さようなら
目から涙がポロポロこぼれるのを拭いながら、ムーンライトの外の明かりを見た。一番高いムーンライトの建物の屋上にいるんだけど、ここはステラーの建物じゃないんだ。あそこには入っちゃいけないって知ってるから。さっき、ミス・レッドが、みんながムーン刑務所って呼んでる場所に連れて行かれちゃったんだ。それがどこなのか、全然わかんない。
ミス・レッドのとこに行って謝りたかったけど、ムーン刑務所への行き方も知らないし。
だから、ここで屋上に行って、ため息をつくことにしたんだ。もう、目も痛いし、ずいぶん泣いてたからね。みんなに言われたこととか、バカにされたこととか、別に気にしないようにしたかったんだけど、できなかった。まるで、言われた言葉が私を食べてしまうみたいだったんだ。
「ムーン。」
聞き覚えのある声がして、涙を拭くのをやめた。ゆっくり後ろを振り返ったけど、誰もいない。そしたら、肩を2回トントンってされて、振り向くと、そこにいたのはゼロだった。ゼロが悲しそうに私を見てるから、もっと泣いちゃうかもしれない。さっきからずっと彼を探してたんだ。ムーン刑務所への行き方を知ってるのは彼だってわかってたから。どうしても彼が必要だったのに、さっきガーデンでハグしてくれたり、施設まで一緒に行ってくれた後なのに、どうして今になって現れたんだろう。
「ゼロ…」
私が呼ぶと、彼は悲しそうに笑って、私の隣に座った。
「ここで何してるの?」
前にも、お互い笑っちゃうようなこと、聞いたことあるよね。
「言いたいことがあるんだ。」
「ずっと探してたんだよ。」
私たちはお互いを見つめ合いながら、また話し始めた。
「先に言って。」
私がそう言って、髪をかき上げた。
「なんで僕を探してたの?」
彼はそう言って、ムーンライトの外の明かりの方を向いた。私もそこを見て、深呼吸した。
「ムーン刑務所に連れて行ってほしいから。」
私が言うと、
「生徒は入れないんだよ。特に、ムーン刑務所に収監される判決を受けてないなら。」
彼はそう言って、私は彼を見た。彼の声はすごく真剣だった。彼が私に冗談を言わないのは初めてで、緊張する。
「大丈夫?」
私がそう尋ねると、彼は私を見た。深呼吸して、また私と向き合った。
「ムーン。」
彼は真剣な顔でそう言うと、私の手を握った。「君と一緒にいると、幸せだって感じるのは、普通のこと?」
私は彼の言ったことに眉をひそめた。
「そりゃ、いつも冗談ばっかりだし、いつも——」
「ムーン、君がほしい。」
彼の言葉に私は言葉を止めて、突然、心臓がドキドキし始めた。「愛したいんだ。どうすればいいかわからないけど、君を見てから、君を抱きしめたいって思ってる。」
彼はそう言って、私は彼の言葉に戸惑った。何を言えばいいのかわからない。嬉しいのか、それとも…。
「僕のこと、好き?」
彼がそう聞いてきたから、私はゴクリと唾を飲み込んで、彼の目を見た。
「ゼ、ゼロ…」
「イエスかノー、ムーン。」
彼はそう言って、私はさらに戸惑った。
「わからない。」
私がそう言って、彼の目を見た。彼の目に、悲しみが見えるのか、喜びが見えるのか、わからない。
「よかった。」
彼はそう言って、ゆっくりと私の手を離した。私は本当にそう思えない。
「え?」
私がそう言って、彼に聞き返した。
「君が僕に対してどう思ってるのか、わからないのはいいことなんだ。そうすれば、僕は君から離れていても安全だから。」
私は彼の言葉に呆然とした。離れる?
「何が離れるって?私から離れるの?な、なんで?」
私が尋ねると、彼は悲しそうに笑って、目をそらした。
「君を傷つけたくないから。」
彼はそう言って、頭を下げた。「君が泣く姿を見たくないから。」
彼は私を見てそう付け加えた。「君が泣く理由になりたくないんだ。」
彼は私を眉をひそませるようなことを言った。
「ゼロ、私は傷つかないよ。え、なんで離れなきゃいけないの?」
私が彼を見てそう尋ねた。「あなたは私の唯一の味方なのに、私を置いていくの。」
私がそう言って、涙が止まらなくなってしまった。彼は首を振って、すぐに私の涙を拭ってくれた。
「君はわかってないんだ、ムーン。」
「なんで離れなきゃいけないのか、説明して。何が私を傷つけて泣かせるの?ゼロ、私にはあなたのことが理解できないよ。」
彼はすぐに私を抱きしめてくれたから、すごく近くて、私も彼を抱きしめた。
「今、君に話す時じゃないんだ、ムーン。君が今感じてる悲しみに、さらに何かを付け加えたくない。」
彼はそう言った。
「でも、あなたはそうしてるじゃない、ゼロ。」
私がそう言って、抱擁を解いた。私は彼を見た。「なんで、ゼロ?なんで私から離れていくの?」
私がそう言うと、彼はただ私に微笑んで、優しく私の手にキスをした。
「結局、君を傷つけたくないから、君から離れるんだ。自分が君の弱点になるってわかってるから。」
彼は座って、微笑んだ。
「ゼロ…」
彼は突然私の視界から消えてしまって、私はここに一人、彼が座っていた場所を見つめていた。他の方向を見ないまま、涙が次から次へと落ちてくるのがわかった。彼は私の唯一の味方だったのに、彼も私を置いていったんだ。
「アアアアアア!」
私は叫んで、頭を下げた。どうして、私の唯一の味方がいなくなっちゃったの。
「ムーン?」
呼びかけに振り向くと、シャドウがいた。
「シャドウ…」
震えながら私が呼ぶと、彼はすぐに私の方に走ってきて、私はすぐに彼を抱きしめて、彼の腕の中に閉じ込められながら泣いた。