CHAPTER 45
夜通しバイク飛ばして、夕方ウィローシティに着いたんだ。着いたらさ、街中がめっちゃキラキラしてて。
「何が起きてんの?」
って、そこにいたオネエさんに聞いてみた。
「聖女様が明日結婚することになったの。蓮の御殿から街のみんなにプレゼントが配られてて、お祝いムードだよ」
だってさ。
「あー、サンキュー」
って言って、街から出て山の方に向かった。結婚を止めたいなら、なんであんなことして俺を追い払ったんだよ?一体何考えてんだ?
ま、答えが何でもいいんだけど。だって、ヴァレリーが俺と結婚したがってるのは、マジで分かってるから。それが一番大事なんだよな。
入口に着いたら、衛兵たちがめっちゃウェルカムしてくれて、すんなり通してくれた。で、ヴァレリーが住んでる黄金の間に急いだんだ。
あいつはいないけど、結婚式のドレスが飾ってあった。めちゃくちゃキレイだった。ドレスはまだ完成してない時に見たっきりだったからさ。後ろには、自由気ままなフェニックスが描かれてて。
あいつにも、あんな風に自由で、心配事とかない人生を送ってほしいんだよな。で、ヴァレリーのドレスと一緒に、俺の衣装も飾ってあって、後ろには、めっちゃカッコイイ龍が描かれてた。フェニックスと龍って、いつも最高の組み合わせなんだよ。
部屋を出ようとしたら、ノラが笑顔で入ってきたんだ。
「戻ってきてくれてよかった」
って。
「俺もそう思うよ。あいつは?」
って聞いたら、
「一番好きな場所にいるよ。行けば分かる」
って、意味深なこと言って部屋から出てっちゃった。
ノラは、俺に自分でヴァレリーを見つけろって言いたかったんだろ。だから、御殿を出て、俺が一番最初に思いついた場所に行った。
着いたら、ヴァレリーがそこに立ってて、黄金の蓮を見てた。
俺の方を向いたけど、全然笑ってなくて、近づくべきか悩んだんだけど、男だし一歩踏み出した。そしたら、顔が柔らかくなって、笑ってくれたんだ。
その笑顔を見たら、嬉しくて、駆け寄って抱きしめた。そしたら、くすくす笑い出して、抱っこしたままだったから足が地面につかない状態。
あんな笑い声、今まで聞いたことなかったから、すっごいキレイだった。
地面に下ろして、ヴァレリーの目をじっと見つめた。俺がいなくなった時にスパイだってバレたやつらのことなんて、どうでもよかった。誰であれ、自業自得だろ。主君を裏切ったら、罰が下るのは当たり前。
「前会った時より、もっとキレイになったな」
って言って、ヴァレリーの唇に指をちょんってした。
「あなたもカッコよくなったわね。家族とのことは解決したの?」
って聞かれた。
「ああ、サンキュー。お陰で、こんなチャンスをくれて」
って答えた。
「うまくいってよかったわ。それで、もう戻ってきたってことでいいのよね?」
「そうだよ。ってか、俺が戻ってくるって分かってた?」
「ええ、だってあなたは私のものだし、絶対離れないって約束したじゃない。もし、今夜まで帰ってこなかったら、私が迎えに行こうと思ってたのよ」
って言って笑った。
「じゃあ、もう少し待ってればよかったかもな」
って冗談で言ったら、
「ダメ」
って言って、ヴァレリーはキスで俺を黙らせた。
あれは、ずっとやりたかったんだよな。それが今、現実になってるなんて信じられない。明日になれば、世界中の人が、ヴァレリーが俺の妻で、俺がヴァレリーのものだって知ることになる。もう、ヴァレリーには辛い思いをさせない。一生、幸せにするんだ。
ヴァレリーの目を開けたら、すっごいことが起きてた。全身がキラキラ光ってて、俺はキスを中断して、ヴァレリーを見たんだ。何が起きてるのか分かって、ヴァレリーはくるくる回り始めた。
周りは全部、金色になってた。ヴァレリーは幸せそうで、魔法も発動してる。俺が着いた時には閉じてた黄金の蓮が、咲いてるんだ。
こんなこと、誰かに言ったら、バカにされるだろうな。ヴァレリーを抱っこして、持ち上げた。ヴァレリーは笑い続けてた。
ヴァレリーがキラキラ光ってて、黄金の蓮が勝手に咲いてるのを見て、黄金の蓮の伝説は終わるどころか、ずっと続いていくんだって分かったんだ。
