第2章
マジでイライラして内心で唸っちゃう。警告ベルが鳴ってるし、しかもデカいし。
ちゃんと頭が動く人なら、私に関わらないでほしいってことはわかるはず。
グレーのスウェットパンツに、黒のタンクトップ。
超楽な格好。
お母さんたちは私を家にいさせたがってたんだけど、学校に行かせてって説得したんだよね。
だって、もう授業結構休んじゃったし。
髪をまとめようとしてたら、嫌な声が聞こえてきたんだ。
「あら、何が釣れたのかしら」って、元親友が後ろから。
マジかよ!
学校復帰一発目から、こんなことになんの?!
ゆっくり振り返って、元親友と対面。意外なことに、一人じゃない。
元カレにしがみついてるし。
「猫に舌を奪われたってか、ベイビー?」って、元カレが同じ嫌な笑みを浮かべて言う。
マジで言ってる?
「悪いけど、話してる時間ないから行くね」って、感情込めずに言って、振り返って最初の授業に向かう。
でも、諦めない。
そりゃそうだよね、なんで諦めるんだろ?
「あら、ミスマナーのあなたも、もうそんなに人気ないのね」って、彼女が甲高い声で言う。
何言ってんの?!
私、別に人気者じゃないし。
名前を知ってる人なんてほとんどいない。
「彼女は、俺の股間に乗るチャンスがなかったからムカついてるだけだ」って、彼が言う。
マジ?
あいつのチンポ、小さすぎて二度見したわ!
もういい、何も言わない。
あいつらにはそんな価値ない。
あいつらのレベルまで落ちたくないもん。
教室に入って、あいつらのくだらない言葉を遮って、自分の席に急いで向かう。
最初の授業は環境科学で、個別の机じゃなくて実験用の机なんだよね。
誰も私のとこになんか来ないから、一人で実験台に座る。
たぶん、私の顔のせい。
友達は、私が退屈だったり、集中しようとしたりすると「ムスッとした顔」になるって言うんだよね。
本当の友達ね。
ベイリーとフェイス。
今年、バンド室を探してるときに会ったんだ。
遅刻ベルが鳴って、思考が中断される。
「はい、じゃあみんな、今日はノートを取りましょう」って、理科の先生が言う。
ほとんどの生徒が不満そうに唸って、私は困惑した顔になる。
なんで驚いてるの?
学校最初の日から、こんなことやってるのに。
私、2年生だよ、一応言っとくけど。
誕生日が遅いから、ほとんどの2年生より年下なんだ。
「ハンナ、今日はあなたの姿を見ることができて嬉しいわね」って、先生が嫌味ったらしい口調で言う。
「ベリリウムの原子番号を教えてくれる?」って、私に質問する。
私は彼女に眉を上げて、マジ?って目で見たけど、彼女は私をじっと、イライラした顔で見つめてるだけ。
2週間も学校に来てないやつに、こんなことするなんて、驚くことじゃないよね。
「みんな待ってるわよ、ハンナ」って、彼女はイライラした口調で言う。
このクレイジーな人に、そんな質問答えるつもりないって言おうとしたとき、誰かがまるで自分の場所みたいにドアを突き破って入ってきたんだ。
ドアを開けた途端、退屈そうな顔で教室を見渡してる。
転校生かな、初めて見た。
黒のタンクトップに黒のレザージャケット。それに黒のスキニージーンズと黒のブーツ。真夜中のような黒髪は、高いポニーテールに結わえてある。
うわあ。
絶対にワルだ。
つまり、ロクなもんじゃないってこと。
ああいう女の子のこと、読んだことあるよ。
たぶん、彼女は望めば私の頭を体から切り離せるだろうね。
「すみません、なぜ遅刻したんですか?」って、先生は本当に何か教えてるかのように質問する。
「転校してきたんです」って、まるで転校生だってことが明らかじゃないかのように、彼女は苛立った口調で言う。
先生は疑わしげな顔をして、手を差し出す。
転校生は彼女のところまで歩いて行って、ピンク色の紙を先生の手に渡す。
「キングスベリーさん、ワイルダーさんの隣に座りなさい」って、先生は私を指差して発表する。
転校生の灰色の目が私に注がれて、彼女は頷いて、私の方に歩いてくる。
嫌だ、なんで私?!
この教室の誰の隣にでも座れるでしょ!
ああ、マジかよ。
私の2年生、完全に終わったわ。
「やあ、プリンセス」って、彼女はバカにした口調で言う。
マジで、今?!
「今なんて言ったの?」って、私は落ち着いて、彼女の方を向いて尋ねる。
怒りに任せる必要はない。
「プリンセスって言ったの、褒め言葉だよ」って、彼女は私の反応に目を丸めて言う。
「あなた、私のことほとんど知らないでしょ、いや、知らないわよね、なんであなたはここにきて私をからかうの?」って、私は彼女を睨んで質問する。
彼女は好きなように無頓着でいられるけど、他の人たちをそれが原因だって扱うのは問題だよね。
「落ち着いて、プリンセス、からかってるわけじゃないよ」って、彼女は感情を込めずに言って、ボードのノートを書き始めた。
彼女の唇が少しだけ上がってるのが見逃せない。
面白いって思ってるの?!
