CHAPTER 32
ローレンスの視点
お昼時になりそうだったから、ウォルソン氏からもらったレポートをやってたんだ。クリスティーン、俺の奥さんは、今日はいないから、早く終わらせてるんだ。だって、俺の仕事のこと、知られたくないじゃん?何やってるか、見て欲しくないし。
未だに、ウォルソン氏が次の取引にも俺を選んでくれるなんて信じられない。
あの日、彼が発表した時のことを思い出した...
フラッシュバック
「座れ!」彼は俺に命令した。
彼は俺の目をじっと見てきたから、俺は下を見たんだ、目が合わないように。急にドキドキし始めて、緊張してたから。胸から飛び出しそうだった。手のひらも汗ばんでて、緊張してたから。
彼のテーブルの隣の椅子に向かって歩いた。周りを見たら、彼のテーブルはめちゃくちゃ散らかってて、仕事の書類が山積みだった。多分、過去の重要なレポートの一つだったんだろう。
「思ったより早いな」彼は会話を始めた。
部屋の四隅の空気が張り詰めてたから、静かで。
「はい、サー」俺は答えた。
「もっと楽にしてくれ」彼は言った。
俺は深呼吸してため息をついた。
緊張する必要なんてないんだよね?
わかんない!
上司の前だと、なんか緊張しちゃうんだよな。多分、すごい人だから、一緒にいる時に失敗したくないんだ。
「レポートは?」彼は尋ねた。
俺は彼の机にファイルをおいた。
「ところで、今度の土曜日の夜、違法薬物の次のバッチを整理してほしいんだ。貨物からここへ運ぶのを担当してくれ。君を信頼してるから、頼むぞ。わかったな?」俺の上司は言った。
頭の中で、彼が言ったことをぼーっと処理してた。
彼は、自分の違法薬物の取引の一つを俺に任せるって言ったのか?
「俺が?」確認のために尋ねた。
「ああ!君を信頼して、この取引を任せるんだ」彼は簡単に答えた。
フラッシュバック終了
未だに、信じられない!
だって、それは彼が俺を信頼してるってことなんだから。ウォルソン氏は、自分の部下を簡単に信用するような人じゃないんだよな、特に俺のこと。多分、俺の努力を見て、このポジションにふさわしいって思ってくれたんだろう。
例え俺の奥さんのクリスティーンがこれに賛成しないってわかってても、止められないんだよな。だって、この仕事の給料は、アメリアさんの会社の秘書よりもずっと高いんだもん。
ただ、もっと稼いで、クリスティーンに相応しい生活をさせてあげたかったんだ。そもそも、俺が望んでるのは、クリスティーンに相応しい生活をさせてあげることなんだ。だから、彼女には働いて欲しくなくて、家にいて好きなことをして欲しかったんだ。
クリスティーンがいないのも嬉しい。昨夜、眠くて終わらなかったレポートをやる時間があるから。クリスティーンは、アメリアさんのマンションに行って何かしてるんだ。何してるのか知らないけど、レポートを終わらせるために、行かせてるんだ。
なんで俺が違法薬物を売ることを選んだのか、自分でも理解できないんだ。こんなことしなくても、クリスティーンに快適な生活はあげられるのに。多分、もっと欲しかったから、彼女に持ってる以上のものをあげたかったから。もしもっとあげられるなら、そうするのに。
多分、それが理由なんだろう。
クリスティーンは俺の全てだった、彼女は俺が失いたくない唯一の人だった。彼女は俺が持てる唯一の人だから、一緒にいるために何でもするんだ。もし自分の体も魂も売る必要があっても、躊躇なくやる。
だって、両親に家から追い出されてから。
クリスティーンが俺の唯一の世界になったんだ。彼女は俺の安らぎの場所になり、ずっと俺を支えてくれた唯一の人だった。彼女は俺を笑わせてくれるし、幸せにしてくれる。彼女と結婚できて感謝してる。
だって、彼女みたいな人がいて、本当にラッキーなんだ。
考えが途切れたのは、携帯が鳴ったからだ。俺はラップトップを置いて、誰からか見てみた。
ウォルソン氏だった。
USBとラップトップを持って、USBにすべてのファイルを移して、ラップトップから削除した。USBをポケットに入れた。クリスティーンに見られないように削除したんだ、俺が何やってるか知られたくなかったから。もし彼女が知ったら、絶対怒るだろうし。
電話に出る前に、三回鳴った。先にファイルを全部移す必要があったから。クリスティーンに全部知られるリスクは冒したくなかったんだ。
「もしもし!ボス。すぐに出られなくてすみません。電話がサイレントになってて、気づかなかったんです」俺は電話に出ながら言った。
だって、ウォルソン氏に先に話させたら、きっと怒鳴るだろうから。彼の信頼を失いたくなかったんだ。
今じゃない!
