第28章
AMAHのハートより。
ルイスが、給料のアラートを早く送らないと、マジでヤバいぞってずっと脅してくるんだよね。
それに、私をハメるためにフィリップも探しに行くって言ってたし。
なんか私がコソコソやってるって勘づいてるんだけど、何がしたいのかは全然分かってないみたい。
それが面白いんだよね。想像することしかできないんだから。
フィリップに会いたいってメッセージ送ったら、仕事後に待っててって言われて、その通りにした。
仕事が終わってから30分くらい待ってたら、やっとフィリップが来たんだ。
いつもは残業してて、全然会えなかったのに、その日は私のせいでいつもより早く帰ることにしたみたい。
大丈夫?って聞かれて、昨日車に轢かれたんだって言ったの。
フィリップはめっちゃ驚いて、私の体を確認し始めた。
大丈夫だよって言ったけど、スピード出てなかったから良かったものの、そうでなければもっとヤバかったかも。
もう時間がないから、計画を早く実行に移さないと。
悲しい顔して、ルイスにやられたアザはもう治っちゃったから、ちょっとだけメイクで傷跡みたいなの作ってさ。
フィリップに事情を話し始めた。全部本当のことじゃないけど、ルイスにめっちゃ苦労させられてるのは事実だよ。
嘘をついて、フィリップに言ったんだ。「ルイスは、もうすぐ旅行から帰ってくるから、彼のガールフレンドがよく行くレディースショップでプレゼント買ってきてって頼まれたんだ。昨日、仕事終わりに買って、家に置いておくようにって。彼が帰ってきて、その女性が来たときに、旅行先で買ったことにしてプレゼントするんだって… 帰りに車に轢かれちゃったんだ…」
フィリップの悲しそうな顔を見てて、私は話を続けた。
ルイスに頼まれて、遠くに住んでるガールフレンドに荷物を届けに行ったこともあったんだ。「…ルイスが旅行に行く前だったんだけど、その時も事故に遭いそうになって… まじで神様のおかげで助かった」
フィリップは、私がそんなことさせられてたことに腹を立ててて、なんでルイスは宅配便とか使わないんだ?って不思議がってた。
ルイスってそういうやつなんだよ、もう慣れたけどね。ってフィリップに言った。夜遅くにガールフレンド達に使い走りにされることもあるし、彼女たちが来たら、ルイスは私を部屋に入れようとしないんだよね。
だから家を出なきゃいけないこともあるんだ。
ある日、同じように夜に男たちに襲われそうになったこともあるんだよ。
服も破かれちゃったけど、なんとか逃げ出した。
フィリップは叫んで、なんで今まで黙ってたんだ!って怒ってた。言ってくれればよかったのにって。
アパ―ト借りない?って聞かれたから、もう動いてるよって答えた。
これ、私がずーっと探してたチャンスだったんだ。ついに予期せぬ形で来たんだよね。ルイスをどうにかする方法を探してたし、フィリップに、ルイスと一緒にいるのは危険だってことを伝えたかったんだ。
上手くいってフィリップに信じてもらえたから嬉しかった。
フィリップは、引っ越す前に両親に相談した方がいいって言うんだ。ルイスはやっぱり家族なんだからって。
両親はもう知ってるし、ルイスの家から私が出て行くのを待ちきれないくらいだって言った。
フィリップは全部同意してくれて、引っ越す時は教えてくれれば、もっといい場所に住めるように手伝うって言ってくれた。
長いキスをした後、お金をくれたんだ。
そういえば、偽の事故のせいで、体が痛いとか言わないと、って思い出したから、わざと痛そうな顔をした。
フィリップは止まって、謝って、今度ルイスに会って、彼の女たちのために危険なことさせるのやめろって言ってくれるって言った。
大丈夫だって言ったんだけど、フィリップがどうしてもって言うから、従うことにした。
その日は家に送ってくれるって言うから、市場で降ろして欲しいって言ったんだ。食料品を買いたかったから。
帰ってって言ったんだけど、フィリップは拒否したんだ。
待ってて家まで送ってくれるって。
もう、どうにもならなくてさ。
市場でちょっと買い物した。買う予定じゃなかったものとか。
いつも、なんだかんだ理由つけて、家に送ってもらわないようにしてたのに、今回は何も思いつかなかったんだよね。
