第52章 寝床とアヒル
まさか、お化けが出そうな屋敷が、2人のバカでアホなやつらでも住めるようになるとは思ってもみなかったけど… まだお化けが出そうなのに、綺麗に見える屋敷を見てたら、ありえるのかもって思う。
マジで眠い。
疲れてため息をついて、地面にゴロンってした。
「何してんだよ、エミリー?!」
リードが叫んだ。
たまに、あの「優しい」リードって、ムカつくんだよね。「床が汚れちゃうよ!」
いや、待てよ。「優しい」リードなんて存在しないんだ。
むすっと座って、彼にキレた。「寝たいんだよ」
リードは目を回した。「俺もだよ」
「まあ…」
私はまた寝転がって目を閉じた。「おやすみ」
「マジで今、床で寝るつもり?」
「それが計画」
私はそう呟いて、頭の後ろに腕を置いて枕にした。
「エミリー」
彼はクスクス笑った。「起きろよ」
「ベッドあるの?」
「…いや、ないけど…?」
「じゃあ、いや」
リードは唸った。「床を汚すなよ!」
「黙らないなら、あんたの血で汚してやる」
私は歯ぎしりして言った。
鼻で笑う音が聞こえた。「怖くないよ」
右目を開けて、ボソボソと呟いた。「マジで?」
彼はゴクリと唾を飲んだ。
満足して、また目を閉じた。
お願い、眠りの神様、私を連れてって!
「おいおい、ホテルとか行こうぜ」
彼のうざい声が聞こえた。
私は首を横に振って、暗闇に身を任せた。
「エミリー」
マジでふざけんな!
怒って起き上がって、彼を睨みつけた。「なに?」
彼は私に近づいてきて、お姫様抱っこした。
「ちょ、リード!」
私は叫んだ。「降ろして!」
彼の硬い胸を叩いた。
腹筋があるってのが、本当にムカつく。
それに、私の平手打ちが全然効かないのも、ムカつく…マジで。
屋敷の外に出たら、彼は私を降ろした。
「なんなの、リード!」
彼は私の声が聞こえないかのように、車に向かって歩いていった。
そして開けて、何やら始めた。
「マジでふざけんな、私はただー」
私が言い終わる前に、彼は私を車の荷台に引っ張った。
終わりだ。
殺されるんだ。
彼は私を抱えて、私の叫びを無視した。
そして、私を寝かせたから、私は口を閉じた。
どうやら彼は、シートを倒して、荷台を広くしたみたい。
適当なシーツを使って、覆い被せたんだ。
今、私は車の中で横たわっている。
「リードー」
「シー」
彼は静かに呟いた。「寝てろ」
私は顔をしかめて、言い返そうとしたけど、彼が私の隣に寝転がった。
「あー、リードー」
彼は「黙れ」って顔をしたから、私は黙った。
自分のつま先を見てたら、彼は荷台のドアとか閉めてないことに気づいた。
酸素を入れるためだ。
よし、頭使ってる。
正直、これはマジで悪くない。
ただ、これが私たちの永遠の寝床にならないことを願うだけだね。
予期せぬ出来事