第21章 告白
「どいてくんない? 人前でイチャイチャすんのはマジで勘弁」
バスの運転手っぽいオッサンに文句言われて、ビビって俺らは飛びのいた。
うわ、顔に熱が集まってくるのがわかる!
マジで。
**リード・ラングストン**が気まずそうに咳払いして、俺の手を掴むとバスから引っ張り出した。
バス停の前に立ってるんだけど、何分経ったか分かんないくらい長く感じて、バスが俺らを置いてくのを見送った。
二人きり。
真っ暗な中で。
手、繋いでるし。まあ、まだ鶏の着ぐるみ着てるから、正確には手『っぽい』けど。
ファーストキスしたあと。
誰かとキスするって、こんなにいいもんなんだって初めて知った。
さっきも言ったけど、俺のファーストキスを奪ったの、あいつなんだよな。
あー、クソ。
マジでやべー、罵っちゃった!
自分のほっぺをつねったら、**リード・ラングストン**がビックリした顔で「マジでイカれてんのか?」って聞いてきた。
ニヤニヤしながら、「違うし、つねってただけ」って答えた。
「つまり、俺が言いたいのはそれだ」
「つねってたのは、罵ったからだよ」
「でも、何も聞こえなかったけど」
「心の中でだよ、アホ」
**リード・ラングストン**は目を見開いて、ちょっと困った顔で「あー、なるほど」って言った。
そして、何度も自分のほっぺをつねり始めた。
何度も。
1分くらい経ったところで、ようやくつねるのをやめて、気まずい沈黙が流れた。
...
...
...
それを破ったのは**リード・ラングストン**で、「なんで罵ったんだ?」って聞いてきた。
「あー、なんだろ」って濁した。なんて言えばいいんだ? ファーストキス奪われたから、なんて言えるわけないし。
「いや、マジで分かんねーんだけど」
深呼吸して、「さっきのこと考えてた」って答えた。
「あー…」**リード・ラングストン**は急に顔を赤くして、悲しそうな顔をした。
「なんでそんな顔してんの?」
**リード・ラングストン**は俺を見て、「悲しくなんかない」って。
「そっか、ごめん」って嫌味っぽく謝って、「なんで拗ねてんの?」って聞いた。
**リード・ラングストン**の目は俺の方を見てない。「別に」
ため息をついて、「**リード・ラングストン**…」
「ダサい」
「**リード**」
**リード・ラングストン**は真っ直ぐ俺の目を見て、それから下を見た。
今度はマジで。
「お前が罵ったのは、俺がキスしたからだろ。で、お前は…気に入らなかったって…」
は?
いつも勘違いばっかりしてるあいつは何なんだよ。
「別に、気に入ってたから罵ったんだよ」って、考えなしに言っちゃった。
ちょ、マジかよ!
**リード・ラングストン**は急にニヤリとして、「マジで?」って。
今度は俺が顔を真っ赤にする番で、**リード・ラングストン**はくすくす笑った。
「あー、そー、そー…ほんと…だよ」ってどもりながら、咳払いを一つして続けた。「でも、24時間それやってる人にとっては、普通のことだし」
**リード・ラングストン**は目を見開いて、顔を真っ赤にして「あれが、俺のファースト…」
は?
俺はあいつに「マジかよ?」って顔をした。
**リード・ラングストン**は頷いた。「で、お前もファーストだって知ってる」
調子乗り野郎。
俺は目を細めて、「どんだけ確信してんの?」って聞いた。
**リード・ラングストン**はさらに顔を赤くした。「えーっと、そのー、そのー…ちょっと、学校のやつらに近づくな、って言っといたんだ」
また、何だって?
「なんでそんなことすんのよ?!」 だから誰も誘ってくれないのか。俺の人柄とか、そういうのを怖がってるんだと思ってたよ。「お前には心配しなきゃいけない相手がいるんだから!」
**リード・ラングストン**は俺の目を見ようとしないから、「誰なの?」って聞いた。
やっぱ、ちょっと嫉妬してるんだと思う。
ちょっとだけ。
いや、ちょっとだけよりも、もっとちょっと多い。
うん、嫉妬してる、めっちゃ。
だって、あいつ、俺のファーストキス奪ったし、男子にも警告してたし、なのに、他のやつを、いや、愛してるんだろ!
「お前、知ってるやつだよ」って、**リード・ラングストン**はそれだけ言った。
**リード・ラングストン**は笑って、「優しくて綺麗。面白くて皮肉屋。ほとんど完璧だけど、ちょっと短気なんだよな。でも、そこがいいんだ。まるで怒った子猫みたいで、マジで可愛い」
は?
「誰だよ、アホ!」って、嫉妬が抑えられなくて言った。「誰かじゃなくて、どんなやつなのかは聞いてないんだけど」
「そのうち分かるよ」って、**リード・ラングストン**は最後に俺を見て言った。「明日の朝、チャイムが鳴ったら、俺は好きな子にキスするつもりだ」
「唇に?」俺にキスした後に?
