第15章 サンドボックス
長い時間進んで、やっと橋の位置に着いたと思ったら、びっくり!橋の強化ハッチが開いてて、コショーンの声がヘルメットから聞こえてきたんだ。「司令官、エンジンルームを制圧しました。抵抗はありません。」
「警戒してろ。俺らも橋に行く」って、エドワードが言って、手信号で合図したら、クルー4人が2人ずつ橋に突入して、無線で安全だって報告してきた。
橋に入ると、床に倒れて動けないササラスと、彼のそばにしゃがみこんでるラファエルがいたから、チームに2人、彼らの監視を頼んで、エドワードは真っ直ぐ指揮官室へ。
通信システムを開いて、艦隊全体に放送を始めたんだ。「全ユニット、こちらは自由連邦ドーサ艦隊の司令官、エドワード。君たちの旗艦は捕獲され、他の大型艦は全部やられた。今から、戦闘員は持ち場を離れて、俺たちが迎えに行くのを待て。シャトルは待機し、待機命令を待て。もし、何か攻撃してきたら、その場で撃て。」
「閣下、俺たちをどうするつもりですか?」って、ササラスが言ってきた。
「え?」って、エドワードが聞き返した。
「私はゴルガン星国の第三艦隊司令官、ササラスです。こっちは私の参謀長、ラファエルです」って、ササラスは制服を正して、無理矢理立ち上がろうとしてたけど、何回か失敗してた。
「ササラス卿。俺は自由連邦ドーサ艦隊の司令官、エドワードだ」って、エドワードはヘルメットを開けて、若々しい顔を見せた。
「なるほど!英雄は若さから生まれるんだな。何年も戦ってる連邦のドライアド相手だと思ってたよ」って、ラファエルは感心してて、捕虜になったことなんて、全く気にしてないみたい。
「閣下、俺たちをどうするつもりですか?」って、ササラスがまた聞いてきた。
「まあ、上からの指示を待たないとね」って、エドワードは言って、もう相手にしなくなった。
しばらく指揮コンソールを操作して、ルシェルと通信を繋いで、ウィンチェルと少し話してから、指揮官席に座って、コンソールの上に足を組んで、リラックス。そして、横にいるチームメンバーに手を振って、お茶を入れてもらうように合図した。
しばらくして熱いお茶が運ばれてきて、エドワードはそれを優しくすすって言った。「ありがとう、ティンデル。うちのより、こっちのお茶の方が美味しいな。」
一日後、戦闘力で1:3の差があった自由連邦ドーサ艦隊が、隣の艦隊を全滅させて敵の旗艦を捕獲したってニュースが銀河中に広まった。
ドーサ艦隊は、星野の環境をうまく利用して奇襲を成功させたんだ。この戦闘例は、連邦や帝国でさえ、軍事教範に書き込まれた。
みんな、エドワードって名前の若い司令官の出自について噂してて、ドーサ星神の息子だって伝説まであったりして、しばらくの間、噂や伝説が広まってた。
まだ戦闘シャトルが星野を飛び回ってて、戦場を片付けたり、生存者を探したりするだけで、みんな精一杯だった。
エドワードは、そういうのからちょっと離れて、この面倒なことは全部ウィンチェルに任せて、ハッチの中に隠れて星図を見て、何か考えてたんだ。
「みんな忙しく爆発してるのに、アンタ、ここで隠れてるの?」
星図から視線を外して、むすっとしてるエリナを見て、エドワードは言った。「俺の小さなワイルドキャット、司令官はもっと考えないといけないんだよ。」
「星図見て、ちゃんと考えるの?負傷者とか捕虜とか、エネルギー問題とか、訓練とか、アンタ、何も気にしてないんでしょ?」って、エリナがエドワードの隣に座った。
「それはウィンチェルの仕事だろ」って、エドワードは頭を掻いて続けた。「それに、お父さんがドーサは完全に連邦のシステムに統合されるって言ってたから、そのニュースを考えてると、全然やる気が起きないんだよ。」
「ねえ、それは時間の問題だよ。それに、連邦の野望はお父さんの野望なんだから。ドーサの人たちが平和に暮らして、楽しく働けるなら、アンタの野望は?」って、エリナはエドワードの手を触りながら言った。
「俺の野望?俺の野望は、1エーカーの土地と、牛2頭、そして奥さんと子供たち!」って、エドワードは立ち上がり、ニヤニヤ笑ってるエリナを抱きしめて、ひねってベッドに押し倒したんだ。
「エドワード卿、ブリッジへどうぞ」って、邪魔くさいタイミングでインターホンの声が聞こえた。
「行かないで」って、エリナは恥ずかしそうにエドワードの顔を包んだ。
まるでインスピレーションが湧いたみたいに、エドワードは脱ぐのを急いだんだ。
「エドワード卿、早くブリッジに来てください」って、インターホンの声はまるでエドワードを奪うように聞こえた。
「クソッ!エリナ、待ってろ!すぐ戻る!」って、エドワードは言って、急いで服を着て、キャビンから出て行ったんだ。
