カムバック
あたしは、ヘッド・アミンとヘッド・アドミラルが目の前で話してるのを見て黙ってた。何の話をしてるのか、全然わかんない。頭の中には、レインが言ったことしか入ってこないんだ。
彼女はもう、あたしにキレてる。あたしのやってることを、モンスターだって思ってるんだって。深呼吸して、ヘッド・アドミラルのオフィスの窓の外を見た。
もう、誰の言うことを聞けばいいのかわかんない。ヘッド・アドミラルとヘッド・アミン、それともフライとレイン…?
「ムーン」ヘッド・アドミラルがあたしを呼んだから、そっちを見た。彼はあたしに微笑んだ。「準備はいいか?」って聞かれて、あたしは頷いた。
「まずは、ダークに対して怒るのをやめなさい、ムーン」ヘッド・アミンがあたしに言って、あたしを抱きしめた。触られたら、何だかエネルギーが体に入ってくるみたいで、おでこがシワになって、彼はあたしを抱きしめてる自分の手を見た。
あたしの体に入ってきたものって、一体何…?
「計画を台無しにしちゃダメだ。ダークがここにいるのを知らないふりをするんだ。ゼロが生きていない限り、お前はダークを殺せないんだぞ、ムーン、わかるな?」ヘッド・アミンに聞かれて、あたしはゴクリと唾を飲み込んで頷いた。彼はあたしに微笑んで、ヘッド・アドミラルを見た。
「あたしをモンスターにしようとしてるんだ」あたしは掌を下ろして、ヘッド・アドミラルが何を知ってるのか聞くのを我慢した。だって、聞いても答えてくれないってわかってるから。
「ムーンの入り口の階段に行って、そこでダークに会え。だけど覚えておけ、ダークに、お前が彼が来るのを知ってるって思わせちゃダメだぞ」ヘッド・アドミラルがそう言って、あたしは頷いて立ち上がり、彼のオフィスから出て行った。
オフィスから出た途端、フライがすぐにニヤニヤしながらあたしを迎えた。
「約束を覚えておいて、ムーン。行動する前に、全部知ることになるわよ」彼女はそう言って、あたしの肩を叩いて、あたしのそばを離れて行った。あたしは立ち止まって、ヘッド・アドミラルのオフィスのドアを見た。それから、あたしのそばを離れていくフライを見た。
あたしは、誰に従えばいいのかわからない。
深呼吸して、あたしは入り口の近くの階段に向かった。本がいくつか置いてある、空っぽの部屋を通る時に、あたしは本を手に取った。
窓の外を見て、黒い車がムーンライトの入り口のゲートに入っていくのが見えた。ダークの車みたいだ。ダークがまたムーンライトにいるみたい。
階段の片側に座って、あたしは読書を始めたつもりだったけど、集中しようと何をやっても、あたしの脳みそは本の文字や言葉を吸収してくれなかった。
あたしは目を閉じた。
「あたしをモンスターにしようとしてるんだ。ゼロがやりたくないことなんだ」あたしは本を強く握りしめた。フライが何を言ってるのかわからない。あたしのやってることは全部、ゼロのためなのに、なんでゼロはあたしのやってることを全部望んでないんだろ?
「マジで、あたしがここに来たら、ゼロはすぐにあなたの頭の中がいっぱいになったんだ」あたしは考えるのをやめて、目の前で話してる人を見た。ダークだった。ムーンライトの制服を着て、あたしを見てる。
彼の笑顔を見て、あたしは本を強く握りしめた。
「ダークがゼロを殺したんだ」
「会いたかった?」彼はそう言って、あたしを見て微笑んだ。あたしはすぐに持ってた本を放り出して、彼に突進し、壁に強く寄りかかって、彼を絞め殺した。彼は明らかに、あたしの行動に驚いていた。
「ム、ムーン…」
「計画を台無しにしちゃダメだ。ダークがここにいるのを知らないふりをするんだ。ゼロが生きていない限り、お前はダークを殺せないんだぞ、ムーン、わかるな?」
ゆっくりと、あたしはダークから手を離した。今、彼を殺すのを激しく我慢した。計画が台無しになるってわかってるから。
「もうやめて… あたしの命を救って」あたしは彼に冷たくそう言った。彼は首を押さえながら息を整え、あたしを見た。
「すごい歓迎だなあ、またここで歓迎されてる気分だ」彼はそう言って、あたしはただ彼に微笑んだ。作り笑顔。
ムーン、我慢しなきゃ。すぐにダークを殺しちゃダメだ。計画が台無しになるから。あたしはまだゼロを生き返らせるんだから。
「どうしたの… なんでここにいるの?」あたしが聞くと、彼はあたしに微笑んで、ちゃんと立った。
「ここに来た理由は二つあるんだ。一つは教えないけど、もう一つは、お前があたしから何かを盗んだから、ムーン」彼は真剣な顔でそう言って、あたしを眉をひそめさせた。
「あたしが何か盗んだ?」あたしが聞くと、彼はゆっくりとあたしに近づいてきて、あたしは後ずさりした。もう後ずさりできなくなって、階段の手すりに寄りかかると、彼はゆっくりと顔を近づけてきて、唇にニヤリと笑みを浮かべた。
