CHAPTER2
日曜日。
あたしにとって、一週間のうちで一番好きな日。どんなに悪い奴でも、ゆっくり休める日。
でも、あたしは違うんだよね。
今、ベッドの上で、カーターとブルックと一緒にダラダラしてる。口の中にアイスクリームを突っ込みながら、ノートパソコンの画面には『ギルモア・ガールズ』の再放送が流れてる。
「なんでローレライは結局幸せになれないんだろ」カーターは眉をひそめ、バター味のポップコーンのボウルを画面に投げつけた。
あたしたちの友情は、両親の時代からなんだよね。あたしのパパ、ジャック・スチュアート、アメリアのママ、カーターのパパ、ブルックのパパは、高校二年生の頃からずっと仲良しだったから、どうなったかは想像できるでしょ。
あたしは彼を笑って、そのまま見続ける。すると、スマホのバイブで邪魔が入った。
あたしは文句を言いながら、このありがたい日をぶち壊そうとしてるやつは誰だってベッドの横に転がった。
スマホを手に取ると、パパの名前が太字で、大きく表示されてる。
あたしは、親友たちにあっという間にわかる顔をしてる。
二人はノートパソコンを消して、あたしにプライバシーをあげるために部屋から飛び出した。
パパは、あたしに電話してくるのは二つの場合だけ。あたしが困った時か、会いたい時。どっちにしても、いつもロクなことじゃないんだよね。
あたしはゴクッと唾を飲み込み、電話に出る。
「なんでそんなに長く電話に出ないんだよ?俺には時間があると思ってんのか?」って、最初の言葉だった。「おはよう?」とか「元気?」とか、そういうのは一切なし。
傷ついた。
「あなたも、こんにちは。それで?あたしは元気だよ、ありがとうって聞きたかった?」皮肉を込めて返事をした。顔には不機嫌そうな表情が浮かんでる。
「そんな口の利き方すんな、このガキ」彼は鋭く非難し、その口調には悪意がこもってる。
一体、どうしてこうなったんだろう?あたしが大丈夫か知りたいだけで電話してきてくれた日々は、もう終わっちゃったんだな。
少し考えてから、あたしはついに尋ねた。「もういいや、なんで電話してきたの?」
「あたしが電話した理由があるってわかってるならよかった」彼は言った。あたしは目を回す。
「来週の金曜日に家に帰ってきてくれないか、どうしても出席しなきゃいけない重要なディナーがあるんだ」
「なんでそんなに重要なの?」
「そんな質問から始めるな。おしゃれして、恥ずかしいことすんなよ。じゃあな」彼はそっけなく言い、あたしが何か言う前に電話を切った。
あたしは電話に鼻で笑い、苛立ちがこみ上げてくる。
パパとは、あんまりいい関係じゃないんだよね。最近はよく喧嘩するし、意見が合わないことばっかり。
でもさ、いつもこうだったわけじゃないんだよ。
あたしたちは、完璧な父と娘の関係だったんだ。
でも、三年前、兄が失踪してから、すべてが変わったんだ。
誰も軽く見てなかった。
パパはボロボロだったし、ママはヒステリーになってたし、あたしの友達もみんな動揺してた。
その中で、一番影響を受けたのはあたしだった。あたしは深い鬱状態に陥ったんだ。だって、彼はあたしを支えてくれる唯一の人だったから。
彼は灯台みたいな存在で、暗くて寂しい海から、あたしの船を引き寄せてくれたんだ。
彼は、あたしより四分早く生まれた兄であるだけじゃなくて、あたしを隅々まで知ってるたった一人の人だった。
アメリアもブルックもカーターも、どんなに頑張っても彼にはかなわなかったんだよね。
今でも、その後のことを覚えてる。パパは最高の探偵や調査員を雇って、レオンを探したけど、手がかりは何も見つからなかったんだ。
パパは悲しみに突き動かされて、仕事と会議に溺れていった。あたしと、ローガン、あたしの兄とは話さなくなった。あたしが一番影響を受けたんだ。彼はあたしを病気みたいに避けて、あたしがレオンのことを思い出させるからかな、って思った。
あたしたちは、ほとんどそっくりだったんだ。いつも一緒で、違うのは性別だけだった。
時々、ママがどうやって彼に我慢してるんだろうって思う。でも、心の奥底では、わかってるんだ。彼はすごく気にしてるし、悲しんでるんだって。失った息子を悲しんでるんだって。