市場で降りればよかったんだけど、フィリップは待つって言うし。
家に着く頃には、ルイスがいないかキョロキョロして、フィリップが車を停めた瞬間に、急いで車から降りた。
何か言おうとしてたけど、もう私は出てた。
手を振って、門の中に駆け込んだんだ。
中に入って、全部計画通りに進んでるから嬉しかった。
ルイスはまだ帰ってないし。
そしたら、ドアの音がして、ルイスだって分かった。合鍵持ってるから。お風呂に駆け込んだ。
お風呂で、フィリップにもらったお金を数えたら、1万1千円だった。
フィリップも、お金を振り込んでくれるって言ったし、いいアパ―トが見つかるように協力してくれるって。
もうルイスから出て行って、自分の家で暮らす時期なんだよね、ってフィリップも言ってて、私もそう思う。
知らないけど、もう私は自分の家を見つけちゃったんだ。
ちょっと待って、先にフィリップにルイスのこと話せばよかったかな、そしたら家具付きのアパ―ト借りれたかもしれないのに。最初のアパ―トは無駄になっちゃったから、またお金使わなきゃいけないのって、もう嫌なんだよね。
勇気を出して、ルイスについての本当のことをフィリップに話そう。
市場で買った食料品、フィリップの車に忘れちゃったことに気づいた。
ルイスに見られる前に急いでたからだ。
フィリップはたぶん明日まで気づかないだろうから、明日もらって、捨てちゃおう。腐りやすいものとかあるし、冷蔵庫とかに入れてないから、もうダメになってるだろうし。
お風呂から出たら、ルイスがリビングにいた。
「フィリップみたいなやつと、あいつの車みたいなの見たんだけど?俺のこと気づかずに走り去ったぞ。お前を迎えに来たのか… 旅行に行ったって言ってなかったっけ?」
「行ったけど、もう帰って来たの。今日の朝に…」って嘘をついた。
「マジかよ…」ってルイスは私を睨みながら言った。
「…まあ、帰ってきてよかったな。じゃあ、俺は自分の車と金を手に入れるか、お前をゴミみたいに捨てるか、どっちかだな。もう言い訳はできないぞ、エイプリル… フィリップの連絡先、今すぐ教えろ」
「まだ携帯番号知らないの、明日教えてあげる」
「嘘つけ、大嘘だ… 携帯見せろ。友達のか、上司のか、何でもいいから、使ってる携帯よこせ」
私は拒否した。そしたら、ルイスが私に飛びかかってきて、ハンドバッグを奪ったんだ。
フィリップの番号は違う名前で保存してるけど、最近のやり取りとか、今日のメッセージとか、全部携帯に入ってるんだよね。
ルイスはそれを見て、私が嘘をついてたって分かるだろう。
ハンドバッグを掴んで、中身を全部床にぶちまけた。
ルイスはお金を取ってから、携帯を手にしたんだ。
スクロールし始めた。
そんなことさせない!って、取り返そうとルイスともみ合ったんだ。
ルイスは私を平手打ちした。私は顔に唾を吐きかけて、携帯を両手で掴んだままだった。
ルイスは私を強く蹴って、私は遠くに倒れた。叫んで、また立ち上がった。
何か掴んだ。何なのかも考えずに。
怒りと憎しみでいっぱいになって、ルイスを避けられる前に、頭をめがけて殴りつけたんだ。殴ってから、それが空のワインボトルだってことに気づいた。
ルイスは叫んで、持ってたものを全部放り投げて、私に襲いかかってきた。
ちょうど、ルイスが私の顔に強烈なパンチを叩きつけようとした時、突然ドアをノックする音がしたんだ。
ルイスがあの勢いで私に襲いかかってたら、顔はぐちゃぐちゃになってたかもしれないけど、あの夜、ドアをノックしてくれた人に感謝してるよ。
明日の朝には、ルイスの家から出て、自分のアパートに引っ越すんだ。
残りの荷物を持って、姿を消す。今夜もこの家で寝ないかもしれない。
ルイスは躊躇なく私を壊すだろう。
ルイスはまだ片手で携帯を持ち、もう片方の手で頭を押さえてた。私が殴った場所で。ドアに誰か来るから、そっちに行こうとしてたんだ。
急いでハンドバッグに物を詰め始めた。
でも、こんな時間に誰がノックしてるんだ?
ルイスが女を呼んだのか?
もしかして、フィリップ?
フィリップのことを考えた瞬間、心臓が止まりそうになった。
お願いだから、フィリップじゃないで!私の人生が終わっちゃうから、予想以上に早く…