第8章
「ハンナ、アンタはイヤでもディナーに行かなきゃダメよ」って、お母さんが言うんだ。
「はーい」ってつぶやいて、電話を切った。
ムカついた顔で、ベイリーとフェイスの方に向き直る。
「行きたくなくても、ディナーに行かなきゃいけないんだ」って、ため息交じりに言う。
「ほら、きっと二人が仲良くなれるように、運命がそうしたいんだよ」って、ベイリーが笑う。
頭を抱えるように、ウーンって唸る。
マジ勘弁してくれ。
ベイリーとフェイスがなんか適当な映画を見てる間に、数時間経ったけど、ある人のせいで全然楽しめなかったんだよね。
「ハンナ、そんなに悪いヤツじゃないよ、考えすぎだよ」って、フェイスが眠そうに文句を言ってくる。
ベイリー、フェイス、あたしは、ベイリーの部屋でキャンプしてる。
今は朝の3時で、あの変装した悪魔のことばっかり考えちゃって、全然止まらないんだ。
あいつは、髪の毛についちゃうキラキラみたいなもんだよ。
一回ついちゃったら、なかなか取れないんだよ。
「たぶん、そうかもね」って、ため息をつく。
たぶん、あたしがちょっと人信用できないから、こんな風に思っちゃうのかも。
「もしかしたら、あたし混乱してて、それをあいつにぶつけてるだけかもしれない」って、自分に言い聞かせる。
うわー、マジでヤバいじゃん。
「あーあ、もういい?寝れる?」って、ベイリーが皮肉っぽく聞いてくるから、顔を背けた。
フェイスの方見たら、もうグーグー寝てるし。
うっわー。
早すぎ。
あたしも早く家に帰んなきゃいけないから、寝とこ。
ー
眠そうに手を伸ばして、うるさいスマホを探す。
なんでこんな朝早く、両親から電話かかってくんのよ?!
スマホのつるつるしたガラスに触れたから、右にスワイプして、着信音止めて、相手を確認せずに耳にあてる。
黙って、相手が話し出すのを待つ。
「えーっと、ハンナ?」って、電話の向こうから聞こえる。
あたしはすぐさま気持ちよく寝てた体勢から飛び起きて、目を見開いた。
マジかよ!
なんで、あいつがー?
「ハンナ?」また聞いてくる。
あたしは無意識のうちに寝てる友達をチラ見。
「なんで、あたしに電話してくんの?」って、ベイリーのデジタル時計をチラ見しながら、小声で怒鳴る
3時58分だって。
「話せない?」って、真剣な声で聞いてくる。
ダメだよ、ハンナ。あいつの罠にハマっちゃダメ。
あたしはすぐさま立ち上がって、ベイリーの部屋からこっそり出て、友達を起こさないように、つま先立ちで歩く。
「前もそう言われて、家族を怒らせたんだ」って、ベイリーのバスルームに向かいながら言う。
あいつはため息をついて、あたしがベイリーのバスタブの縁に座るまで、歩き回ってるみたい。
「ハンナ、ちゃんとケジメつけて、前に進みたいんだ」って、あいつは言う。
「あたしの親友と浮気したんだから、それぐらい考えろよ」って、あたしは言う。
「ベイビー、お願い」って、必死にお願いしてくる。
「本当にやり直したいんだ、何でもするよ」って、約束する。
あたしは下唇を噛んで、不安そうに膝を揺らす。
なんで、マジであいつに会おうとしてんだ?!
「ハンナ、お願いだよ」って、悲しそうな声で言う。
「わかった、ダイナーで会お」って、あたしは言う。どこに行けばいいか、あいつはわかってるはずだし。
あいつが何か言う前に電話を切った。
大丈夫、ハンナ。
ケジメつけるためだけに会うんだから、そしたらまたシングルライフに戻れるんだから。
あたしは静かにバスルームから出て、急いで階下に向かう。一番下の階段に着いたとき、誰もいないことを確認して、周りを見渡す。
誰もいないから、靴のとこに行って、ベイリーのジャケットを借りて、羽織る。だって、もう秋だし。
これで、本当に良かったのかな。
ー
あたしは、ストローでアイスコーヒーをかき混ぜながら、ドアの上のベルが鳴って、誰かが入ってきた合図を聞く。
しばらくして、誰かが向かいに座る。
「やあ」って、あたしの気を引こうとする。
コーヒーをかき混ぜるのを止めて、深い青色の瞳を見た。
心から愛してた、あの目だ。
ハンナ、お願いだから、まだ15歳なんだから。
「やあ」って、小さく返事して、落ち着かなく場所を移動する。
それを見て、あいつは少し離れた。
「それで、浮気のことについて話したいんだよね」って、単刀直入に言う。
「うん、でも、まず、謝りたい」って言われて、あたしは疑いの眉をひそめた。
「話して」って、純粋な興味で促す。
「君を軽蔑して、ガラで君にしたことについて、本当に申し訳ない」って、謝罪する。
驚きで、椅子に背筋を伸ばす。
うわー、マジで思ってもみなかった。
「謝ってくれてありがたいけど、もしよければ、なんであたしと浮気したの?」って、質問する。
彼は顔を上げて、答えを探すように考えている。
「あの女に操られて、君がフェイスとヤってるって思わされたんだ」って言うから、あたしは目を見開く。
冗談だって言ってくれよ。
「嘘でしょ」って、あたしは一言も信じてないって顔で言う。
「本当に嘘じゃないんだ」って、降参するように手を上げた。
「フェイスが別れ話をしてる時だったんだ」って、説明し始めた。
「最初、信じなかったんだ、無視してたんだ、君があたしを無視して、放課後にフェイスと遊んでた時、心配になり始めたんだ」って、彼の視点から話す。
あたしは、彼が説明してる日にちを思い出そうとして、話についていく。
「あの日の午後、フェイスがベイリーと遊んでて、誰も急いでるようには見えなかったんだ」って言う。
「フェイスに家に来てって言われて、フェイス、ベイリー、あたしの3人で遊ぶことになったんだ、その週、あたし達はほとんど一緒に遊べなかったんだ、毎晩違うテスト勉強しなきゃいけなかったから」って、説明した。
彼は、理解した顔で頷いた。
「ああ」って、申し訳なさそうに、ぎこちなく話を続ける。
「ほんの数秒待って、全部誤解だってことを願ってたけど、アヴァが現れて、もっと嘘を吹き込んできたんだ」って、悲しそうな顔で言う。
「君が、あたしに傷つけられたくないから、あたしから距離を置いて、別れようとしてるって言われたんだ」って教えてくれた。
あたしはテーブルに手を置いて、彼の指を絡ませるようにする。お腹がドキドキしなくなるのは無視して、彼の目をじっと見つめる。
「そんなことするわけないじゃん」って、呆れた顔で言う。
アヴァが、あたしのことそんなこと言うなんて、どうして?
