第10章
アハのハートで。
地面に倒れ込んで、痛みがズキズキしてくる。今夜あったこと全部、頭で全然整理できない。
いや、殴られなかっただけまだマシだったかも。
その夜、ルイスは突然モンスターになった。あんな顔、今まで一度も見たことなかった。
フィリップって誰だって聞かれて、送り迎えしてくれた人だって答えたんだ。
そしたら嘘つきだとか、色々言われた挙句、罵詈雑言のオンパレード。
もう我慢できなくなって、週末に連れて帰ってた女のことについて聞いてみた。
そいつがミランダだって、まだ教えてくれなかったんだもん。
ルイスはもうとっくにミランダだって言っただろ、それが全部だって言うんだ。俺にそれ以上の説明は必要ないんだってさ。
あたしも同じように、ルイスのことについてはもう十分説明した、もう何も言うことないって言ってやった。
そしたらキレて、また罵り始めたけど、もうどうでもよかった。
ルイスはあたしが何回ルイスと寝たんだって聞いてきた。三回目にして同じこと大声で叫ばれたから、やっと答えた。
あたしはフィリップに会ったのはその夜が初めてで、フィリップとも、誰ともまだ寝てないって。
そしたらまた嘘つき呼ばわりされて、散々なこと言われた。
あたしのハンドバッグを掴んで、開けて、中身を全部地面にぶちまけた。
ルイスの名刺を見つけて、細かくビリビリに破り捨てたんだ。
あたしのスマホを取って、何か見ようとしたけど何も見つからなかったらしく、椅子に投げつけた。
あたしはただ座ってるだけだったのに、全部。
部屋でなんか食べれるもんないか、寝る前に確認しに行こうと思って。
ルイスはあたしを嘘つきだって言い続けて、他の男と寝てたくせに、あたしがルイスに触らせないって言ったんだ。
あたしは全然無視して、リビングを出ようとしたら、獲物を狙うみたいに襲いかかってきた。
無理やり地面に押し倒そうとしてきたから、必死に抵抗して、絶対倒れないって頑張った。
そしたらあたしの顔にツバを吐きかけてきて、呪いの言葉を吐きながら肩を殴られた。
バランスを崩して、地面に倒れた。
ルイスはあたしを羽交い絞めにして、服を脱がそうとしてきた。
ルイスの目を見たら、見たことない顔をしてて、ルイスがあたしにやりたい放題する気なんだって分かった。
あたしは懇願し始めた、ルイスの方が強くて、逃げられるわけないんだから。
あたしの服のトップスをビリビリに破かれた。抵抗しようとしたけど、本当にルイスに頼み込んだ、あたしに無理やりしないでって、落ち着いて、二、三日待ってくれたら、体の全部をあげますって。
そうすれば、感情的にも精神的にも準備できるから。
ルイスはあたしが何を言っても全然聞いてくれなかった。
もう抵抗するのも諦めた。疲れてたし。
マジで痛くて、その場で気絶しそうだった。
ルイスが立ち上がった時、まるでマラソン選手みたいに肩で息をしてた。
ルイスの顔は見れなくて、目を閉じて、静かにそこに横たわってた。
もう痛くて叫んだりしなかった、色んなことを願って静かに泣いてた。
もしかしたら、家に帰って、両親や妹からの拒絶や嫌がらせに耐えればよかったのかもしれない。家出なんてしなきゃよかったのかも。今となっては、あたしが間違った選択をしたのは明らかだ。ルイスはあたしのこと本当に大事にしてくれて、どんな時でも守ってくれると思ってたのに、傷つけられたんだ。修復不能なほどに。
もし両親が家で政治的な駆け引きとかしなくて、あたしに優しくしてくれてたら、今でも家にいて、たぶん大学生になってたはず。
もし少しでも愛してくれてたら、家を出る理由なんてなかった。
両親はレイチェルのことばかり可愛がってた。あたしは透明人間みたいで、家政婦みたいに扱われてた。
両親があたしをゴミみたいに扱うなら、他人なんてなおさらだ。
もっと良いことあるって期待してただけなのに、ルイスがこんなに落ちるとは思わなかった。
もしかしたら、あたしの期待が高すぎるから、いつも傷ついてしまうのかな。
なんであたしばっかりこんな目に遭うんだろ、神様は見てないの?
あたしは起き上がろうとしたけど、動けなかった。痛みがひどすぎる。
また突然泣き始めた。
「ごめんね、エイプリル…」
うわ、ルイスのクソみたいな口から出た最初の言葉がそれだった。
面白かったよ。謝るって、全部解決することになってるんだもん。
謝れば全部直って、全部なかったことになるんだと思ってた。
そうだったらどんなにいいか。だって、謝るって、事態をさらに悪化させるだけなんだもん。
ルイスは続けた。
「…エイプリル、お願い…ごめん。嘘ついてると思ったんだ。他の男と会ってて、もう寝てるんじゃないかって思ってて、俺に触らせてくれないから…」
あたしが怖くて怯んだから、ルイスは一瞬止まった。
「…俺は悪いやつじゃない。エイプリルのこと愛してるし、大事に思ってるんだ。エイプリルみたいに俺にとって大切な女は他にいない。ずっとそうしたかったんだ…まさかエイプリルを傷つけることになるなんて、思ってもみなかった。故意じゃないんだ、エイプリル。本当にごめん…どうか、俺を許してくれないか…」
咳払いして、泣きそうなフリをしてる。
「…もし許してくれなかったら、どうすればいいのか分からない。自分を保てないんだ。本当にごめん。心の底から愛してるし、全部やり直すために何でもするって約束する。お願い…エイプリル、許してくれ…」
今夜の悪いこと全部を、どうすればやり直せるって言うんだよ?
そんなの全然意味ないし、黙っててくれた方がずっとマシだったのに。
無視して、なんとか地面から這い上がった。そして、トイレに引きずって行って、鍵をかけて、そこにいたんだ。