**リード・ラングストン**は頷いて、決意したようにニヤリとした。
傷ついた俺は、そっぽを向いて、どうでもいいって感じで歩き出した。
「どこ行くんだ?」って**リード・ラングストン**に聞かれた。
俺は歩き続けながら「家に」って答えた。
「でも…」
「また明日」って言って、できれば会いたくないけど。
ため息が聞こえて、「おやすみ」って呟いた。
お前はいい夜を過ごせるかもしれないけど、俺の夜はぶっ壊れたんだけど。
せめて誰かは楽しい夜を過ごしてるみたいで良かった。
家に帰って、全部両親に説明したら、理由も分かってくれて、遅くなったこと許してくれた。
今、俺はベッドにいて、特定の人たちのせいで眠れない。
なんでこんなに辛いんだ?
なんであんなに嫌いだったんだろ?
ふと気がついた。
あいつに無視されてムカついてたから、あいつと繋がってる一番いい方法が、嫌うことだったんだ。
最初は、なんでか分かんなかった。
真っ白な空白で、もしテストだったらマジで赤点だっただろうな。
で、やっと分かったんだ。
**リード・ラングストン**のこと、好きだからじゃない。
**リード・ラングストン**のこと、愛してるからだ。
あいつが好きなやつにキスするところなんて、絶対見たくないんだ。俺のことじゃないって分かってるから。
...
__________作者のメモ:
ここで終わりにしようと思ったんだけど、俺もそこまで酷い人間じゃないから、続き書いてあげるよ。[どうでもいいけど、もう書き終わってるしね!(5/31/20)]
__________
...
ある計画を立てて目覚めた。それはこうだ。
早く起きる。
早く家を出る。
早く学校に隠れる。
そして、あいつから離れる。
朝食は、ベーコンと一緒にトーストを食べる。
「**クロエ**!ずいぶん早いじゃないの」
顔を上げると、**クロエのママ**が厳しく俺を見てた。
「別に」って答えた。
「でも、**リード・ラングストン**が迎えに来るまでまだ30分もあるのに」
そう、それが早起きしたい理由なんだよ。**リード・ラングストン**に会いたくないから。
一日中。
卒業するまで。
永遠に。
あるいは、あいつが好きな子にキスする時まで。あ、ごめん、愛してる人ね。
何でもいいけど、マジで嫌だ。
「行ってきます」って言って、**クロエのママ**をハグして、「バイバイ」
「大丈夫なの?」
頷いて「うん…バイバイ」って言って家を出て、学校に向かった。
車から降りて、学校に入って、真っ直ぐロッカーに向かって、鍵を開けようとしたら、キスする音…いや、聞こえちゃった。
聞こえちゃった。
耳を使って。
うわー、マジで。
俺がロッカーを勢いよく閉めたせいで、**アーチー**と**イヴァン**は飛びのいた。
**イヴァン**は俺を睨んで「何だよ、お前…」
でも、**アーチー**が遮って「何なの?」
俺は目を回して「マジでキモい」って言った。
**アーチー**は鼻で笑って「偽善者ぶってんじゃねーよ。お前らと**リード**なんて、二人きりになるたびにやってるだろ」
「なんであんな**JerkAss**とキスしなきゃなんないのよ?」って、怒って聞いた。「マジで無理、考えただけでも!」
**イヴァン**と**アーチー**は俺を見て、ポカーンとして、それから**イヴァン**は「あー、二人はLQだな」って分かった。
LQ?
「LQ?」
**アーチー**はニヤニヤして「恋人の喧嘩だよ」
俺は目を回した。
プッ、そーだね。
「**クロエ**!」
俺は目を見開いて、すぐに親友と彼氏にバイバイして、出て行こうとしたら、手首を掴まれた。
「何?」って、怒って聞いた。
「俺のこと無視すんの?」って**リード・ラングストン**は聞いてきた。
「それが計画」って呟いた。「なんでここにいるの?ちょっと早くない?」
「お前のママが電話してきて、もう家出たって言ってたから」って**リード・ラングストン**は言った。「だから、ここに直行した」
ありがとう、ママ。
「じゃあ、さようなら!行かなきゃだし…」
「何が?」
「えーっと…あー…何か」って、手首を離そうとしたけど、**リード・ラングストン**は掴む力を強めた。「お願い、放してくんない?」
お前の運命の相手が、多分見てるよ。
「お前がなんで行かなきゃいけないのか答えるまで放さない」
嘘をつこうと口を開いたら、**リード・ラングストン**が遮った。「嘘はなしな、**クロエ**。お前が嘘ついてるの、分かるからな」
俺は唇を尖らせた。「バカげてるから。だから、放せ」
**リード・ラングストン**は首を振った。「嫌だ」
俺は時計を見て、チャイムが鳴るまであと数秒だって分かった。ここに居たくない。
「**リード・ラングストン**、お願い、放して」って懇願した。
今、行かなきゃ。じゃないと、泣いてる俺を見られちゃう。
「嫌だ」
俺は怒って震え始めた。「約束したじゃん、**リード・ラングストン**」
**リード・ラングストン**は首を振った。「お前が必要なんだ」
「なんで?!」
そしたら、チャイムが鳴った。
嫌だ…
まだ逃げられるかも…もし…
俺は、聞き慣れた唇に遮られた。
**リード・エドワード・ラングストン**、俺の人生の愛、別名鶏の着ぐるみの中の悪ガキが、俺にキスした。
また。
花火がどこまでも上がって、二人だけみたいで、この星には俺らしかいないみたいだった。
ようやく離れた。俺は深く息を吸い込んで、**リード・ラングストン**の目をじっと見た。
「お前が必要なのは、お前が俺の愛した人で、今も愛してる人だからだ」