CHAPTER13
偏頭痛で目が覚めて、唸り声をあげながら、手の感触を頼りにベッドサイドテーブルにあるア “アドビル” を探した。
たまに見る悪夢と相まって、特に目が覚めると偏頭痛がひどいんだよね。
色々ストレス溜めまくってるからかなって思ってるし、考えすぎてるんだと思う。
もし病院行ったら、親に連絡が行って連れ戻されちゃうから、行くのはやめた。
あんな場所、もう二度と見たくないし。
だから、友達にしか言ってないんだ。
口に2錠放り込んで、隣のボトルを掴んで水を飲み干し、目を開けてゆっくりと座った。痛みのせいでね。
数分後、痛みが少し和らいできたから、朝ごはんを作ろうとキッチンに行った。
授業までまだ時間あるし。
パンケーキを作り始めて半分くらいのとこで、レクシスが朝のジョギングから帰ってきた。
スウェットパンツにトップスは着てなくて、やば、めっちゃそそられるんだけど、もちろん本人には言わないけどね。
「ヨダレ拭いた方がいいんじゃない?」って、レクシスが水飲みながら言ってきた。
そしたら、からかわれてるだけだって気づいて、舌打ちしてやったら、レクシスは肩をすくめてどこか行っちゃった。
「ブタ」ってつぶやいた。
朝食の後、身支度をして、ダメージスキニージーンズに小さめのトップス、そしてバンズを履いた。
それから、バスに間に合うか確認するために下に降りた。
オリはまだ修理中だし。
キッチンに入ると、レクシスがシリアルを食べてて、やば、めちゃくちゃ集中してるの見て、笑いが止まらなくなっちゃったけど、レクシスは完全に無視。
「嫌い」って小声で呟いた。
「お互い様だよ、カップケーキ」って、いつもの冷たい声で言われた。
出かけようとしたら、「どこ行くんだ?」って聞かれた。
「学校にバスで行くんだよ、当たり前じゃん」って、わざとらしく言った。
「あーあ、悪いなカップケーキ、お前の期待を裏切って。俺の父さんが二人一緒に会いたいって言ってて、同じ車で来いって言われたんだ」
マジか、あいつ、なんで朝早くから会わなきゃならないんだよ。
「もう一度言うけど、お互い様だよ、カップケーキ」って、レクシスは頭を振りながら笑った。
クソ、声に出しちゃった。
だから、黙ってレクシスの車に向かった。
ウェイン・エンタープライズまでの道のりは、人生で一番長く感じた。
理由は二つ。
レクシスのせいで車内がめちゃくちゃ居心地悪いこと。
そして、エリエルがなんで私たちに会いたがってるのか、考えようとしてたから。
着いて、車から降りようとしたら、レクシスが待ってろって言った。
レクシスは自分の席から降りて、俺のドアを開けてくれた。
ビックリした?
「そんなに驚くなよ。誰かに見られてるかもしれないから、念のためだよ」ってレクシスが囁いた。
あーあ、驚きは台無し。
建物に入ると、まるで高校みたいだった。
みんなが私たちを見てる。
レクシスを特に。
でもレクシスは動じなくて、俺の手を握って、誰もいないかのように歩いてた。
プライベートエレベーターに乗って、レクシスは60階を選んだ。
一緒にとじこめられて、マジで居心地悪かった。
最上階に着くと、23歳にもなってない女性が自己紹介しにきた。
ジュールズだって。
レクシスにだけ話してるみたいで、ずっとレクシスをガン見してるし。
エリエルのオフィスの近くの応接に通されて、待つように言われた。
しばらくして、ジュールズが私たちを呼んだ。
エリエルのオフィスは、そんなに悪くない。
お父さんのオフィスにそっくりだけど、もっと広くて、写真がないだけ。
でもさ、この人たち、マジで退屈な人生送ってるの?
「見終わったら、座ったらどうだ」ってエリエルが話し出した。
レクシスはもう座ってた。
「あー」って呟いて、レクシスの隣に座った。
そしたら、新聞を目の前に投げつけられた。
「これについて説明してくれるかな?」って、エリエルの声が響き渡り、俺はビクッとした。
レクシスは鼻で笑ってる。
見出しは「楽園にトラブル?」
「えーっと、あー、あのー、プー、知らない」ってギブアップ。
「まだ何週間も経ってないのに、子供みたいに喧嘩して、しかも公の場でか?」って怒鳴られ。
マジかよ、この場所防音だったらいいんだけど。
「私の意見としては、カップルはいつも喧嘩するんだから、大したことないと思うんだけど」って皮肉ったら、すぐに後悔した。
二人の男から睨まれて、怖くて縮こまりそうになったけど、あたし意地っ張りだから、絶対に折れないし、肩をすくめて何食わぬ顔で言った。
「なによ」
「あのさ、父さん、俺、テスト受けなきゃいけないから、もう行きたいんだけど。今はこういうの、ちょっと無理」って、レクシスは新聞を指しながら苛立った口調で言った。
このガキ、ムカつく!
「ロレイン?」ってエリエルが静かに呼んだ。
「ん?」って、あっさり答えた。
「アレクサンダーと少し二人にしてくれるか?」
「えー、いいよ」
やば、なんか嫌なことになりそう。
外に出て立ち止まった。
いや、防音だった。
どんな話してるんだろう。
もう15分以上経ってるし、今週二つ目のテスト、マジで逃しそうだし、だんだんイライラしてきた。
やっとレクシスが出てきたんだけど、目が充血してて、手が荒れてるのが分かった。
それからエリエルが出てきて、俺の方を向いて危険な笑みを浮かべた。
「ロレイン、学校に行っていいよ。二人が作った問題は、私が片付けておくから」って言われて、頷いて、歩き出した。
車に乗ってる間、レクシスには何も話しかけないことにした。
一人でいたいだろうと思ったから、今日したことの中で、たぶん一番まともなこと。
やっと学校に着いて、車から降りようとしたら、レクシスが降りてないことに気づいて「降りないの?」って尋ねた。
「いや」って冷たく答えた。
「なんで?」って問い詰めたら、
「降りたくないんだ」ってキレて、俺はビクッとした。
アルフレッドに発車するように言って、レクシスは行ってしまった。
でも、アルフレッドがレクシスに同情的なまなざしを向けてたのは見逃さなかったけど。