第14章 奇妙な光景
同時に、京都のサークルってすごく大きいから、みんな人から人へ、耳から耳へと話が伝わるんだよね。
上流階級の連中はみんな、ソン・ムーがグー・ジンシウを探してるってこと、知ってるんだ。
みんな、ソン・ムーってグー・ジンシウの隠し子なんじゃないかって憶測してる。
グー・ジンシウの特別アシスタントのナンバイは、そのサークルのことなら、自分の手の裏を見るように全部知ってるんだ。
遠く離れたアフリカにいるグー・アーだって、その噂は聞いてるんだから。
「ナンバイ、ソン・ムーちゃんが空から降ってきたなんて、あいつら絶対に想像してないだろうな」
グー・アーは汗を拭きながら、上流階級の連中の口元を見て笑った。
ナンバイは電話越しで鼻で笑うグー・アーに、冷たく、真剣な声で言った。
「ソン・ムーちゃんが見つかったんだから、誰かがわざと問題を起こすかもしれない。最近は気をつけろ」
「ああ、わかったよ…」
『プツッ…』ナンバイは容赦なく電話を切った。
グー・アーは切れた電話を見て、つぶやいた。「あいつ、まだ懲りないな」
京都の上流社会にソン・ムーが現れたことは、爆弾と一緒なんだ。
アーロン家に嫁いで、グー・ジンシウの奥さんになりたいって思ってる女は、一体どれだけいることか。
あの時、みんなはソン・ムーの背後にいる女が誰なのか、色々推測してたんだよね…
で、ソン・ムー本人は、そんなこと全然知らないんだ。
**
次の日、平南閣。
ソン・ムーは朝早く起こされた。
リビングのグー・ジンシウはスーツ姿で、少しも急がず朝食を食べていた。
ソン・ムーは眠そうで、可愛いキャラのパジャマを着て、ムニムニした手で目をこすりながら、ゆっくり階段を下りてきた。
まるで次の瞬間にも階段から落ちてしまいそうだった。
「顔を洗って、会社に行こう」
ソン・ムーはまだボーッとしてて、グー・ジンシウが何を言ってるのか全然聞いてなかった。
ただ、美味しそうな匂いがして、自然とダイニングテーブルの方へ歩いて行ったんだ。
ソン・ムーは、グー・ジンシウのシュッとした横顔を見て、丁寧に整えられたスカートを引っ張って「食べたい…」って言った。
グー・ジンシウは、ソン・ムーのムチムチした手を叩かずにはいられなかった。
「まず顔を洗いなさい」
命令っていうより、逆らえないような口調で。
それから、視線を横にやり、黒い瞳を暗くした。
この小さな存在のせいで、例外が多すぎる…
ソン・ムーがグズったせいで、グー・ジンシウは生まれて初めて遅刻したんだ…
グーの会社は騒然となった。
グー・ジンシウがソン・ムーの手を引いてエレベーターに入っていくのを見て、みんな顔を見合わせてニヤニヤして、何か納得したみたいだった。
ソン・ムーはグー・ジンシウの隠し子だ!
でも、彼らが知らないのは、グー・ジンシウがソン・ムーを抱っこしてるのは、ソン・ムーが甘えてて、目をあけずに歩かないからなんだ。
八十八階。
社長室。
ソン・ムーはオフィス内を歩き回って、グー・ジンシウを不思議そうに見ていた。
「ナンバイはどこ?私も何か食べ物買ってほしい!」
グー・ジンシウは処理する書類を開いて、ソン・ムーを見た。
明らかに少し驚いた様子だった。
ナンバイは冷たくて堅物で、人と仲良くなるのが苦手なのに、いつからこんなにソン・ムーと仲良くなったんだ?
グー・ジンシウはソン・ムーの質問に直接答えず、一枚の紙を取り出した。
「次の君の任務は、上の言葉を全部覚えることだ」
ソン・ムーはムチムチした小さな手でそれを見て、なんだこれ?って顔をした。
紙には簡体字がいっぱい書いてあるけど、ソン・ムーにとっては鶏の足跡みたいに見えるんだ。
次の瞬間。
ソン・ムーはきっぱりと紙を脇に置き、革張りのソファに走って行ってリモコンで遊び始めた。
まだこの前のアニメ見終わってないんだもん!
熊大熊二とかが一番可愛いし…
グー・ジンシウはソン・ムーが自分を無視してるのを見て、薄い唇をきゅっと引き締め、歩み寄り、あっさりリモコンを取り上げた。
ソン・ムーは怒った顔でグー・ジンシウを見て、リモコンを取り返そうと飛び跳ねた。
でも、足が短すぎて、グー・ジンシウの肩にすら届かない。
ましてやリモコンなんて無理。
その時だった。
ナンバイがその件について調べていたら、何か大変なことが起きてるってことが判明したんだ!
ピンチだ!
それから、ドアを開けて、変な光景を目にした。