「ゲームが始まってから、お前はあたしの頭から離れない、ムーン」彼は真剣にそう言って、あたしはゴクリと唾を飲み込んだ。
「わ、わからないことばっかり」あたしが言うと、すごく近くて、彼が笑うのが聞こえたから、目を開けて彼を見た。
「あたしの心臓だよ、待っててね、ハハハハハハハ!」彼は笑ったけど、戸惑ってもいた。「あたしは心臓を持ってないって覚えてるんだ」って言って、あたしを鋭く見た。
「お前はあたしの心臓を盗んだんだ、返してくれよ、ムーン」あたしは彼の言葉に呆然として、彼を見た。彼の鼓動が少し早くなってるのがわかって、あたしはゴクリと唾を飲み込んだ。
今感じてることは、おかしい。ゼロがそばにいたときに、ようやく感じたことだった。あたしは目をそらした。
「部屋に戻るわ」あたしがそう言って、行こうとしたら、彼があたしの手を取った。奇妙なエネルギーを感じて、あたしは驚いた。
「ダークはゼロを使って、お前を騙したんだ、ムーン」
あたしは、ヘッド・アドミラルが言ったことを思い出して、掌を下ろした。
「ちょっと待って」彼はそう言って、あたしの前に来て、あたしが前に曲げてた掌は、彼の優しい顔があたしに微笑んでるのを見て、ゆっくりと消えていった。
「ここにいて嬉しいだろ? 次会うときは、本当にお互いのためにいるって言っただろ」彼はそう言って、あたしはただ彼を見た。
あたしは、彼がゼロを殺せるなんて、全然思ってなかった。なんでダークなの? なんでゼロを殺したの?
「お前は全然嬉しくないんだよな」彼はそう言って腕を組んだ。「あたしは、ここに転校してきて、ここで勉強したいって頼んだんだ。お前と一緒にいられるように。なのに、嬉しくないんだ。お願いしとけばよかったのに…」
「嬉しいわ」あたしは彼の言いたいことを遮って、彼に微笑んだ。あたしは片方の掌を背中に回して、お辞儀をした。
「また会えて嬉しいわ、ダーク」そう言ったけど、本当は彼を傷つけたい。
「ミスター・レヴィン」あたしたちは、横から現れた人に目を向けた。ヘッド・アドミラルとヘッド・アミンが、あたしたちを見ていた。ヘッド・アミンはあたしに微笑んで、突然ダークを見た。
「またお会いできて嬉しいです、ミスター・レヴィン」ヘッド・アドミラルが微笑んで言った。
レヴィン? ダークとシャドウは同じ苗字なの? レヴィンはシャドウの苗字でもある。あたしは、ヘッド・アドミラルとヘッド・アミンに微笑んでるダークを見た。
「オフィスに行きましょう、ミスター・レヴィン。ミス・ヴェノマス、あなたは何してるんですか?授業時間じゃないんですか?」ヘッド・アドミラルがあたしを不思議そうに見ながら尋ねた。
あたしは、ダークにそう見られながらお辞儀をした。
「す、すみません」あたしはそれだけ言った。ダークはあたしの肩を叩いたから、あたしは彼を見た。
「後でね」彼は微笑んで、ヘッド・アドミラルの方へ歩いて行った。ヘッド・アドミラルはまたあたしを見て、微笑んだ。
「いいムーンだ」あたしは彼の心を読んだ。それから、彼らはようやくあたしのそばを離れて行った。あたしは階段に一人残されて、彼らがダークの行った道を見て、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「お前は、モンスターになりつつある」あたしは話してる人を見た。フライとレインが、あたしを不思議そうに見てる。まるで、嫌悪感と恐怖を感じてるみたい。
「レイン…」彼女は目をそらすだけで、フライは笑った。
「レインが何か言いたいみたいよ」フライがそう言って、他の方向を見てるレインを見た。
あたしは彼女の拳が握られるのを見て、彼女があたしを大胆に見つめた。
「あの時… あなたは、悪いってわかってることをしたのよね…」彼女は戸惑って、あたしの目に涙が溜まるのを見た。
「あたしが… 警察に電話して、あなたを刑務所に入れるわ… そして、忘れて… 忘れて、あなたが友達だってこと…」彼女は大胆にそう言って、あたしの胸に痛みを感じさせた。あたしは打ちのめされて、彼女が走り去るのを見て、フライはただ笑って、あたしをまた見た。
「お前は、自分のやってることで友達を失ってるんだぞ、ムーン」フライが言った。
「やめて、間違ってる」あたしは、彼らがいた高さから話してる人を見た。ヘッド・アドミラルだ。あたしは、レッド、アイス、スター、クラウド、そしてシャドウがフライを見てるのを見て、打ちのめされた。
あたしは、笑ってるフライをまた見た。
「いわゆる”友達”ね」フライは微笑んでそう言って、あたしから背を向けた。
「もし本当の友達なら…」フライは彼らの方向を見た。「…なんで、ムーンを間違ったことさせてるの?」フライは笑ってそう言って、首を振った。
「プラスチックたちね」彼女はそう言って手を叩き、歩き始めた。
あたしは掌を下ろして、レッドがフライが歩いていくのを見てる方向を見た。