序章
涙が止まらなくて、そのクソヤバいアルファを睨みつけてた。アイツは、両親をめちゃくちゃ睨んでる。両親はひざまずいて、後ろ手に縛られて、助けを求めるように泣いてた。
「よくも二十年も娘を隠しやがったな! 何考えてたんだ? 俺から永遠に隠せると思ったのか? 永遠に騙せると思って、この秘密を抱えていられるとでも?」 あいつは、今まで聞いたこともないくらい恐ろしい声で怒鳴った。その瞬間、誰が言わなくても、もうアイツのデーモンが支配してるのがわかった。
全部後悔してる。なんで両親があんなに俺を隠してたのか、やっとわかったよ。なんで俺に外の世界を見せようとしなかったのかも。両親は俺を守ってくれたんだ。どんなに辛くても。でも、俺は一体何をして返したんだ? 俺のせいで、両親はこんなことになってる。俺って一体どんな子供なんだ? 俺は呪われてるんだよな?
「これは、このパックの他の全員への教訓になるだろう。もし、誰か少しでもこんなことをしたら、死刑が唯一の罰だ!」 冷たい声が法廷に響き渡った。
「そいつらを斬首しろ。そして、あの娘には、死ぬまで毎日鞭を百回与えろ」 あいつは、決意したような声で言った。
「殿下、どうか、うちの子を助けてください。彼女は無実なんです」 マザーとファーザーは泣き叫んだ。
「連れて行け!」 あいつが命令すると、屈強な男たちが両親に向かって歩き始めた。
「少しでも触ってみろよ。そしたら、それがお前らが触る最後になるぞ」 俺は低い声で言った。立ち上がると、目が真っ黒になって、全身から熱が放出されてるのがわかった…デーモンが俺を乗っ取ろうとしてた…