「そうよ、からかってるんでしょ、そしてプリンセスって呼ばないで」って言って、席で向きを変えてノートを写し始める。
もう、上手くいかないだろうってわかる。
別に文句はないけど。
でも、変なことを考えてしまうんだよね。
なんで彼女が教室に入ってきたとき、胸が少しドキドキしたんだろう?
ベイリーとフェイスと私はカフェテリアのブースに座ってて、みんな何について話してるかって言うと…
新しい女の子のこと。
「ハンナ、新しい女の子見た?」って、ベイリーが大きな青い目で尋ねる。
「見たけど、見ない方が良かったわ」って、私は不機嫌そうにフライドポテトを口に押し込みながら答える。
嘘でしょ。
黙って。
「なんでそんなに不機嫌なの?」って、フェイスが新しい女の子から私に注意を向けながら尋ねる。
「別に、ただ、みんながあんなに彼女のこと騒がない方がいいんじゃないかなって」って、私は困惑した顔を避けながら言う。
「ハンナ、嘘ついてる」って、ベイリーが言う。
「いや、嘘じゃないもん」って、私は彼女たちの目を避け続ける。
「ちょっと待って、あの子こっち見てる」って、フェイスが興奮した声で言う。
まさか、こっち見てるわけないでしょ。
ゆっくり振り返って、ベイリーとフェイスが見てる方向を見る。
新しい女の子の目が私と合った瞬間、彼女はニヤリとしたから、私は彼女に目を回して、席で向きを変える。
「ちょっと待って、彼女ハンナのこと見てる」って、ベイリーは同じように興奮して言う。
「もう、彼女のことについて黙ってて!」って、私はフライドポテトを3本口に押し込みながら言う。
「シー、彼女が来るよ」って、フェイスが言うから、私は目を見開く。
マジで、神様にお願い。
もしこの女の子が来たら、マジで勘弁してくれよ。
「やあ、プリンセス」って、聞き慣れた声がする。
マジかよ?!
私たちは友達だったはずじゃん、マジで。
ゆっくり彼女に向き合って、できる限りの最高の笑顔を見せる。
「お願い、あっち行って」って、お願いする。
「無理」って、彼女は私の反応に完全に楽しんで言う。
「プリンセス?」って、ベイリーが示唆に富んだ口調で、フェイスが示唆に富んだ眉をしかめながら言う。
「彼女と私に何かあるわけじゃないから」って、私は目を見開いて言う。
彼女と私の「関係」について、何か言われる必要はない。
それに、私たちは互いを好きでもないし。
それに、お互いの名前も知らない。
「うわあ、プリンセス、私たちラボパートナーだってこと、あなたには意味ないの?」って、彼女は悲しそうな顔をして、手を胸に当てながら尋ねる。
「全然」って、私は感情を込めて答える。
私は彼女を睨んで、あっち行ってって目で訴えたけど、彼女は明らかに楽しそうに私を見つめてるだけ。
「私たちと一緒にどう?」って、フェイスは私の隣の席、今は私のバックパックが置いてある場所にジェスチャーする。
マジで、フェイス?!
「どうしようかな、迷惑かけたくないし」って、彼女は言う。
迷惑かけないでお願い。
「いいえ、遠慮しないで」って、ベイリーは励ます。
この二人は一体なんなの?!
「わかった、どうしてもって言うなら」って、彼女は私のバックパックを掴んで、座って、優しく自分の膝の上に置く。
「あなたたち、私にはもう終わりだよ」って、私はベイリーとフェイスに呟いたけど、彼女たちは新しい女の子を見つめ続けてて聞こえない。
マジで、彼女の名前を知っておかないと。
いや、知らなくてもいいや、だってそうすると私が気にかけてるみたいになるから。
そして、気にしてないし。
でしょ?!
