CHAPTER 11
お母さんのパレスに入ると、侍女たちがみんな下がった。そこに立って、お母さんの姿を見てた。お母さんはすごくホッとしてるみたいで、嬉しそうでもあり、悲しそうでもあった。席から立ち上がって、言葉にしようとするんだけど、うまくいかなくて、頬を涙がツーって流れてるのが見えた。
「生きてたのね! あたしの可愛い子、まさかあなたが…」
って言って、僕の目の前に来て、頬に触ってきたんだ。
一つの疑問が解決した。お母さんは僕が生きてるって知らなくて、本当に死んだと思ってたんだね。お母さんの手に触ってみたら、僕も涙が出てきちゃった。
「生きてるよ、元気だよ、お母さん」
って伝えた。
お母さんは床に崩れ落ちて、泣き始めた。僕も真似して、ぎゅーって抱きしめて、二人で泣いた。
「あたしを置いていかないでくれて嬉しい。ずっとあなたを悲しんでたんだから。生きてたなんて信じられない。何があったの?」
って言うから、僕はあの時のことを全部話してあげた。お母さんの頬を涙が流れ続けるのを見ながら。
「今は大丈夫だよ、聖女様が助けてくれて、新しい人生をくれたんだ」
って言った。
「あの人は良い人ね。あなたにも、あたしにしてくれたことと同じことをしてくれたんだわ。あの方がいなかったら、あたしはここにいなかった。感謝しないと」
ってお母さんが言った。
「きっと喜ぶと思うよ」
「それで、ここにずっといるの?」
「真実を明らかにするために来たんだ、全部明らかにするよ」
って伝えた。
「それなら嬉しいわ。大丈夫なの?」
「もうすごく強くなったから、心配しないで」
って言った。
「あなたのお兄ちゃん、妹たちにも会わせてあげたいんだけど、まずはパパに会わないとね」
ってお母さんが言うから
「分かった、まずは聖女様を待たないと」
って言った。
その時、お母さんの筆頭侍女が入ってきた。
「奥様、若君様には、竜のパレスに行って、皇帝陛下にお目通りするようにという使いが参りました」
って言った。
Xavierは彼女を見て、それからお母さんを見た。
「全部片付いたら、また来るよ」
って言って、お母さんのパレスを出た。そして、お父さんのいる竜のパレスに案内されたんだ。
着くと、皇帝陛下の前でお辞儀をして、聖女様にも敬意を表した。
「こっちに来い」
ってお父さんが言って、聖女様を見た。聖女様は頷いた。
許可を得て、Xavierは十年も会っていなかったお父様の元へ歩いて行った。止まって、お父さんを見た。
「もっと近くに来い」
ってお父さんが言うから、また前に進んだ。
目の前で止まると、おじいちゃんは立ち上がって、僕に手を伸ばした。お父さんは冷酷な人で、氷のように冷たい人だったのに、涙を流してるのが見えたんだ。
「生きてたのか!」
って言って、ぎゅーって抱きしめてくれた。
子供の頃から、お父さんに抱きしめられたことなんてなかった。いつもそばにいたわけじゃないけど、僕のことを愛してくれてるってのは分かってたんだ。こんな風に愛情をかけてもらえて、すごく感動して、嬉しかった。
「ごめんなさい、がっかりさせて、お父様」
って泣きながら言った。
「そんなこと二度と言うな。お前は悲劇を乗り越えたんだ。本当にすごいことだ。お前のことを誇りに思っているよ」
ってお父さんが言った。
「また会えて嬉しいよ」
って伝えた。
「座りなさい」
ってお父さんが言うから、階段を下りて、聖女様の向かいに座った。
「聖女様から全部聞いた。すべてが明らかになったことだし、私は彼女の計画に従い、あのずる賢い奴らを一掃しようと思う」
って皇帝陛下が言った。
「ありがとうございます」
って言った。
「役人たちと会議を開いて、お前が生きてて元気だってことを伝える。だけど、いくつか確認することがあるから、全部片付くまで宿に滞在してもらうことになる」
って皇帝陛下が説明した。
「あの時、僕を殺そうとした奴らをまた現れさせるつもりですか?」
「そうだ。ずっと前のことだってことを責めるより、現行犯で捕まえる方がいいだろう」
なるほど、確かに。あの時の暗殺未遂の証拠はないかもしれないけど、もう一度やろうとしたらチャンスがあるってことだ。
「陛下の計画に従って、奴らを捕まえて、正義を見せたいと思います」
Xavierは言った。
「勅令を書いて、すべて終わったら正式にパレスに呼ぶことにする」
ってお父さんが言って、ワインを飲んでる聖女様を見た。まるでそこにいないかのように振る舞ってる。
「承知しました」
って返事した。
「私は用事があるから、お元気で」
って聖女様が言って立ち上がった。もう行く時間だって分かった。
「失礼します、お父様」
って言って、聖女様の後をついてパレスを出た。
聖女様は何も言わなかった。何が起きているのか分からなかった。前みたいに元気がない顔だった。