ブリッジに着くと、ウィンチェルはエドワードをしばらく見てから言った。「閣下の春のひとときを邪魔してすみません。あ。」
エドワードもびっくりして、「どうして分かったんだ?」って慌てて聞いた。
ウィンチェルはハンカチを渡して、エドワードの顔を指差して言った。「自由連邦第三艦隊司令官、ウォルター・ボンバがあなたを探していますから、まず口紅を拭いた方がいいですよ。」
ルシェルのアーチ型のブリッジで、エドワードはインターホンを通してジェネラル・ウォルター・ボンバと話していた。
目の前の将軍は、バー将軍とは全然違うタイプで、バー将軍はまるで狼のように狡猾で冷酷だったけど、目の前の将軍は、重い剣で斬りつけるような冷たさを放っていたんだ。
「ウォルター将軍、実は、俺は引退することにしました」って、エドワードが言った。
「エドワード、ドーサは自由連邦に組み込まれたんだから、君は自由連邦の市民だ。連邦のため、連邦市民のために力を尽くしてくれと、もう一度頼むよ」
ウォルター将軍は、エドワードが軍務から引退して、簡単に農業に戻ることをあまり良く思ってないみたいだった。
「ドーサに帰って、艦隊のことを引き継いでから、引退します」って、エドワードは多くを説明したくなかったんだ。今、エリナとの約束を果たすことで頭がいっぱいだったから。
「若い君、帝国はもう限界なんだ。彼らの技術は停滞し、将軍たちは弱くて無能で、兵士たちは死ぬのを恐れている。こんな混乱の時に、何か成し遂げようとは思わないのか?」って、ウォルター将軍は、エドワードがこんな時に引退するのはすごく惜しいと思って、エドワードは自分の才能を埋もらせようとしてるんだと考えてたんだ。
「今日、ずっと考えてたんだけど、アンドレ星砦を突破できないなら、エソードを星砦に変えても、それに勝てないんだよ。アンドレを倒せないなら、俺たちの星野はいつまでも帝国に邪魔されることになる。一体、何のために話をしてるんだ?」
エドワードは、将軍が壮大な構想を語り始めたのを見て、少し呆れた感じで、問題の核心を突いたんだ。
「だからこそ、エドワード、連邦は君のような司令官を必要としてるんだ。俺たちはみんな心を一つにして団結すれば、アンドレ星砦を突破できると信じてるよ」って、ウォルター将軍は興奮して言った。
「無理なものは無理なんだって。自分の後頭部を噛めないのと同じだよ」って、エドワードは眉を揉み、我慢できなくなって反論しそうになった。
ウォルター将軍が言いかける言葉を遮って、先に言ったんだ。「もし、エソードを星砦に変えたとしても、星橋からのエソードの位置的に、アンドレ星砦と同じ結果は出せないんだよ。アンドレ星砦は、瓶のキャップみたいなものなんだ!他のものを瓶から締め出すだけじゃなく、ワインが瓶から流れ出るのも止めるんだ!アンドレ星砦があるからこそ、帝国は安定して星橋から戦艦を送り込めるんだ。それに比べてエソードは、星橋からは、完全に有効射程の外側なんだ!」
「だからこそ、エソードを使ってアンドレを攻撃すべきなんだ!」って、ウォルター将軍は言った。
「エソードを奪って、何をするんだ?メテオ級ノヴァ砲撃に対抗する星砦を建てるのか?俺たちは完全に罠にはめられてるんだ!帝国は俺たちにその可能性を見せて、消耗戦に引きずり込もうとしてるんだよ!」って、エドワードは将軍に遠慮することなく、ズバッと本音を言った。「何が起こるか教えてやるよ!連邦艦隊がエソードの星野に足を踏み入れたら、帝国の戦艦が星橋のこの側に大勢現れるんだ。その時点で、お前らが行けば、貴重な建設時間のために艦隊を犠牲にしないといけない。戻れば、彼らの艦隊はエソードを焦土にする。何度か往復したら、俺たちの経済は終わりだ!」
ウォルター将軍は呆然として、何か言いたそうに口を歪めた。
エドワードは鬼気迫る勢いで続けた。「そうなったら、俺たちの国民は飢えて、高価格に苦しむことになるんだ。そうなったら、病院の薬棚には何もなくて、俺たちの年寄りや病人を治療する人はいなくなるんだ!そうなったら、子供たちは誕生日にケーキが欲しいって泣き叫ぶけど、お前らは何もしてやれないんだ!」
ブリッジにいた将校や兵士たちは、信じられないって顔でお互いを見てた。みんなドーサ星抵抗軍出身で、エドワードの鬼気迫る言葉は彼らの心に響いて、立ち上がってエドワードを見ていたんだ。
ウォルター将軍は顔を赤くして、怒りそうになったけど、突然笑い出して落ち着いて言った。「お前は自分を納得させようとしてるみたいだな。」
エドワードは固まって、そのせいで視線が横に滑って、首を振って言った。「残念ながら、俺には何もできないんだ。」
「じゃあ、誰かならできるってこと?」って、エリナの声が後ろから聞こえた。