよ。料理しなきゃ。それに、なんでまたシャツ着てないの?」って、セスをちょっと押して、剥いてる野菜のクズを捨てさせた。「なんだよ、ここは俺の家だろ?着たいもの着るんだよ」って唸って、彼女の頬にキスした。それから私の顔を見て、私に微笑んだ。
「カリ、ストームのことチェックしないの?リビングで上半身裸で寝てたんだよな。俺がベイビーを下ろして、彼の方に這って行った時にさ」って、からかうように言ってきて、マジで中指立てそうになった。
ストームはベイビー・アシュトンが大好きで、マジで大好きって言ったら、ストームを怒らせないで起こせるのは、あの子だけなんだ。代わりに、あの人は歯茎を見せて笑って、あの子をぎゅーっと抱きしめるんだ。
そして、ベイビーも同じように彼が好き。
二人は一緒に寝れるんだよ。だから、大抵ベビーシッターは彼なんだ。
ちょっと眉間にシワが寄った。
「なんで上半身裸で寝てたんだろ?」ってつぶやいた。「酔っぱらってた?」って、心配して聞いた。
ちょうどその時、スカイの携帯が急に鳴って、通知が来たのが分かった。
携帯を取り出すと、何が来たのか分からなくて眉をひそめた。
私は、彼の困惑した表情に背筋が伸びた。
「誰か今からライブ配信する予定ある?」ってつぶやいた。
私たちみんなが彼を見てたら、マックスはそれを見て呪いの言葉を吐いた。
私たちが画面を確認すると、ザナヤはテーブルにナイフを置いて、セスと一緒にリビングに走って行った。
画面には、可愛らしいモチみたいにニヤニヤしてるベイビー・アシュトンの顔と、ストームの下半身が映ってる。
心臓が、まるで魂が体から出て行ったみたいにドキドキし始めた。
私も走って行こうとしたけど、マックスが私を止めた。
「ダメ。アンタの顔が映っちゃう。WHISTLEとSHADOWがいつも一緒にいるってバレたら、もっと大変になるから」って囁いて、私は目を見開いた。
クソ。ベイビー・アシュトンが、うっかりストームの携帯でアプリ開いちゃった?
私たちの目は、スカイの携帯に戻った。
コメントが流れ始めて、配信は終了したけど、もちろん、みんながリトル・モチが抱き上げられる手を見て、セスの顔が一瞬映ったのを見た。
「まじかよ。Armyのみんながリトル・モチの顔見ちゃった?」スカイがつぶやいた。
赤ちゃんを見た人なら、それがセスとザナヤの子供だって分かる。
そして、彼がライブ配信に映ったってことは、それをマジで伝えてるようなもんだった。
その時、セスの罵声と、もっと色んな音が聞こえてきた。
SHADOWの他のメンバーと東京も来たんだろう。
クソ。また問題だ。
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