何、そうは見えない
「あー、違うって、違うってば!変な噂立てんなよ」
「ふん。私には隠さなくていいんだよ。お前のあの、ちょっとアレな思考回路、見抜いてんだから」
「8歳の時、メイドさんの風呂を覗き見して。10歳の時、そのメイドたちにお金払って手伝ってもらって。12歳の時…」
「ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストップ!もう真面目な大人なんだから」
クソったれ。別に俺がやったわけじゃないし。なんで俺が責任取らなきゃなんねーんだよ。
…でも、元の持ち主ってやつはマジで容赦ねーやつだったみたいで、12歳であの純潔にサヨナラしてたらしいし。
一番可哀想なのは、その現場をこいつに捕まったってことだよな。
最初は、興奮しすぎちゃって、顔にミルクベタベタ塗られたりしてたし。
結果は目に見えてたよな。
次の1週間は、まさに地獄の7日間旅行だった。
「で、これからどうするんだ?」
「待て」
さっきの奇襲は、ただ大人しくさせるためだけだったんだ。
援軍が来たら、もっと楽になる。
だって、t4クルセイダーが得意なのは、遠距離火力制圧だし。
あいつらが出てきたら、残りの2隻のうち1隻は確実に片付くだろうし。
2対1なら、相手を倒す自信は十分にある。
この答えに、ドリスは納得したみたいだ。
今は個人的な勇気を見せつける時じゃない。
喧嘩で先生を殺すってのはよくあることだし。
絶対的な数の前じゃ、どれだけ強い奴でも、押さえつけられて地面に擦り付けられるだけだ。
戦術ってのは役に立つけど、決定的な役割を果たすわけじゃないし。
…でも、ちょうどその時、機関銃の弾丸が偶然にも高エネルギーシールドに当たったんだよ。
鮮やかな青色のエネルギー反応が、敵のレーダーに一瞬で表示された。
「マジかよ、この運の悪さ」
決意して、スラスターを全開にして、急いで方向転換。
…でも、相手も速い。
何度も往復射撃して、シールドに当ててくるから、逆に俺が完全に敵に晒されちまう。
またしてもガシャン!って音がして、大量の葉っぱが散った。
俺の視界を遮るやつもいたし。
…まあ、数秒もせずに強風に吹き飛ばされたけど。
回避行動を取りながら、後ろからエネルギー攻撃がバンバン来る。
たまにシールドを掠るし。
このままじゃ、確実に俺らが不利になるし、距離も400メートルも離れてるから、受け身の戦いしかできない。
…ドリスの方もエネルギーキャノンで相手を攻撃してるけど。2対1じゃ、結果は目に見えてるだろうし。
急いで角度を調整して、方向を計算。
残りの10個の着弾球をドーン!と発射した。
「あんな遠くじゃ当たらねーし、迎撃される可能性もあるしな」
「わかってる」
10個の赤い炎を纏った金属球が、敵の船に向かっていくのを見ながら。
俺も最初のチャンスで戦艦の向きを変えた。
全速力で突っ込んだ。
…代わりに、2隻の戦艦は急いで角度を調整して、これらを回避しながら、機関銃で迎撃し始めた。
電磁機関銃が着弾球に当たり、ガシャン!って音。
高速回転する刃が表面を損傷して、着弾球は別の方向に落ちていく。
2隻の距離を無理やり詰める。
相手からエネルギーキャノンを何発も正面から食らった。
…でも、速度は落ちてないし、一番近くにいたフリゲートに突っ込んだ。
「マッドマン!早く避けろ!」
相手の意図を見抜いて。
アダムの顔には、企み顔。
空中横移動。
スラスターの尾から放出された高エネルギー粒子が、相手の戦艦に直接命中。
表面の砲塔じゃ、このレベルのエネルギー衝撃に耐えられない。
ドカーン!ドカーン!って爆発が連鎖した。
…そして、もう1隻の戦艦の攻撃も、この時止まった。
またこのクソッタレな保護メカニズムかよ。
相手をイライラさせるだけだ。
アダムはほっと息をついて、方向を調整した。常に3点と1本の線を意識した飛行角度を取り、一番近くのやつを攻撃するんじゃなく、ドリスに遠くのやつを攻撃させるようにしたんだ。
背後にいるやつが、俺の盾になった。
こんな嫌な戦い方、マジで最悪。
「俺の保護、すぐ解除してくれ」
「了解」
…でも、解除しようとしたまさにその時、遠くのレーダーに赤い光点が出現したんだ。
「ヤベ、援軍だ。先にあの援護戦艦を片付けろ!」
…でも、次の瞬間、青いエネルギーの柱が閃き、ほぼ同時に、2発の120mm電磁砲弾が俺たちのシールドに命中。
エネルギーシールドは一瞬で消滅した。
電磁砲弾はシールドを貫通して、俺たちの装甲に命中。
アダムの方からのエネルギーキャノン射撃と合わせて。
一瞬で赤い尾炎を上げて、地面に叩きつけられた。
残ったのは、最後の歯のない可愛い子だけだ。
もう、ふざけてる場合じゃないだろ。降伏することに決めた。
死ななかったやつは全員捕虜にした。
機械兵士が武器を取り、敵を全員コントロール。