あたしたちの喧嘩はどんどんひどくなって、ある日、あたしは爆発しちゃった。もうたくさんだった。あたしは荷物をまとめて出て行ったんだ。
ママを置いて行かなきゃいけなくて、心が引き裂かれるようだった。ローガンはもう結婚してて、お腹に子供がいる奥さんと一緒にいなきゃいけなかったから、ママがどれだけあたしを必要としてるか、わかってた。どれだけ落ち込んだかもわかってたから、いつも連絡はしてたんだ。でも、パパは宗教的に避けてたんだよね。あたしは、休日にしか家に帰らなかったし、すぐにそこから逃げた。あの家にあるものすべてが、レオンのことを思い出させたから。
アメリアが部屋に入ってきて、あたしの考えを遮った。
「あのさ、ずっと考えててもしょうがないよ」って言って、あたしの隣にドサッと座った。
あたしは彼女をじっと見つめた。
「わかった、わかった。何があったのか教えて」アメリアはため息をついた。あたしが冗談を言う気分じゃないってわかったから。
あたしは全部話した。特に、彼が電話を切ったことについて。
「あたし、行きたくない」あたしは激しく宣言した。
「自分のこと、ちゃんと聞いてる?」彼女は信じられないって顔で尋ねる。あたしは、彼女が何を言いたいのかわかってる。
「うん、聞いてるよ」
「パパの怒りを見ても大丈夫なの?」
「あたしは行かないって、決めたんだから!」あたしは唸り、話題を終わらせた。あたしは別に構わない。彼に満足させるつもりはないんだ。
「わかった、わかった!」彼女は手を上げて降参した。「カーターはデートに行ったし、ブルックとあたしは散歩に行きたいんだけど。一緒に行く?」彼女はすぐに話題を変えて、立ち上がった。
「ううん、行かないと思う。あたしはゆっくりするよ。ちょっと疲れてるし、明日すごく早く授業あるんだ。みんなは楽しんできて」あたしは言って、ベッドの上でくつろいだ。
「気をつけてね。愛してるよ、チャイカ」彼女は愛情深くそう言って、スペイン語訛りでそう言った。彼女はすぐに部屋を出て行った。
あたしは、部屋を出る気分じゃなかったんだけど、アメリアとブルックとの散歩を断るのは悪いなって感じたんだ。それは日曜日にあたしが一番好きなことだったんだけど、人生には、一人でいたくなる時もあるんだよね。
座って本棚を眺め、あたしはかなり分厚いのを選んで読んだ。しばらくして、興味がなくなっちゃった。これは、あたしらしくないことなんだよね。
ため息をつき、レオンが十六歳の誕生日のパーティーで、あたしをおんぶしてる写真を手にした。レオンがいなくなるちょうど一週間前だった。あたしは悲しそうに微笑んだ。
ああ、あたしたちはなんて幸せそうだったんだろう。
あたしは、16歳の誕生日に交わした約束を覚えてる
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「ねえ、レイン」レオンが呼んだ。
「なあに、リー?」あたしは、彼をそう呼んでる名前を使った。
「約束してほしいことがあるんだ」
あたしは不思議そうに彼の方を向いた。
「何?」
彼はため息をつき、あたしの手を握った。
「あたしを置いていかないって約束して。何があっても、ずっとあたしのキャンディで、あたしはいつまでも君のブランディだって約束して」
「もちろん、あたしたちはずっと一緒だよ!だって、双子なんだもん!」あたしはニヤリと笑って言った。彼はあたしのおでこにキスをしてくれた。
「約束?」
「約束」
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「約束したのに!どうして約束を破るの!嘘つき!嘘つき!」あたしはベッドに拳を叩きつけながら泣き叫んだ。涙で視界がぼやけてる。彼が無事かどうかわからないことの痛みは耐え難い。
つらい。
あたしの頭は暗い場所にいく。彼は困ってるかもしれないし、苦しんでるかもしれない。あたしは、彼を救うことができないんだ。
「会いたい」あたしは、震える息で空っぽの部屋にそう言って、やっと眠れるように涙が枯れるのを待ってる。いつもみたいに、悪夢が来ないように、静かに祈ってる。