CHAPTER 三十六
「こいつは、ただじゃ済まさない」
**オーサー**
**アルファ・ハリド**は、自分の姿をじっと見つめていた。目の前に立っているソイツは、まるでいつでも殺して喰ってやろうとでもいうように、**アルファ・ハリド**を危険な目で睨んでいる。心臓は肋骨にガンガン当たって、めちゃくちゃ苦しい。目の前の危険に目を向けて、コイツは一体どこから来たんだ?って考えてた。額には汗が玉になって、ビビって後ずさりした。ゴクリと生唾を飲み込んだ後、ドレッサーに手をかけて、なんとか支えにした。必死で逃げ出したかったけど、足が重くて動けない。まるで地面に吸い込まれるみたいだったんだ。
「な、何なんだ、お前は…」
長い沈黙の後、震える声でやっとのことでそう尋ねた。恐怖と緊張を隠そうとしたけど、どんどん押し寄せてくる。謎めいた自分の姿から発せられるオーラが、**アルファ・ハリド**を恐怖の淵に突き落とす。恐怖に溺れそうだった。
「俺はお前だ」
部屋に声が響き渡り、**アルファ・ハリド**を睨むソイツは、まるで今にも**アルファ・ハリド**を喰らいつくさんばかりの形相だ。すっげえ怒ってる。ソイツから漂うオーラは、悪魔の中でも最強クラスの殺気を放っていて、まるでルシファーそのものだった。
**アルファ・ハリド**は困惑して、ソイツの言葉を理解しようと必死だった。目の前に立っているのが自分の姿だってことは分かってる。でも、まさか自分と同じ人間だなんて信じたくない。そんなことって、あり得るのか?
**アルファ・ハリド**の視点
俺は恐怖で震えながら、何度も生唾を飲み込んだ。まさか自分がビビるとは。最強の**アルファ・ハリド**が、自分の家の床で恐怖に溺れるなんて、信じられない。こんなことが俺の人生で起こるなんて、考えられない。一体コイツは何なんだ?
頭の中に質問が洪水のように押し寄せてくる。ソイツの暗い瞳を見つめながら、心臓は胸を叩きつけるみたいにドキドキして、今にも飛び出しそうだ。勇気を出そうとしたけど、全部消えちゃったみたいだ。最強の**アルファ・ハリド**を呼び戻そうとしたけど、ソイツでさえ、目の前に立っているデーモンみたいな自分の姿を怖がっているみたいだ。見えるのは、ソイツのダークで威圧的なオーラに溺れていく、弱々しい**アルファ・ハリド**だけだ。
勇気を振り絞って、ソイツに触ろうと一歩踏み出した。何か確かめたいんだ。現実なのか、それともただの幻覚なのかを知りたかった。でも、俺の手がソイツに触れる前に、ソイツは煙のように消えてしまった。心臓が止まったように怖かった…。
**オクタビア**の視点
金属がぶつかり合う音で、深い眠りから叩き起こされた。無理やり目を開けると、ぼやけた二つの影が、バーで何かやっているのが見える。数秒後には視界がクリアになり、その二つの影が**ガーズ**だと分かった。恐怖で心臓が飛び跳ねて、痛みで顔をしかめた。ああ、またお仕置きの時間か?
小さな窓に目を向けると、もう日が昇っている。お仕置きの時間だ。逃げられないのは分かってるけど、せめて昨日のアザや痛みから回復させてよ、って思った。
ついに奴らが部屋に入ってきて、俺の方へ歩いてくる。痛みを無視して、弱々しく這って逃げようとした。
奴らは俺に近づくと、雑に俺を掴んで引っ張り上げた。体に痛みが走り、顔をしかめる。かつて完璧だった俺の肌は、虎の肌みたいになっていて、無数の傷跡と血痕がついてる。肺が破裂するほど叫びたいけど、こんな扱いじゃ意味ないって分かってる。叫んだところで、何も変わらないんだから。
痛みに耐えながら、奴らは俺を廊下を引きずっていく。どこへ連れて行かれるのか、誰に言われなくても分かった。俺は、人生で一番酷い目に遭うことになるんだ。
広場に着くと、そこには昨日と同じように、大勢の人が集まっていて、俺が苦しみ、拷問にかけられるのを見ているだけ。誰も俺のために立ち上がってくれない。奴らは俺を地面に突き飛ばし、強烈な痛みが全身を襲った。
ゆっくりと視線を上げると、そこには悪魔そのものが、椅子に座って、俺が苦しむ姿を楽しんでいた。どうなるかは分からないけど、もしこの痛みから生き残ることができたら、あいつに俺が与えられた痛みの何百万倍も味あわせてやる。殺してくれって頼むまで、拷問してやるんだから。
痛みに耐えながらも、絶対に泣かないって決意した。このクソ野郎の前では泣かない。あいつに俺の苦しみを見せたくない。涙も見せたくない。
睨みつけていると、四本の強い腕が俺の手を掴んで引っ張り、立ち上がらせて、両手をポールに縛り付けた。足が痛いけど、頑張って耐えた。
拳を握りしめ、歯を食いしばり、あいつを強く睨んだ。心の中には、あいつへの憎しみが溢れている。
背中に走る鋭い痛みで、現実に戻され、痛みで顔をしかめ、目を固く閉じた。
背中に鞭が当たるたびに、心臓がバラバラになるような気がした。全身が燃えるように熱い。泣きそうだったけど、涙は見せたくない。目を閉じ、拳を固く握りしめ、すべての痛みを受け止めた。すると、目が重くなり、足はもう立っていられなくなって、全身の力が抜けていった。そして、俺の記憶はそこで途絶えた…。