「言え、誰がお前らにこんなことしろって言ったんだ?三級男爵を襲撃するなんて、お前らに何が起こるか、小言を言わないといけないのか?」
「な、なんだって!男爵だと!」
誰も、今回自分たちのターゲットが男爵だとは思ってもいなかったんだ。
「なんだ、そうは見えないのか?同盟法によれば、こんなことしたら、軽い場合は奴隷にされる。重い場合はスクラップにされる。お前らの家族も、不幸になるだろうな」
「で、どうする?言うまでもないだろ?」
リーダー格のボスが、この時立ち上がった。
「俺たちが、この件について詳しく話しましょう」
…でも、そう言ったとたん、その中年の男が急に突進してきたんだ。腕をナイフに変えて、アダムの心臓を狙って刺しにかかった。
2人の距離はわずか5メートル。相手の速度も速すぎて、生体機械兵士が警戒していたんだけど。
…それでも、反応速度がちょっと遅れてしまったんだ。
「死ね!クズども!」
その醜い笑顔を見て。
アダムは冷や汗が止まらなかった。
こんなことになるなんて、予想できなかったんだから。
…でも、ちょうどその時、シルエットが横に現れて、アダムの前に立った。
ブシュッ!って音と共に、シンプルなサイドキック。
突進してきた中年男は、このキックで空中に釘付けにされ、手足がぶら下がり、傷口から血が流れ出た。目は虚ろで、こんな結果になるとは思わなかっただろうな。
ドリスはすぐに足を引っ込め、体は地面に倒れた。
2体の生体ロボットは、男が死んだことを確認するために体をスキャンした後、残りの数人の頭に銃を向けた。
アダムは信じられない様子で長い間見つめ、突然尋ねた。
「姉さん。将来の義兄さんは、姉さんの長い脚で締め上げられて死ぬんだろうな?」
150ポンドの体、片足で空中にぶら下がってる。これは、拾うよりずっと大変だよな。
初期の見積もりでは、200ポンド以上の足の力がないと、こんなことはできないんだ。
バカを無視。
「義兄さん?子供の頃言ってたこと、忘れるのか?」
「なんだ?そんな風に見るなよ、姉さん。怖いんだよ」
「ふっ。怖がるのが普通でしょ。お前が言ってたことについては…自分で考えろ」
クソ親父。もっとはっきり言ってくれよ。
こんな曖昧さが、一番耐えられないんだって知らないんだよな。
このクズペアの戦艦2隻は、無事回収されたと見ていいだろう。
片方は完全に兵器システムが破壊されてたけど。
もう一隻は、損失を補うために取り外せるからいいんだ。
「ディン、おめでとう、ホスト、海賊行為を成功させた。液体合金アーマー一式を獲得」
「クソ、システム、もっとはっきり説明してくれよ。このアーマーは一体、誰から守るためなんだ!」
「ホストさん、このシステムの善意を過剰に解釈しないでください」
「バカ、誰を騙そうとしてるんだよ」
これらの修理は、帰ってから片付ければいい。
戦艦を繋いで、戦利品を持って帰還。
次のことは心配する必要はない。
2隻のt3攻撃フリゲートは、別に高級品ってわけじゃないけど、普通に使えるし。
搭載されてたエネルギーキャノンを、普通の電磁キャノンに交換した。
こうすれば、炎部隊全体が遠距離火力になって、効果的なフル火力出せるし。
手首に何か余計なものがあるのを見て、口角がピクッとした。
これは、敵の奇襲攻撃から身を守るためでさえなかったし。
起動したらすぐに、彼を守ってくれるんだ。
宇宙に出現しても、短時間なら大丈夫なんだ。
…でも、ニマのこの犬システムは、明らかにドリスに対処するために使われるんだよな。
もしドリスがこれを知ったら、彼の魂は安らかになるんだろうか?
考えてると、代わりに通信機から声が聞こえてきたんだ。
「ボス、プラスフォースアシストスラスターを発見しました」
いわゆるプラスフォース補助スラスターは、短時間で速度を急速に向上させることができる補助装置だったんだ。
今見つけたのは、フリゲートの増強スラスターの最も基本的なタイプC。10秒で20%速度を上げることができる。
最高Sタイプは、10秒で100%速度を上げることができる。それが本物のキラーだ。
…でも、その20%の速度でも、重要な時にある役割を果たすことができるんだ。
特に、彼の様な着陸フリゲートにとっては、短時間でターゲットに近づく必要があったりするし。
着弾球を10個外して、この追加フォーススラスター一式を追加するスペースを作って。
将来、侵略する際には、それらを5個投げるだけでも、そんなに問題にはならないだろう。
侵略が完全に完了しなくても、相手を無力化できるだろうし。
ドリスが家に帰って、マーカスが特別に料理人に今日の料理を作らせた。
「お?また料理人がいるのか?」
「うーん。2日前に来たばっかり」
アダムは疑いの目で見た。
「何のために?その視線は何?」
「別に。お前が正直かどうか見てるだけ」