彼はやっと俺を信用し始めたところなのに。電話にすぐ出なかったからって、すぐに信頼を失うわけにはいかない。
「構わないよ!君に頼んでたレポート全部必要だったから忙しかったんだろう。完璧で綺麗にまとめてくれよ。もう邪魔しないよ。アメリアさんの会社のRivera Corporationから送金した金、移したか?」彼は尋ねた。
それもすっかり忘れてた、ウォルソン氏に報告しなきゃ!
ウォルソン氏は、アメリアさんの会社からお金をくれって言ってきたんだ。俺は会計担当だから、全部お金を管理してる。
アメリアさんの会社の資金から、ウォルソン氏の銀行口座にたくさんのお金を移したんだ。盗みとか、横領とかって言われても、ウォルソン氏がそうしたいんだから、仕方ないんだ。
いつも2ヶ月ごとに40億円を彼の銀行口座に移してる。間隔を空けてるのは、会社の誰にも怪しまれないように、お金が消えたって思われないようにるためなんだ。アメリアさんは俺を信用して会計を任せてくれてるから、俺を疑うことはなかった。
ウォルソン氏は、俺を使ってアメリアさんを騙してるんだ。最初は躊躇したけど、そうするしかなかったんだ。
だって、ウォルソン氏が俺の奥さんに何か悪いことするんじゃないかって怖かったし、それが起こるのに気づかないんじゃないかって怖かったんだ。クリスティーンを失うわけにはいかないから、彼女のために何でもする。
それが、一番信頼してくれた人、アメリアさんの信頼を裏切るってことになっても。
大金だったけど、彼にノーとは言えなかった。
だって、彼は俺の上司でもあるし。彼の信頼を得て、大きな取引をさせてもらって、それでお金もたくさんもらえるんだから。
「はい!サー。ウォルソンさん、40億円をあなたの銀行口座に送金しました。アメリアさんの会社からお金を奪って、あなたの口座に移しました」俺は答えた。
深呼吸してため息をついた。
もっとプロフェッショナルな口調で話すべきだった。
内心では、アメリアさんに対して自分がやってることに罪悪感でいっぱいだったんだ。俺のせいで、彼女はたくさんのお金を失ってる。彼女はお金持ちだけど、いつもこんなことしてたら、貧乏になって破産するかもしれない。そして、たくさんの従業員が仕事がなくなる。
でも、ウォルソン氏の信頼を得て、楽にお金を得るためには、そうするしかないんだ。
「よくやった!じゃあ、配達するように言った違法薬物はどうした?全部届けたか?」彼は俺に尋ねた。
昨夜、たくさんの違法薬物を配達したから、眠いし、ウォルソン氏に渡すレポートも終わってないんだ。
昨夜は、移動で体が疲れて弱ってた。朝から晩まで、全部配達したんだ、多すぎたから、俺一人で全部配達したんだ。
でも、昨夜は配達の給料で10万円もらったんだ。だから、疲労感なんて、もらったお金に比べたらどうってことない。
「はい、サー。あなたがくれた薬は全部配達して、全部正しい場所に届けました」俺は答えた。
つまり、ウォルソン氏は、本当に俺を信用して、この情報を教えてくれたってことなんだ。
築き上げた信頼を失うわけにはいかない。
奥さんのためにお金をたくさん稼ぐ唯一の方法なんだ。
「わかった。ありがとう!何か重要なことを頼みたくなったら、電話するよ」彼はそう言って電話を切った。
やっと!彼との会話が終わった。
「あなた、何?」聞き覚えのある声が聞こえた。
心臓の鼓動が速くなり始めた...
誰なのか、ゆっくり見回した。
「ク-クリスティーン」俺は彼女の名前を震える声で呼んだ。
「アメリアさんの会社からお金を盗んで、違法薬物も売ってるの?なんでそんなことできるの?」