第22章:コリンズ・ブルーノ逮捕
「俺以外に、ここに他の女を連れてきたことないんだ」って、ジョーダン・デューロがヘラヘラ言ってきたんだよね。軽いノリだったけど、マジでムカついた。
奥さんの話をしてるんだよね。つまり、奥さんの他に、コンフルエンスホテルに連れて行く価値のある人なんていないってこと?
もう、体の中で火山が噴火しそうだった。奥さんがいるのに、しかもすごく優しく話してたから、きっと愛してるんだろうな。
なんか内側がじっとりしてきて、全然食欲なくなっちゃった。もう食べたくない。
でも、何事もないようにニッコリして頷いたけど、心の中は大変なことになってたんだよね。
あそこは特別な場所だって言ってたけど、場所じゃなくて、そこに連れてきた女たちが特別だってことなんだろうな。
ウェイトレスが料理を持ってきてくれたとき、全然興味なくて、ただ料理をじーっと見てた。フライドライスをスプーンで一口だけ食べて、スプーンを置いちゃった。
ジョーダンにチラッと視線を送ったら、食べてるんだよね。食べ終わった後、俺のこと見てきた。きっとビックリしたんだろうな。俺がほとんど食べずに終わったから。
「何か他に頼む?」って言われたけど、「大丈夫」って答えた。ジョーダンは肩をすくめて、俺たちは出かけることにした。
ジョーダンが会計を済ませて、俺たちは帰ろうとした。車に乗ろうとしたら、またジョーダンの携帯が鳴ったんだよね。
静かにして、誰から電話がかかってきたのか聞きたかった。でも、ジョーダンは顔をしかめて、ニヤリとした。
「デア・ウィルソン長官から電話だよ。会いたいって」ってジョーダンが言った。俺は、捜査に役立つ情報があるかもしれないから、会いに行った方がいいって言ったんだ。
デア・ウィルソンの家に向かった。着いたら、席に着くように言われた。長官はすぐに来るって。
座って、リビングを見回した。何かあった時のために、周りをサッと確認する癖があるんだよね。
色んな人の家、特にリビングとか、足を踏み入れた部屋は、大体どんな感じか説明できるんだ。
ジョーダンはソファーの端に座って、落ち着いた様子で、時々腕時計を見てた。
ジョーダンの携帯が鳴って、発信者番号を見て、電話に出た。「はい。自分で尋問に行きます…」って言ってた。
電話が終わって、ジョーダンは俺を見て、「コリンズ・ブルーノが逮捕された」ってポーカーフェイスで言ったんだ。
「いいね」って俺が言うと、ジョーダンも「うん」って。数分待ってたら、突然、階段からジョーダンを呼ぶ声が聞こえた。
「ジョーダン刑事、会えて嬉しいよ」って、デア・ウィルソンが言ったんだ。サンダルに3分丈のジーンズ、それに年齢と体型に合わないくらいピチピチのポロシャツを着て、階段を降りてきた。
ジョーダン刑事も俺も立ち上がった。ジョーダンは俺の上司だし、一緒に任務してるから、ジョーダンの真似をするしかないんだよね。
ジョーダンは薄く笑って、手を横に添えてた。「お帰りなさい、長官」って答えた。
「ありがとう、刑事」ってデア・ウィルソンが返事して、階段から降りて俺たちの方に歩いてきた。
「デア・ウィルソン長官、こんにちは」って挨拶したら、その時初めて俺に気づいたみたい。
俺を見て、視線を俺の体に這わせるように、頭からつま先までじっくり見てきたんだ。
その視線がだんだんエロくなってきた。もう、そんな風に見られるのは嫌で、目をそらした。
ジョーダンを通り過ぎて、俺の方に近づいてきた。ジョーダンを見ると、目を細めて、デア・ウィルソンを睨んでた。
「やあ、ビューティー」って言って、俺の肩を叩いてきたから、思いっきり手を払いのけた。
何なの、マジで。こっちから行ったのに、あんなエロい視線で見てきて、挙句の果てに肩を叩くとか。
次は、俺を押し倒して、全部食べちゃうつもり?って思って、顔をしかめて、デア・ウィルソンの目を見た。
「俺は、気の強い女性が好きだよ」って言って、ポーカーフェイスのジョーダンの方を見て、「君たち、いいね。ハンサムな刑事と、美しさの象徴…」ってデア・ウィルソンが言いかけたところで、ジョーダンが遮った。
「彼女は俺の同僚、ティナ刑事だ。そして、あなたの娘、キティ・ウィルソンの殺人事件を担当している」
「少し前に、あなたの秘書から電話があって、会いたいって言われたんだ…」って、ジョーダンは、この男のくだらない話に付き合う気はないって感じで言った。
言葉を切って、デア・ウィルソンを睨みつけてた。ジョーダンの顔から、笑顔が消えたのがわかった。
俺も無表情でいた。娘が殺されたのに、全然悲しそうな顔もせず、女を見て綺麗だとか言えるなんて。
本当に嫌なタイプの人間だ。品がない男とか、浮気を隠せない男は嫌いなんだよね。
間違いなく女好きだ。俺を、あっちの売春婦たちと同じだと思ってるなら、大間違いだよ。マジありえない。
「ああ、そうだった!」ってデア・ウィルソンは首を振って、クッションに斜めに座った。そこから、俺たち両方を見れるんだ。
「座って」って言って、俺たちは座った。ジョーダンはまたソファーの端に座った。
任務中の男は、安全かどうかわからない場所では、そういう座り方をするんだよね。
「奥さんが、君たちの訪問について話してくれたよ。君たちの努力と、この件の捜査に感謝している。ありがとう、ジョーダン刑事、ティナ刑事」ってデア・ウィルソンは感謝の言葉を述べた。初めて、少しだけ悲しそうな顔を見た気がした。
「俺たちはただ、仕事をしてるだけです、長官。まず最初に、同僚を代表して、あなたの娘さんの死について、心からお悔やみ申し上げます。
二度とこんなことが起こらないように、最善を尽くしています。そして、犯人を法の下に裁けるように、昼夜を問わず捜査しています…」ってジョーダンは落ち着かせた。
デア・ウィルソンは頷いた。目をそらして、ボタンを押したのが見えた。すぐにレベッカが出てきた。俺は顔を上げて、レベッカと目が合った。
レベッカは目を細めて、次にウインクしてきた。わかった。何か言いたいことがあるんだ。ずっと、レベッカを尋問したいと思ってたんだよね。
何か役に立つ情報をくれる気配。前日の嘘の供述よりも、もっと色々知ってるはずなんだ。
軽く頷いて、目をそらした。デア・ウィルソンに何か勘づかれたくないからね。レベッカは上司に頭を下げて、デア・ウィルソンは「何をすべきか、言うまでもないよね?」って言った。
レベッカは慌てて出て行った。震えてるし、デア・ウィルソンはパワハラっぽい。レベッカがいなくなると、デア・ウィルソンは捜査の進捗について尋ねてきた。
「君がこの事件を担当する刑事だって聞いたよ。君は仕事ができるし、こういう事件を以前にも扱ったことがあるから、嬉しかったんだ。
君なら、キティの犯人をすぐに逮捕してくれるだろう。これまでの君の仕事に感謝しているよ…」って、レベッカが戻ってきたところで言葉を切った。
レベッカはワインを3つ持ってきて、デアの横に置き、次にジョーダンの横に置き、ティナのところに来た時、つまずいて、ワインを足元にこぼしてしまった。