「もしよければだけど、名前教えてくれない?」って、ベイリーが彼女に尋ねる。
「私の名前はオーレリア」って、彼女は明るい笑顔で言う。
オーレリア・キングスベリー。
彼女の名前、すごくお金持ちっぽい。
でも、その響きの美しさは否定できない。
「ありがとう、プリンセス」って、彼女は私に小さな笑顔で答える。
ああ、マジかよ。
聞こえてた。
そんなこと言ったなんて信じられない。
顔が熱くなって、私は気まずそうに自分の絡み合った手を見つめる。
「す、すみません」って、私は小さく言って、ブースから滑り出て、急いでドアに向かう。
どこに行くのかわからない。
ただ、ここから出なきゃってことだけ。
目的もなく廊下をさまよってたら、元カレに止められた。
名前は伏せておく。
「うわあ、今度はストーカーでもするつもり?」って、彼は信じられないって口調で、少し楽しそうに尋ねる。
私は彼に目を回して、腕を組む。
「放っておいて」って言って、彼を避けて歩こうとしたら、彼が私の道を塞ぐんだ。
「君は、僕のこと好きでたまらないんだろ?」って、彼は楽しそうに尋ねながら、私の体をくまなく見てる。
「ごめん、ベイビー、今、君の親友と付き合ってるんだ」って、彼は肩をすくめて言う。
「あ、間違えた、元親友だね」って、彼は偽って悲しそうに言う。
「どいて」って、私は言うだけで、彼の横を通り過ぎようとしたら、また彼が私の道を塞ぐんだ。
「なんで、また問題から逃げようとしてるの?」って、彼は尋ねる。
お前が言うな。
「もう一度言うけど、どいて」って言って、彼を通り過ぎようとしたら、彼は私の上腕を乱暴に掴んで、私を後ろに引っ張って、彼の前に立たせたんだ。
「これからは逃げられないぞ、ハンナ」って、彼は邪悪な笑みを浮かべて言う。
彼の腕から私の腕へのグリップが緩まないから、少し不安になってきた。
自由な方の手で、彼の腕から手を離そうとしたけど、失敗。
代わりに、彼は私の腕の周りのグリップを締め、もう片方の手を使って私の手を乱暴に引き離した。
痛い。
腕と手首にズキズキする痛みを感じ始める。
「私から離して」って言って、彼のグリップから抜け出そうと引っ張る。
彼の目は、まるで私に何か悪いことをしようと計画しているかのように、私の体を不吉に見つめ続けている。
「やめろ」って、私は言う。
「彼女から離れろって言ってる」って、聞き慣れた声がする。
まるで瞬きの間に起こったことだから、見逃しちゃったかもしれない。
オーレリアの拳が元カレの鼻に命中して、バランスを崩して倒れそうになる。
彼は数歩後退して、鼻を掴む。
「何だよ、今の?」って、彼は苛立った口調で叫ぶ。
「彼女から離れて」って、オーレリアは厳しい口調で要求する。
私は彼女の方を向くと、息を呑んでしまった。
彼女はすごく力強く見える。
彼女の黒髪は、もうポニーテールではなく、まるで彼女の顔の周りや肩に流れ落ちるように、無造作に横に分けられている。
彼女の灰色の目は、まるで中の火を鎮めようとしているかのように、スモーキーグレーだった。
彼女の顔つきは厳しく、私の間抜けな元カレが鼻血を止めようとするのを見ていたけど、間違っているかもしれない。
彼女は彼の鼻を折ったかもしれない。
「その代償は払ってもらうぞ、キングスベリー」って、彼は睨んで、私に嫌悪感を示して足を踏み鳴らして出て行った。
オーレリアはすぐに私の方を向いたけど、感情を込めることなく、私の怪我がないか調べている。
「手首は?」って、彼女は私の腕を調べ終わってから尋ねる。
手首を前後に動かすと、鈍い痛みを感じるだけ。
「大丈夫」って、私は答える。
彼女は頷いた。
「助けてくれてありがとう」って、私は言う。
彼女のおかげで、何が起こったかわからない。
「どういたしまして、プリンセス」って、彼女は少しニヤリとして答える。
「マジで、またこれ?!」って、私は彼女に尋ねる。
「わかった、あなたの名前は?」って、彼女は心から尋ねる。
私は彼女に眉を上げる。
これは罠のような気がする。
「なに?」って、彼女は尋ねる。
「これは罠?」って、私はためらいなく彼女に尋ねる。
「マジで、今、どんな罠ができるっていうの?」って、彼女は腕を組んで尋ねる。
たぶん、彼女は正しいんだ。
「私の名前はハンナ」って、私は決めて彼女に教えることにした。
「ハンナ・ワイルダー」って彼女が私の名前を呼ぶと、体がゾクゾクする
うわあ。
何なの、今の?
体を真っ直ぐにして、この気持ちを隠そうとする。
私の元カレは、私をこんな気持ちにしたことはなかった。
「素敵な名前ね」って、彼女は黒髪の髪を耳の後ろに隠しながら言う。
彼女の目は、そんなことをしながらも私から決して離れない。
この女の子、危険だ。
こんな人に会ったことすらなかった。
ましてや見たことすらない。
ここから出ないと。
「助けてくれてありがとう、でも私は行かないと」って言って、二重扉に向かう。
「ハンナ」って、彼女が私を呼ぶ。
「ん?」って、私は彼女の方を振り返って尋ねる。
「あなたのバックパック忘れてた」って、彼女はバックパックを背中から外して、私に渡す。
恥ずかしくて顔が赤くなって、ぎこちなく彼女の方に行き、バッグを掴む。
私たちの指が軽く触れ合った瞬間、息が止まる。
すごく変。
手がゾクゾクし始めて、膝が弱くなってきた。
「ありがとう」って言って、バッグを肩に乗せて、二重扉に向かう。
今日はいろんなことがあった。
元カレと元親友が付き合い始めた。
新しい女の子が私たちの学校にきた。
ベイリーとフェイスは、その女の子の足元にひれ伏したような感じだった。
元カレは、私になにかしようとした。
そして最後に、新しい女の子と私は知り合いになるかもしれない。
たぶん、昼寝が必要ね。