第18章
今日、リアン・カーテルの学校初日。カーミーが個人的に車を運転してくれたんだ。フランシスは、クラブのメンバーを指導したり、クラブに興味のある生徒の登録を準備したりする必要があるから、彼女よりも先に家を出たんだ。カーミーは何度も、何かあったら遠慮なく自分かフランシスに電話してねって言ってくれた。リアンはただ、理解したって感じで母親にうなずいた。
車から降りて、リアンは学校全体をキョロキョロ見回した。やっぱり、お金持ちの学校は公立とは違うねダルトン大学は、高い教育レベルと授業料の高さで有名なんだ。つまり、この学校はお金持ちのためだけに建てられたようなもんだ。
リアンは最後に母親を安心させて、頬にキスをして、手を振ってさよならを言った。手元の時間割によると、リアンの教室は3階にあるらしい。自分の教室を探す方法を考えていると、バッグの中から携帯電話がピコンって鳴った。
「どこにいるの?」
リアンは、そのメッセージを読んで眉をひそめた。
「学校。なんで?」
キースはそれ以上返信しなかった。別に気にせず、携帯をまたバッグに入れた。リアンは、暑さのせいで体がだるくなってきたから、早く自分の教室を見つけたかったんだ。本当に、この体は弱すぎる。掲示板に向かって歩いていると、誰かと肩がぶつかった。
「あ。ごめん…リアン?」
驚いたことに、ぶつかってきたのは、なんとミスター・主人公ことキース・ランチェスターだった。
「君もここにいるんだ?まさかここで会うとは思わなかったよ」
「…」
リアンは、マジで言葉が出なかった。ミスター・主人公の演技、下手すぎ。「偶然」ぶつかった時の力も全然なくて、わざとだってバレバレだし。
「…うん。あなたもここにいるんだ?」
リアンは、キースが自分の学校の友達だってことは、もう知ってたフリをしとくことにした。主人公の残念な驚きの演技と、二人の友情を守るために、知らないフリをする。
「うん。それで、クラスと組は?」
返事を待たずに、キースはリアンの持っていた紙を奪った。
「…」
「びっくりしたな、クラスメイトだ。ついてきて」
(ミスター・主人公、別に驚いてないでしょ。全部計画通りでしょ、知ってるよ。)
それでも、リアンは黙って彼についていった。周りの生徒たちが、特にミスター・主人公の方を見てるのがわかる。さすが、ミスター・主人公のオーラはすごいな。最近の小説ではよくある展開だけどね。教室に着くと、中の騒がしい音がピタッと止まった。
二人は周りの視線を無視して、キースはリアンを連れて、一緒に一番後ろの窓際の席に座った。リアンは、前はいつも一番前の席に座ってたんだけど、ミスター・主人公がここに座りたいみたいだし、仲良しアピールも込めて彼に従うことにした。それに、案内してくれたミスター・主人公の優しさを無駄にしたくなかったし。
「クラスメイトなんだから、いつも助け合わないとな。授業でわかんないことあったら、頼っていいからな」とキースは誇らしげにリアンに言った。彼は、どんな科目でも彼女を助けられる自信があったんだ。
ミスター・主人公といえば、やっぱり頭がいいのが特徴だよね。それはリアンにとっても良いことだった。彼女は、前はクラスでトップだったけど、数学とか理科とか、どうしても苦手な科目があったんだ。
特に数学。前世でも相性が悪かったし、今でもそう。もしかしたら、運命的に、数式とか数字には嫌われるのかもしれない。
「わかった。じゃあ、将来助けてもらうことになるから覚悟しといてね」とリアンは言った。「特に数学で!」
「もちろん」
「そういえば、コンタクトしてるの?」
「言ったでしょ。じろじろ見られるのは嫌なんだ」
リアンは、もうミスター・主人公の目のことについて遠慮なく聞くようになった。キースは、リアンが友達だから、隠す必要はないと思ってるんだ。リアンがただ興味があるから聞いてるってこともわかってる。悪意があって聞いてる子たちとは違うからね。
「でも、せっかくの綺麗な目なのに、隠すのはもったいないよ」
リアンはため息をつくしかなかった。彼は、本当にイケメンだ。まだ十代なのに、もうすでにイケメンなんだから。将来はどうなるんだろ?リアンは彼の不安も理解できる。だって、このミスター・主人公はまだ思春期なんだから。
(ミスター・主人公、自分のルックスに自信持ってよ。でも、心配しないで。私が自信と落ち着きのあるミスター・主人公に育ててあげるから。)
クラスはすぐにチャイムが鳴り、担任の先生が入ってきた。先生が今日の出席を取ろうと名前を呼んでいると、突然、ドアが開いた。若い男が立っていて、担任の先生と少し話した後、その男をクラスに案内した。
「この人は、あなたのクラスの新しい生徒です」と先生は言い、その男に自己紹介をするように促した。
その男は、クラス全体をキョロキョロ見回し、一番後ろの席に座っている人を見つけた。
「アンドリュー・ガーティンです。友達になれたら嬉しいです」と言って、一番見てもらいたい相手に笑顔を見せたんだ。