第29章
アイクは、ジュオラが自分のためにコンサートを企画するなんて思ってもいなかった。ジュオラは小さいって言ってたけど、実際はラゴスの最大級のイベントホールのひとつを使ってたんだから。
駐車場に停まってる車を見て、アイクはビビった。会場にはいろんな知事、大臣、議員、社長、会社のオーナーとかがいるって言うんだから、そりゃそうなる。
どうやったらあんな人たちをコンサートに呼べたのかって聞いたら、ジュオラはあっさりこう言ったんだ。
「お父さんの友達だよ」
どうやら、ジュオラがお父さんに友達を呼んでって頼んだらしい。それにしても、ピーター・マシューズみたいな人じゃないと、普通のコンサートに知事とか大臣を呼べないよな。あんなにすごい人たちをひとつの場所に集められるのは、彼だけだ。
アイクは自分の服をもう一度見た。
白い袖付きのブラウスに、ジーンズのズボン。
ジュオラは両親も呼んでて、学校の友達も何人か呼んでた。
「準備できた?」
ジュオラがそう言って、アイクは彼の方を向いて、むくれた顔をした。
「ただみんなの前で演奏したかっただけなのに」
アイクがそう言うと、ジュオラは肩をすくめた。
「もうみんながいるけど」
ジュオラがそう言うと、アイクは笑った。
「分かってるでしょ、ジュオラ」
アイクはむくれながらそう言うと、ジュオラは笑顔で、アイクのセットした髪を直した。
「お前の腕前、見せつけなきゃな」
ジュオラは少し笑ってそう言った。
「ステージは全部お前のもの」
ジュオラがそう言うと、アイクは深呼吸をして、カーテンの後ろから出て行った。耳につけていたマイクを口元に持っていく。
「皆さん、こんにちは」
アイクが��しく言うと、会場は静かになった。
「皆さん、こんにちは。私の名前はアイクです。今夜は歌います」
アイクはそう言って座り、ギターを膝の上に置いて調整し始めた。
会場を見渡すと、アイクの視線はグロリアとチディマの隣に立っているジュオラと合った。ジュオラが笑うと、アイクも反射的に笑い、ギターをかき鳴らし始めた。
怖くない 暗闇は怖くない
逃げたりしない
怖くないよ 落ちるのも怖くない
平気だよ
星が 星が どうして暗闇を怖がるの?
怖くない
怖くない 最初から
暗闇は怖くない
暗闇
トゥーネチ
俺はマジでビビってない 絶対ビビんねぇ
ロレックス見たら 今は一番ヤバい時間だってさ
俺はマジでビビんない マジで固まったりもしない
死人達も見えるけど 「人生楽しめよ」って言うだけ
マジでビビんねぇ それが言葉なのかは分かんねぇけど
マジでそう思ってる 「邪魔すんな」って感じ
ちょっと待って 証言するわ 証言なんてしたことねぇけど
俺のプライドと結婚したから マジで泣いたことない
ビー玉みたいな目 泣いたらキラキラする
お前の心も読める まるで俺が作者
明日のための列 短くなってるし
俺がトリガー引く側だけど もしかしたら俺が標的?
深呼吸して さよなら 死ぬのは怖くない
バイバイかおはよ 空が落ちてくる
そして俺は暗闇で輝く
ロレックス見たら 「さあ、サビの時間だ」ってさ
俺はビビってないってこと
暗闇は怖くない
俺はマジでビビってない マジでビビんない
逃げたりしない
怖くないよ 落ちるのも怖くない
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
平気だよ
俺はマジでビビってない マジでビビんない
星が 星が どうして暗闇を怖がるの?
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
怖くない
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
怖くないよ 最初から
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
暗闇は怖くない
俺はマジでビビってない マジでビビんない
暗闇は怖くない
俺はマジでビビってない マジでビビんない
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
オッケー 俺の心を横に置いとけ
感情的になって ベイビー、行こうぜ
ビッグMACは横に置いとけ
電話かかってきたら すぐに飛んでいくよ
「あの子は俺のベイビー」って マジかよ
彼女は新しいベンツを手に入れるかもね
彼女は俺が欲しいって言うから
オウイ オッケー ベイビー、やろうぜ、uh-huh
俺が泣いた涙を数えたら
百万回 マジで死んだ
頑張ってるけど まだうまくいかない
彼女が欲しいのは夜だけ
暗闇は怖くない
俺はマジでビビってない マジでビビんない
逃げたりしない
怖くないよ 落ちるのも怖くない
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
平気だよ
俺はマジでビビってない マジでビビんない
星が 星が どうして暗闇を怖がるの?
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
怖くない イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
怖くないよ 最初から
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
暗闇は怖くない
俺はマジでビビってない マジでビビんない
マジでビビってない マジでビビんない
暗闇は怖くない
俺はマジでビビってない
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
ラップからスローなパートまで、アイクはすべて完璧に歌い上げた。彼女にとって、その歌は彼女の感情を完璧に表現しているように感じた。彼女は死ぬことを恐れていない。愛する人たちを置いていくことを恐れているのだ。最後のヴァースをもう一度歌いながら、彼女は歌のテンポを落とした。ギターをゆっくりとストロークしながら歌った。
怖くない イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
俺はマジでビビってない マジでビビんない
怖くない イェーイ イェーイ イェーイ
怖くないよ 最初から
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
暗闇は怖くない
俺はマジでビビってない マジでビビんない
マジでビビってない マジでビビんない
暗闇は怖くない
俺はマジでビビってない
イェーイ イェーイ イェーイ イェーイ
歌い終わると、アイクは静かになった。目を開けて会場を見渡すと、突然、アイクが父の友達だと認識している議員の一人が立ち上がり、拍手をし始め、皆が立ち上がって盛大な拍手をし始めた。