第84章
ザナヤのPOV
たった二つの言葉、ヒミツ結婚…
これだけで、俺たちの会社どっちも弱っちゃうんだよな。
それで、うちの事務所のトップが、俺たちの寮に乗り込んでくるってわけ。
ボスたちが寮に集まった後、何か悪いことが起こるか、もうすぐ起こるって、みんなわかってたんだ。
そして、俺たちは間違ってなかった。
セスのボスが、SHADOWのやつらが寮にいないって気づいた後、最近のことで連絡を取り合ってた俺たちのボスに、ものすごい勢いで連絡したんだ。
だってさ、セスと俺みたいに付き合うってこと以外は、メディアを通して俺たちの会社が一緒になることなんてなかったんだもん。
しかもさ、ボスは俺たちに少しガッカリしてたんだよね。特に、寮の中に7人も男の子がいるのに、実際には、メディアに見つかったら大変なことになるのに、って。
「信じられない」って、まさにその言葉。
厳密には、俺たちは付き合っちゃいけないんだよね。世界中が知ってることだし、まあ、俺はもう結婚してるから別だけど。
それに、俺たちの仕事では、ボーイズグループがガールズグループの寮に一緒にいるなんて、普通じゃないんだ。ていうか、どっちかっていうと不適切なんだよね。
さらに悪いことに、グレイと東京が一緒に部屋から出てきたもんだから、俺たちの状況は全然良くならなかったんだ。っていうか、俺たちは両方のボスを心配させちゃったって確信してたんだよね。
ボスはいつも、俺たちを自分の子供みたいに扱ってくれたんだ。メディアがどんなにひどく彼を描こうとしても、一度も俺たちをないがしろにしなかったんだ。
そして、俺たちのこと、信頼してくれてたんだ。だから、俺たちが赤っ恥をかいたって事実は、ものすごく恥ずかしいんだ。
直接言ってはくれなかったけど、彼はすごく落ち込んでたのはわかってた。
気をつけるようにって言われたし、24時間体制でマネージャーに一緒にいてもらうように頼まなかったってことは、やりたいこと全部やるのに十分な自由をくれたってことなんだ。
でも、今はそれが問題じゃないんだ。
ボスたちが連絡を取り合った理由は、ネットに出回った、ヒミツ結婚してるアイドル2人に関するリーク記事なんだよね。
どこから情報が出たのか、俺たちにはわからない。でも、ネットでは色んな憶測が飛び交ってて、今は絶対に見つかりたくないんだ。
SHADOWは3日後にカムバックするんだし。
そして、WHISTLEは今年1曲しかリリースしてないんだから。
2日前、寮でめっちゃお説教と励ましがあった後、俺たちのグループは結局お互いを避けるようになったんだよね。
つまり、夜遊び禁止、デート禁止、映画マラソンも禁止ってこと。
セスと会える唯一の時間は、ビデオ通話だけなんだよね。
俺の目は、ベッドの真上にある壁掛け時計に釘付けになった。
あと5分で、マネージャーが来る時間なんだ。
さっき、ボスから事務所に来てくれって電話があったんだ。
正直、すっごく緊張してるんだよね。
肩を叩かれた気がして、ビクッとしちゃった。
「マジかよ、ビビったじゃん」
俺の手は胸に当たった。カリはただ、はにかんだ笑顔を向けてきた。
3人とも前に座って、マネージャーが来るのを待ってるんだ。
まるで、終末の日が来てるみたい。
「私たちも一緒に行くからね」
マックスは腕を組んで言った。
「うん!」
東京はうなずいた。
もう、ほんとこれだから。
さっきまで泣きわめいてたのに、グレイと部屋でちょっと話しただけで、ハイテンションになっちゃって。
「大丈夫だって言ったじゃん。私だけで行けるよ」
俺はふんって言った。
みんな、過保護すぎるんだよ。
セスとヒミツで会うわけじゃないんだから。
もちろん、俺たちは自分たちの将来の行動の結果はわかってる。
「私たちみんな、一緒なんだよ、ザナヤ。
別に、何も悪いことしてないわけじゃないんだし」
カリはぷいってそっぽを向いた。
