第19章:告白
|告白|
図書館の近くの公園で話すことにしたんだ。リナスって有名だから、ファンにイメージとか評判を悪くされたくないし。
寮とかお店から一番遠い公園って、ここしか知らないんだよね。たまに暇な時に来るんだ。ネナが見つけた場所。
あたしはベンチに座って、彼は反対側に座った。
彼が緊張してるのか、深い溜息をついてるのが聞こえたけど、見なかった。あたしは空を見上げたんだ。暗くて影があった。夜が深まって、お月様がめっちゃ明るく輝いてる。半分しかないのに、すごく綺麗だった。周りの星はキラキラ光ってて、光を受けたらクリスタルのように見える。毎日、あたしに希望をくれるみたい。星が瞬いてるのを見れば、何でも希望があるって思える。
考えを戻して、もう自分の気持ちを否定するのはやめようと思った。この数日、否定すればするほど、辛くなるだけなんだもん。認めよう、あたしは彼のことが好きなんだって。
初めてのことで、何すればいいのか全然わかんない。でも、友達のアドバイスのおかげで、何とかできそうな気がする。誰があたしを助けてくれるっていうの? 自分しかいないじゃん。
彼に惹かれ始めてから、すごく意識するようになって、ダイエットまでしちゃった。そう、ダイエットは一番最初にやったこと。でも、レナがずっとあたしを応援してくれてるから、続いてるんだ。
彼みたいな人は、細くて完璧なスタイルの女性がいいに決まってるけど、あたしは生まれつきこうだし、無理だって分かってる。あたしは食べることが大好きだし。まあ、そんなにデブじゃないけどねー。スタイルはあるし。お腹もそんなに出てないし、自分的にはちょうどいいんだ。
たまに彼を見た時に、顔が赤くなったり、目をそらしたりする。神経がめっちゃ敏感になってるみたい。
あと、彼のことをすごく考えるようになった。今日、彼がいなくて、ちょっとテンション下がっちゃったし。
何気ない視線でも、すごく意味があるって感じちゃうくらい、あたしは彼に惹かれてるんだ。
たまに、色々読み返したりもする。彼の気持ちのサインを探して。
「ごめん」って彼が言った。
彼を見てみたら、あたしのことを見てた。あたしはすぐに目をそらした。
「何で?」
あたしは何を聞いたのか理解して、目を閉じた。バカな質問しちゃった。
「キスしたこと、ごめん。驚いたでしょ…」
「驚かない人いる?」あたしは遮って、嫌味な笑いを漏らした。「家の中で失礼なことするし、レポート提出させないとか脅すし。初めて会った時は睨むし、あたしを『お姫様』って呼んだ事件の後からは距離置くし、かと思えば、いきなり引っ張ってきてキスだし?」あたしはまた笑って、怒りとか混乱とか喪失感で涙が出ないように頑張った。「そんなの、驚かないわけないじゃん?」あたしは彼の方を見てそう言った。
「で、何が問題なの?」
彼は黙ったまま。
「何? どうして? ここで何してるの? 何を話す必要があるの? 何について話したいの、リナス?」
泣かない。泣かないぞ、ベッカ、ってあたしの心の中で呟いた。
「ごめん…」
「分かったよ。それだけ? ごめんなさいって? いいよ、受け入れるよ。それで?」あたしは強がってそう言った。
彼はまた深い溜息をついた。
「好きだよ」
あたしの胸の鼓動が大きすぎて聞こえなかった。「え?」
「分かんないけど、ベッカが好き。ある日、起きたら君のことを考えてたんだ。君の声が頭の中で聞こえて。毎日君に会うために、バイトにも入ったんだよ」
「ど、どうして? いつから?」
「地下で話した日からだよ。君の許可なくキスしちゃってごめんね、でももう我慢できなかったんだ。もう抑えきれなかったんだよ…」
「一緒にいられないってことは分かってるでしょ。あたしたちは釣り合わないよ。たぶん…たぶん、ただの気まぐれだよ。たぶん、君はそう言ってるだけで、本気じゃないんだよ。ただ混乱してるだけだよ」あたしも同じように付け加えたい。
「違うよ。確信してる。君が好き。もし信じてくれないなら、証明するよ。付き合ってほしい」
「嫌!」あたしは止めた。「あたしは平和な生活がしたいんだよ、リナス。君は有名人だし、これがバレたらどうなると思う? 君のファンが、一般人と付き合ってるって知ったら?」
「好きなのはファンじゃない、僕だよ。誰が好きでも、何がしたいのかも、関係ないんだ」
それを聞いて、あたしの目から涙がこぼれた。こんなことってあるんだって信じられない。
「もし付き合いたいなら、そうする。周りのことは気にしない。一緒にいたいのは、周りの人たちじゃない、ベッカ、君なんだ。君だけだよ」彼は真剣な口調で言った。
「リナス、あたしはこういうの初めてなんだよ。告白とか、付き合うとか。今まで、自分の心を危険にさらすような状況になったことなんてなかったんだ。あたしが好きってことは、君も分かってるでしょ。態度にも出てるし。初めてのことって、すごく弱くなるんだよ。壊れやすくなるんだよ。頭の中で色んなことが起こるんだよ。大学時代に恋人を作るなんて、あたしの目標に入ってなかったんだ。分かってほしい」あたしはそう言って立ち上がった。彼が望むことに同意してしまう前に、離れないと。一度だけ、本当に辛い決断をしたんだ。自分の気持ちに反して、本当に望んでいることに反して。
「それでも、付き合ってほしい。諦めない」彼がそう言って、あたしは止まった。「僕はファイターなんだ。ファイターは諦めない。もし誰かにバレるのが怖いなら、隠すし、誰にも見られないようにする。ベッカ、君と僕だけなんだ。頼むよ」
あたしは返事をしなかったけど、沈黙がイエスだって伝わるといいなと思った。
言葉で表現するのは苦手なんだ。心の中にしまっておく方が好き。映画で見て、本で読んで、そして、あたしは今、全部経験してるんだ。
こんな気持ちになると、おかしくなるなんて知らなかった。今は全然まともに考えられない、自分の思考と感情に覆われてる。嬉しいけど、嬉しくないんだ。
だって、怖がってるだけじゃん、って心の隅で囁いた。
そうなのかな?
恐怖は、魂を蝕ませたら、打ちのめされる。あたしは、将来がどう変わるのか、失敗、他人がどう思うのかが怖かった。そして、リスクを冒すのが怖かったんだ。
付き合うってことに同意したら、リスクを冒すことになるって分かってる。
あたしが好きってことは、彼も感じてるはず。あたしは口には出さないけど。あたしの気持ちが伝わるといいな。
誰かを好きになるのは初めてで、もしこれが長引いたら、恋になるかもしれない。手のひらが汗ばんで、お腹の中で蝶がめちゃくちゃ飛んでて、全然ご飯食べたくないし、心臓はドキドキしてて、そして、不安で…それが今、あたしが感じてることの全てなんだ。