チャプターフォーティ
ペコペコと涙が止まらない。部屋の中をウロウロしちゃってる。彼にカッコつけたくて、時間かけて着替えたのに、なんだよ、あの仕打ち!怖かったことが、ついに現実になっちゃったって感じ。何年もずっと怖かったこと。
髪の毛をワシャワシャってして、ベッドにドサッと座り込んで、どうしようか考えてる。変な女の子のこと考えちゃうんだよね。オクタビアって子、ただのウェアウルフじゃない気がするんだよ。アルファと何か関係があるんじゃないかって、ずっと思ってんだけど、どうしてもピンとこないんだよね。普通なら、ハリドはあの子のこと、その場で殺しちゃうはずなんだよ。あんなことしたんだから。でも、牢屋に入れちゃったんだよね。まさか、俺が思ってること、そうじゃないよね?もう、おかしくなりそう。どうにかしなきゃ。もし、本当に思ってることだったら、あの子のこと、どうにかしてやる。あの子に、ハリドを奪われるわけにはいかない。今も、これからも。ずっとそばにいたんだ。困った時はいつも側にいたし、戦場でも守ってあげたし、ハリドが喜ぶことは何でもしてきた。体を差し出すこともあったし。なのに、どこからか来たやつが、ハリドを奪えると思ってる?ありえない!
著者POV
三日後
暗い部屋の中、小さな窓から太陽の光が差し込んでいる。鳥すら入れないような窓だよ。人が入るわけないじゃん。男が裸同然で床に倒れてる。汚くて弱々しくて、服はボロボロ。髪の毛もボサボサで顔にかかってて、まるで生きてるように見えない。
その生気のないやつは、すごく暗くて怖いオーラを感じて震えてる。誰だか分かってるんだよ。悪魔そのものだって。危険で恐ろしいアルファ、地上で一番ヤバいやつ、ハリドしかいないんだから。立ち上がって逃げ出したいのは山々だけど、体が弱すぎて無理。それに、たとえ逃げられたとしても、どこに逃げるっていうんだ?悪魔はどこにでも目があるって知ってるのに。
全身が震えて、お腹もすいてて、弱々しく頭を上げた。目の前に長い足が見える。ゆっくりと、床に座るように体を起こした。体重を腰に預けて、顔を下に向けてる。体中がアザだらけで痛いんだ。また今日から、終わりのない罰の日だって分かってる。悪魔からは誰も助けてくれないことも。全部後悔してるんだ。自分の道を進んでればよかった。焦って欲に負けちゃったんだ。権力への欲に目がくらんで、間違った相手に手を出してしまった。でも、もう遅い。悪魔と関わる前に、もっと考えるべきだった。結果を想像するべきだった。でも、しなかったんだ。だから、全部受け止めなきゃいけない。
ゆっくりと顔を上げて、目の前の男を見た。骨がミシミシって音を立てて、全身に激痛が走る。でも、見るのをやめない。ついに視線が合って、やっぱり、あの危険な、嘲笑うような笑みを浮かべてる。
「イヴァン」悪魔の声が聞こえて、イヴァンの背筋がゾッとした。悪魔が話すのをやめてくれればいいのに。あの暗いオーラが、どんどんイヴァンを飲み込んでいく。でも、止められるわけがない。
イヴァンは弱々しく、生気のないまま頭を下げて、後悔しながら床を見つめてる。悪魔のところに捕まってからの数日間、拷問の日々は、人生で最悪だった。自分の命を自分で終わらせることができればいいのにってずっと思ってた。こんなに苦しむくらいなら。いつ終わるのかも分からない。でも、運はいつも見方をしてくれないんだ。死を願ったけど、叶いそうにない。
「今日はどう?」悪魔のような声が牢屋に響き渡る。弱々しく床座っている男の周りを優雅に歩きながら。
「殺してくれ」生気のない男はそう言うしかなかった。でも、無理だって分かってる。拷問で死ぬしかないことも。まだ何も始まってないことも。拷問の始まりにすぎないことも。考えを変えることなんてできないんだ。
ハリドは歩くのを止めて、イヴァンの前にしゃがみこんだ。そして、イヴァンの顔を指で持ち上げて、自分の視線と合わせる。イヴァンの目の中に、じっと、そして危険に見つめ、イヴァンはただ震えてる。
「まだだよ、イヴァン。俺の約束はまだ果たされてないんだから。焦るなよ」危険な笑みを浮かべて、顔から手を離した。そして、ハリドは立ち上がり、またイヴァンの周りをウロウロし始めた。胸の前で腕を組んで、あの危険な笑みを浮かべたまま。次の罰は何にしようか、頭の中で想像してる。早く、イヴァンの悲鳴が聞きたい。あの苦しそうな顔が見たい。
「仲間であるアルファに挨拶に来るくらい、別に悪いことじゃないだろ?」歩みを止め、邪悪にニヤリとした。でも、ほんの数秒で、いつもの雰囲気に変わった。
イヴァンは最悪の事態を予想することしかできない。どんな罰が待ってるのか、ただ待つしかない。一つ確かなことは、今日、イヴァンは苦しみながら生きていくってこと。
ハリドはイヴァンの後ろにしゃがみこんで、彼の髪を乱暴に掴んだ。そして、生気のない若い男は、痛みに小さくうめき声をあげた。でも、動くことすらできない。
「お前の股間のアレに火をつけるって言ったら、どうする?」耳元で囁くと、男は恐怖に震えた…。