CHAPTER 37
ブレイキー・イバーソンの視点
ロッドがこっちに向かって歩いてくるのを見てたんだ。なんか大事なこと考えてるみたい。
「それ、頼んだ?」俺は、俺の場所にたどり着いたロッドにそう聞いた。
ちゃんと椅子に座って…
「うん!」ロッドが答えた。
「何人くらい部下を送ったんだ?家族が飢えないように、金も渡した?」俺は彼に聞いた。
彼との約束は絶対に守らなきゃいけない。俺は、いつも自分の約束は全部果たしたいんだ。どんなことがあっても、約束は守る。
彼が必要な限り、俺たちは彼に言った約束は全部実行する。俺たちは彼が必要だし、彼も俺たちが必要なんだ。それが大事なんだ。
あいつを暗殺した日に、俺たちは本当にラッキーだった。あいつは死ななかったし、犯人も狙いを外して、まだ生きてる。もしあの日死んでたら、このミッションはもっと難しくなってただろうな。
他の方法でミッションをやることもできた。でも、これが一番簡単な方法だし、もっと深く考えなきゃ。
彼の家族にも、食べ物を買えるように金を送らないとな。特に子供たちは、生きていくために食べ物が必要なんだ。父親のせいで子供たちを苦しませるなんて、絶対に嫌だ。ウォルソン氏みたいに冷酷にはなりたくない。
「20人の部下を送り込んで、見張らせてる。あと、毎月5万、家族に送って、食べ物を買ってもらおう。子供たちのためにね」ロッドが答えた。
「すごいな!」俺は彼を褒めた。「こっちに来い!あいつと話そう」俺は彼にそう言って、席を立った。
ウォルソン氏の部下が拘束されてる部屋に向かって歩き出した。あいつを捕まえてからもう4ヶ月くらい経つけど、まだあいつらのことは知らない。知ろうとも思わないけどな。「ウォルソン氏の部下」って呼ばれてれば十分だ。
ロッドは俺の後ろを歩いてた。あいつが鎖につながれてる部屋に向かって。足を壁に鎖でつないで、逃げられないようにしてるんだ。トイレに行けるくらいの長さの鎖で。服も何枚かあって、部屋にはエアコンもある。ただ、ここで快適に過ごせるようにしたかっただけなんだ。それにあいつの信頼を得て、ボスから何を聞き出せるか。
あいつは、ウォルソン氏を刑務所に送り込み、保釈させないためのカギなんだ。
「あいつ、もう昼飯食べた?」俺は彼に聞いた。
だって、もう午後11時過ぎだし、俺たちはもう昼飯食べ終わったから。
ロッドと俺がここに来てない間に、あいつがちゃんと扱われてるのか、ちょっと心配だったんだ。
あいつに会って、紙とボールペンを渡して、俺たちに言えてない情報とか書いてもらいたい。ウォルソン氏に対して使える情報、何週間か前にくれた情報は、本当で役に立ったし。ウォルソン氏も何か取引してたみたいだし。この紙とボールペンは、次の取引のことを書くのに使うんだ。今回は協力してほしいんだ。1週間、役に立つ情報をくれるように頼むよ」俺は彼に説明した。
「た、たぶん…」あいつはつぶやいた。
「よし!」俺は短く返事をして、ロッドと一緒に部屋を出た。
ロッドが俺のためにドアを開けて、また鍵をかけた。
「24時間体制で見張れ。俺の命令は全部実行しろ」ロッドは、ウォルソン氏の部下たちを見張ってる2人の部下にそう言った。
俺は歩き続けた。ロッドがあいつらに命令してる間。ロッドはすぐ後から来るはずだ。あいつがあいつらに話し終わったら。
俺は自分のオフィスに向かって、さっき渡されたファイルを全部見直した。机の上には、書類が山ほどある。
ウォルソン氏のために集めてる証拠を整理して、隣の引き出しに入れた。
それから、机の上に散らばってる書類を片付けて、別のテーブルに置いた。机の上にはもうファイルがないように。
ワインとゴブレットグラスを持ってきて、座ってグラスにワインを注いだ。机の上に両足を乗せて、ワインを一口飲んだ。
ロッドを待ってたんだ。ロッドもウォルソン氏の私生活について集めた情報をくれるから。ウォルソン氏が金持ちの密輸業者だってこと以外にも、もっと色々知りたいんだ。彼の人生、家族、両親、弱点になるようなこと、そういうの全部知りたい。彼の人生の細部が、彼に対して使うための重要なカギになるかもしれないから。
ウォルソン氏の部下たちは、俺たちのために色んなことをしてくれた。あいつがいなかったら、ウォルソン氏の人身売買の動画、写真、情報を集めることなんてできなかった。集めたファイルや証拠だけじゃ、まだ十分じゃないんだ。
もっと動画、写真、防犯カメラの映像を集める必要がある。あと、あいつが密輸の取引の日付とかを全部書いてる本とかあれば最高だな。顧客リスト、売られた人の数、売られた人の身元、売られた場所、秘密の隠れ家とか。麻薬を隠してるとことか、売る人間を隠してるとことか。
あんなやつがいるなんて知らなかった。あいつは俺たちと同じ人間なのに、どうやって人間を売れるんだ?あいつは最初からこんなに冷酷だったのか?売ってるやつだって人間なのに。あいつは人間じゃなくて、動物みたいだ。
人間じゃない行動をしてる…
子供たちを売るなんて信じられない。まだ残酷さの意味も知らないような子供たちを。
あいつは、どうしてそんなことができるんだ?
子供がいないから、売るのが簡単なのか?
俺は考えにふけってた…
ロッドがもうオフィスに入ってきてたことに気づかなかった。空のグラスにワインを注いで、彼に渡した。それから乾杯して、ワインを飲んだ。彼が話し出す前に。
「これは、あなたが頼んだファイルです」彼はそう言って、ファイルを俺の机に置いた。
俺はそれを見て、ワインを一口飲んで、テーブルに置いた。
「ありがとう!」俺は彼に礼を言った。
彼はグラスのワインを全部飲み干して、俺のテーブルに置いた。
「俺は行くよ、ブレイキー。まだ、あなたが頼んだことはたくさんあるから」彼は言った。
俺は彼にうずいて、彼が去るのを待った。
俺は、彼が置いていったファイルを見た。
ウォルソン氏のファイルを見始めた。そこには、彼の両親は彼が15歳の時に亡くなったって書いてある。妻も子供もいないし、結婚したこともない。RCC(リベラ・コーポレーション・カンパニー)の役員の一人として働いてる。
「アメリアの会社じゃん」俺はつぶやいた。
ここから、彼は国内だけじゃなく、色んな国にもたくさんの財産を持ってるって書いてある。彼は35歳でミリオネアになった。一生懸命働いたから。
「エリサ」っていう恋人もいたけど、その子は人身売買業者に殺された。エリサは誘拐されて、人身売買業者に殺されたんだ。それからウォルソン氏は、二度と恋をしようとしなかった。
ページをめくると、見覚えのある名前が出てきた。それはウォルソン氏の妹、「アイシャ・イバーソン」って名前だった。
「アイシャ・イバーソン…」
それは俺の母親の名前だから、もっと読んでみた。もしかしたら、俺の母親と妹が同じ名前だったっていう単なる偶然かもしれない。ここに彼の姪の名前も書いてある。
そして、そこに書いてあった名前は…
「ブレイキー・イバーソン…」俺は震える声で言った。「つまり、ウォルソン氏は俺のおじさんってことか?」