第34章
2年生と3年生のバスケの試合、ついに始まったね!
キースは、あいつらのチームのリーダーなんだ。
前に先生が発表した時、誰も文句言わなかったよ。
だって、みんなキースがバスケうまいって知ってるから。
特に、キースはスリーポイントシュートが得意なんだよね。
親友で、応援団長、そして秘密の妹、リアン・カーテルは、熱烈にミスター・プロタゴニストを応援してる。
キースがリングにシュート決めるたびに、リアン・カーテルは名前を叫んで、めっちゃ応援するんだ。
キースはいつも、そんな応援なんて気にしてないフリしてるけど。
でも、首とか耳が真っ赤になってるの隠せないんだよね。
もうラストクォーターだよ。
選手たちは5分間の休憩中。
リアン・カーテルは、選手たちにタオルと水筒を渡すの、めっちゃ手際いいんだよね。
キースがタオルで髪をゴシゴシしてる隣に座っててさ。
でも、キースは本当に汗っかきなんだよね、だってチームのために点取ってたんだもん。
「そういう汗の拭き方、ミスター・プロタゴニストは違うんじゃない?」リアン・カーテルが言った。
「え?」
「汗の拭き方にも正しいやり方とかあるの?」
「まあ…お前がやれよ」キースはそう言って、リアン・カーテルにタオルを渡したんだ。
「ダメだよ、もう汗でびしょびしょじゃん。ちょっと待ってて」
リアン・カーテルはリュックから新しいタオルを取り出した。
今日もこうなるって、もう分かってたんだよね。
リアン・カーテルは、ミスター・プロタゴニストがバスケとかするたびに、いつも汗だくになるって気づいてたから。
だから、ミスター・プロタゴニストのためにタオルを5枚も用意してたんだってさ。
リアン・カーテルはキースにこっち向いてってジェスチャーして、タオルの端を首にかけた。
それから、額、眉毛、首、腕の汗を優しく拭いてあげてるんだよね。
リアン・カーテルはキースに後ろ向いてって言って、背中も拭こうとしてた。
ちょっとためらったけど、キースはそれに従い、着てたジャージをちょっと持ち上げたんだ。
全部拭き終わったのを確認してから、リアン・カーテルはカバンからボディパウダーを取り出して、背中にたっぷり塗ってあげてるんだ。
キースは、指が背中を撫でるたびにビクッてするんだけど、リアン・カーテルを止めようとはしなかった。
リアン・カーテルはただ、キースがくすぐったがり屋さんなんだな、って思ってたみたい。
「…これ、毎日使ってるやつ?」キースが聞いた。
「そうだよ!いい匂いでしょ?ジャスミンの甘い香りが大好き!」リアン・カーテルは興奮気味に言った。
リアン・カーテルは先月、母親と一緒にこのボディパウダーを買って、その匂いがすごく気に入ったんだって。
それから、同じジャスミンの香りの香水、シャンプー、石鹸も買ったんだって。
キースはいつも、リアン・カーテルと一緒にいるとこの匂いがする。
キースは、その甘くて落ち着く香りが、彼女にすごく似合ってるって思ってるんだってさ。
「いい匂いだね」
「でしょ!」
リアン・カーテルは、ミスター・プロタゴニストも自分の匂いを気に入ってくれて嬉しい。
さすが、この男の人は、見る目があるね!
リアン・カーテルは背中にパウダーを優しく塗ってあげるんだ。
これで、キースは試合前にリフレッシュできるね!
背中と首にボディパウダーを塗ってあげた後、リアン・カーテルはカバンからエナジードリンクを取り出し開けた。
それをキースに渡したんだ。
キースはまずエナジードリンクを見てから、リアン・カーテルのことを見つめて、何が起きてるのかって顔してる。
「私、運動とかできないから、私のエナジードリンクをあげるね!それに、私もエネルギーを分けてあげるから、試合で疲れすぎないでしょ!さあ、エナジードリンクとエネルギーをあげたから、絶対勝って、今年のスポーツ大会で一番イケメン選手に選ばれるよ!」
「それ、どんなロジック?」
「未来が見えちゃう可愛い女の子のロジック!」
リアン・カーテルの答えに、キースは笑いが止まらなかった。
キースは、リアン・カーテルが賢い子だって知ってる。
でも、たまにこうやって意味不明なこと言って、未来が見えるフリするんだよね。
でも、それでもリアン・カーテルは可愛いんだよね、何しても。
2人がそんな世界に入ってる間に、ほとんどの生徒たちが2人のこと見てるんだよね。
キースに夢中な女の子たちは、キースがリアン・カーテルに見せる優しい笑顔を見て、もう完全に負けを認めてた。
リアン・カーテルに惹かれてる男の子たちも、同じ気持ちだったみたい。
それに、キースがいつも守ってるから、リアン・カーテルに近づくことすらできないんだよね。
遠くから2人を見てる、見慣れた顔が2人いた。
カルビンはフランシスの肩に腕を回して、弟にちょっかい出させないようにしてるんだ。
さっき体育館に入った時、リアン・カーテルがキースの汗を拭いてあげてるシーンを見たんだってさ。
それから、リアン・カーテルがカバンからボディパウダーを取り出して背中に塗ってあげてた。
もし、あの2人が他人だったら、カルビンとフランシスは、もう付き合ってるんじゃないかって思っちゃうだろうね。
でも、残念ながら、もしくはそうじゃないけど、リアン・カーテルは本当に鈍感だし、キースはシャイで自分の気持ちを伝える勇気がないんだよね。
だから、2人が思ってることは、きっと起こらない。
まだ、ね!