「それに、まだあの時のこと、モヤモヤしてるんだよね。
ただ、ボスが門限を設けなかったのは本当に嬉しいけど」
彼女はまたぷいってした。
俺が返事する前に、ドアベルが鳴って、マネージャーが来たのがわかったんだ。
すぐに、俺たちはみんなで会社に向かったんだ。
「ねえ、ザナヤ、ボスがあなたを呼んだ理由ってなんだと思う?」
東京が聞いてきて、俺の胃が急にキリキリし始めた。
「聞かないで」
俺はため息をついた。
正直、なんで呼ばれたのかわからないんだ。
ただ、彼らが問題を解決しようとしてるってことしかわからないんだよね。
車が止まった時、俺の携帯がピコンって鳴ったんだ。
メッセージを見ようとしたけど、マネージャーに促されて、俺たちは車から降りたんだ。
「直接、彼のオフィスに行って。みんなのこと、待ってるから。
心配しないで、みんなも来るってこと、もう知ってるから。
みんながどんだけ頑固者かって、彼はよくわかってるから」
彼女はクスクス笑って、俺たちはそれに合わせてくすくす笑った。
彼女のオフィスの前に着くと、4人全員で、研修生の頃からやってる応援をすることにしたんだ。
ちょっと面白いんだけど、俺たちのセレモニーは、変顔して体を揺らすんだよね。
ドアの外で何が起こるかわからないから、伝統みたいなもんだよね。
応援が終わった直後、ドアが突然開いて、俺たちは思わず興奮して叫びそうになった。
「オッパ!」
俺たちはみんなで応援して、トニ先輩をハグした。
彼は俺たちの行動に笑って、目がなくなってる。
「みんなが来るのを待ってたんだけど、まだいつもの儀式やってたんだね」
彼はクスクス笑った。
「オッパ…」
俺たちはみんな不満げに言った。
「とにかく、みんな入って。
ザナヤ、話したいことたくさんあるから」
彼は俺にウインクした。
俺の頬は少し赤くなった。
研修生の頃から、トニオッパにめっちゃ片思いしてたって言ったっけ?
彼は俺たちの前を通り過ぎたんだけど、お兄ちゃんがやるみたいに、俺の髪をくしゃくしゃにして行ったんだ。
すぐに、俺たちはみんなボスが電話で話してる部屋に入った。
俺たちはみんな彼の前に立ったけど、彼は座るように合図したんだ。
俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
なんであんなに真剣な顔してるんだ?
5分も経たないうちに、電話が終わり、彼は俺たち、特に俺をじっと見つめた。
彼は喉を鳴らして、深くため息をついた。
「ここ数日、俺たちがどれだけダメージコントロールをしてきたか、よくわかってるはずだ」
彼はそう言って、俺は一瞬、下を向いて、シャツの裾をいじり始めたんだ。
「すみません、ボス」
俺たちはみんな謝ったけど、彼はただ下を見てた。
「遠回しなことは言わない」
彼はそう言い始めて、誰かが慰めるように俺の肩に手を置いた。
振り返ると、他の子たちも俺と同じくらい緊張してることに気づいた。
「この決定は両方の会社で作られたもので、ザナヤ、あなたの家族もすでに状況を把握しています」
彼はそう言って、俺の目はパニックで大きく見開かれ、心臓は狂ったようにドキドキし始めた。
これは絶対、良くないやつだ。
彼の目は心配でいっぱいだった。
「ボス…」
俺は震える声でささやいた。
彼は一瞬ためらったけど、結局、爆弾を投下するしかないんだってわかった。
「ごめん、ザヤ-ah、でも君とセスは別れなければならない」
その言葉を聞いた瞬間、俺の体は硬直し、目がぼやけてきたんだ。
君とセスは別れなければならない。
まるで、心臓が止まったみたい。
次に何が起こったのかというと、俺の注意を引こうとする声が聞こえてきて、意識が暗闇に飲み込まれていった。
俺は気を失ったんだ。
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