あたし達、友達だと思ってたのに。
「今はそうだってわかってるけど、あの時は君が間違った場所にいたんだ」って、彼は言う。
「君が家族や友達と遊ぶためにあたしを無視するたびに��彼女はあたしにもっと嘘を吹き込んできたんだ」って、声が震えながら言う。
「10ヶ月記念日の朝、君に話しかけて、本当のこと尋ねようと思ってたんだ、でも、君も両親も電話に出なかったんだ」って、詳しく説明した。
「すぐに君に会いに行けなかったのは、祖母が来る途中だったからで、あたしは、お母さんに後で君に会いたいって言ったんだ」って、悲しそうにため息をついて、続ける。
「時間が来たとき、あたしは服を着てたんだけど、アヴァが窓から入ってきたんだ、彼女がそんなことしたからゾッとしたけど、君と話すつもりだって伝えたんだ」って言った。
「あたしの計画を知ってから、気が狂ったみたいで、もちろん、君への信頼を失わせるために嘘をついてたんだ」って、彼は話し終えた。
「なんで君が、あたしに見られたような状況になったのか、説明してないよ」って、あたしは思い出させる。
「あの時は、自分の感情に基づいて行動したんだ」って彼は言う。
「どんな?」ってあたしは聞く。
「傷ついてたけど、悲しかったんだ。君にとって十分じゃないって思ったんだ、それに彼女が吹き込んできた情報と、自分の目で見たことを足したら、君と友達でいられなくなるように、アヴァを手伝うことに同意したんだ」って、彼は説明した。
なるほど。
うわー。
すげえ情報量。
あたしは椅子に寄りかかって、黙って頷くことしかできなかった。
「本当にごめんね、ハンナ、もう一度チャンスをくれたら、二度とそんなことしないと約束するよ」って、約束するような顔で言う。
あたしは、彼の申し出を考える。
あたし達は、お互いから隠してたことがある。
あたし達は、お互いについて、色んなことを誤解してた。
でも、完璧な関係なんてない。
「なんで、あたしが信じなきゃいけないの?」って、興味津々で質問する。
「だって、あたし達の関係は信頼で成り立ってるんだから、あたしは君を信じてるよ、ベイビー、君はあたしを信じてる?」って、質問をあたしに投げ返してきた。
あたしはため息をついて、テーブルに肘をつく。
「信じてる」って、あたしは言う。
彼は微笑んで、優しくあたしの手を握って、キスをした。
あたしは彼のジェスチャーに微笑むけど、ちょっと…変な感じ。
前みたいに、ゾクゾクする感じがしないんだ。
まあ、ハンナ、何期待してんの、だって、やっとヨリ戻したばっかりなんだから、時間が必要なのよ。
そうだね、そうだといいんだけど。
「デート、今夜?」って、あたしに質問してきて、あたしは顔をしかめた。
「無理、今夜、家族とキングスベリー家と夕食で、行かなきゃいけないんだ」って、あたしは伝える。
彼は、混乱した顔をする。
「キングスベリー?あの、新しいエモ系のあいつの名字だっけ?」って、質問してきて、あたしは眉をひそめる。
「エモ系じゃないし、そうだけど」って、あたしは言う。
うわー。
信じられない、あたし、擁護しちゃった。
正確に言うと、本当のことだから、擁護したわけじゃないけど。
「明日の朝、学校に行く前に、朝ごはんとかどう?」って、彼は聞く。
「いいね」って、あたしは笑顔で答える。
あたしのスマホが鳴り出して、ベイリーの名前が表示される。
あたしは、彼のところから手を離して、スマホを取って、電話に出る。
「もしもし」って、あたしは素っ気なく答えて、彼女に怪しまれないように願う。
「朝の5時だけど、どこにいるの?」って、心配そうな声で聞いてくる。
くそっ。
彼女にメモを残しておくのを忘れたんだ。
「眠れなかったから、コーヒーを飲みに行ってきた、すぐ行くね」って、あたしは彼女に言う。
「わかった」って返事して、電話を切る。
うーん、わかった。
変だな。
「行かなきゃ、ベイリーの家に泊まってたから」って、コーヒーを持って、あたしはブースから出て行く。
彼は頷いて、あたしを追いかける。
「じゃあ、そこまで送りたいんだけど」って提案して、あたしは彼を見て笑う。
「バイバイ、チャドリー、またあとでね」って、彼の頬にキスをして、あたしは立ち去る。
本当に波乱万丈な一日になりそうだ。