「あーあ、青春だね。僕も学生の頃、あんなに優しくしてくれる女の子がいたらよかったな」カルビンは、2人が座ってるのを見て言った。「トリスタン、マジで羨ましいわ」
「じじいみたいなこと言うのやめてくんない?キモいんだけど」フランシスは顔をしかめた。「つーか、肩から腕どけろ!」
「マジつまんねーな」カルビンはそう言って、フランシスの肩から腕をどけたんだ。トリスタンは、今のところフランシスからは安全みたい。
「あいつなんなの?2人喧嘩してたと思ったのに?」
「ああ、もう遅いよ。リアン・カーテルとトリスタンは仲直りしたんだ。僕のおかげで、誤解も解けたしね」
「チッ、あいつが妹のそばにいないほうがいいんだよ」フランシスは不機嫌そうに腕を組んだ。
「僕の弟にそんなキツイこと言うなよ。トリスタンはまだ若いんだから、数年後には悪いところも変わるかもしれないだろ?」
「へー、そう。だったらいいけどさ。でも、あいつを妹にはあげたくないね」
「なんでそんなにトリスタンのこと嫌いなんだよ?別に悪いやつじゃないだろ?」
「ただ、嫌いなんだよ」フランシスは言った。
でも、本当は、フランシスはキースが嫌いなんだよね、妹にベタベタしてるから、まるでガムみたいに。
そして、妹のことだけど、リアン・カーテルはいつもキースにすごく優しくしてるんだよね。
いつもキースに栄養のあるもの食べろとか、ちゃんと寝ろとか注意するし、キースが自分を責めたりしたら、めっちゃ怒るんだよね。
一番酷いのは、フランシスは妹からそんな風に扱われたことないんだよね!
一体全体、どんな差別だよ!
リアン・カーテルから唯一良い扱いを受けたのは、フランシスが兄貴でカルビンじゃなくて良かったって、リアン・カーテルが神様に感謝してた時だけ。
それだけだよ!
フランシスはリアン・カーテルの兄貴だもん。
血の繋がりがあるんだから、「血は水より濃い」って言うように、リアン・カーテルはキースよりフランシスをもっと大事にすべきだよね!
「おい、拗ねるなよ。それに、子供に嫉妬するのは違うぞ」カルビンはそう言って、友達を笑った。
「俺が?あいつに嫉妬?ハッ!笑わせんな!」フランシスはそう言って、友達を置いて立ち去ったんだ。
「おい!どこ行くんだよ?頼むから行かないでくれよ!」
「お前みたいな、頭がおかしい、変な医者がいないところに行くんだよ!」フランシスはそう言って睨んだけど、カルビンは笑って答えたんだ。
カルビンはフランシスの姿が見えなくなると、まだ自分たちの世界に夢中になってる2人のティーンエイジャーをじっと見てた。
でも、あの2人のことだから、体育館で自分たちがどんな雰囲気を作ってるか、特にリアン・カーテルは全然気づいてないだろうって確信してるんだよね。
カルビンは、そのことをニヤニヤ笑ってた。
フランシスは、リアン・カーテルとトリスタンの本当の関係を理解できてないんだよね。
リアン・カーテルはトリスタンに特別な扱いをしてるわけじゃない。
カルビンは、リアン・カーテルがトリスタンに対して、まるで世話好きなお姉さんみたいに接してるって確信してるんだけど、カルビンにとっては、笑える話なんだよね、だってリアン・カーテルの年齢は、弟よりずっと若いんだもん。
一番酷いのは、トリスタンは、それが将来、彼にとって大きな問題になるってことにも気づかずに、その状況を楽しんでるんだよね!
でも、それをトリスタンに教えるか?
もちろん、しないよね!
将来的には、自分でこの問題を解決する方がいいんだから。
だって、カルビンは、この状況を楽しんでるんだから!
ブザーが鳴るのが聞こえると、カルビンはトリスタンがベンチから立ち上がってるのを見たんだ。
リアン・カーテルの前に立っていて、何か話してるみたいだったんだ。
突然、カルビンは弟が笑って、リアン・カーテルのおでこをツンってするのを見たんだよね。
その後、彼はセンターコートに走って行って、チームメイトの仲間入りをした。
「トリスタンよ、お前のプリンセスのハートを掴むには、まだまだ道のりは長いぞ」