エピローグ
20年後
カーラは、自分の娘が、ノラ、つまり最初からずっと側にいる女性が話す物語に、めっちゃ集中してるのを見てた。
5年間、母親に鍛えられた後、カーラはノラ、旦那さんのダレン、あと、次の蓮の御殿の女主人になるために、ちゃんと訓練してくれる先生たちに任されたんだ。
まさか、こんな高い地位に座ることになるとは思ってなかったけど、養母のお陰で、今は女主人だもんね。旦那さんは、ハイプリーストで、これも母親が御殿をスムーズに運営するために作った役職。
旦那さんのこと大好きだし、意見を共有できる人がいるのは嬉しい。母親は、グランドプリンスである旦那さんと一緒に、人里離れた場所に行った。二人の愛は、庶民の間で何度も語られてる。
みんな、自分たちの理想の愛が、あの二人のようになることを願ってて、カーラもそれを尊敬してる。ただ、自分の愛と、娘の愛が、嵐を乗り越えて、母親と父親みたいに強くなってくれればいいと思ってるんだ。
****
ヴァレリーは、毛布に潜り込んで、恋人であり旦那さんの隣で眠った。結婚して20年経ってるけど、二人ともまだ20代に見える。
旦那さんが望んだ通りの人生を送れて、ヴァレリーは幸せだった。世の中のゴタゴタからは離れて、誰にも邪魔されずに、自由に生きてる。
谷間に家を建てたんだけど、そこには誰も来ないような場所だった。世界の他の人たちからは、そこは死の谷と呼ばれてる。入ったら二度と戻れない場所だけど、ヴァレリーは特別に生まれて、旦那さんもその特別なヴァレリーに惹かれて同じようになったから、誰にも邪魔されずに、そこで自由に生きていけるんだ。
必要なものは全部あるけど、何よりも、二人はお互いを持っている。ヴァレリーは、周りの人を幸せにすることができて、それがすごく誇らしかった。娘のカーラもちゃんと育てて、御殿を任せられるようにしたし、ヴァレリーは旦那さんと一緒にゆっくり時間を過ごしてる。
孫もいて、母親のワンダの名前をつけたんだ。ノラは、愛する人と結婚して、二人で山に残った。色んな良いこともあったし、悲しいこともあった。
皇帝が亡くなって、息子の皇太子が跡を継いだ。ザビエルの母親は、皇太后になり、国で一番権力のある女になった。
相変わらず、自分のやり方は変えなかったけど、少なくとも、最後に会ってからは、ヴァレリーのことには干渉してこなかった。旦那さんは、ヴァレリーと結婚したことで呪いを受けてしまった。前は黄金の蓮と繋がってたから、今はヴァレリーと同じ状態なんだ。
でも、ヴァレリーは幸せを手に入れた。呪われた人生を一緒に送る男を得たんだ。二人は一緒に生きて、一緒に死ぬことになる。
ザビエルは、ヴァレリーのことを見てた。何か真剣に考えてるみたいだけど、それほど悪くない。ザビエルは近づいて、ヴァレリーの唇に優しくキスした。ヴァレリーは目を閉じて、ザビエルは続けた。ヴァレリーとイチャイチャするのが本当に好きだったんだ。
結婚して20年経っても、ザビエルはまだティーンエイジャーみたいな気分だし、ヴァレリーへの愛は日増しに強くなってる。ザビエルはヴァレリーを抱きしめて、キスを深くした。ヴァレリーもキスを返してくれて、ザビエルは笑った。奥さんは、ザビエルの望んでることを知ってて、ザビエルも分かってる。
今、ヴァレリーが何を望んでるのか、ザビエルは知ってたし、それを与えようとしてる。いつ、どこで必要としても、ザビエルは与えるつもりだ。だって、ザビエルはヴァレリーに命を救われただけじゃなくて、深い幸せと、それ以上のものを得たんだから。
何十年も前に約束したように、ザビエルはこれからもヴァレリーを愛し続け、守り続け、そして何よりも、ヴァレリーの人生とザビエルの人生に影響を与えた黄金の蓮の伝説を、ずっと続けていくんだ。
あの呪いがあったからこそ、ザビエルはこんなに素晴らしい、大好きな女性、ヴァレリーに出会えたんだ。ヴァレリーはザビエルのもの、聖女、女主人、奥さん、そして何よりも、黄金の蓮なんだ。
まるで、ザビエルの考えてることを聞いてるみたいに、ヴァレリーはすごく幸せな時にするように、キラキラ光り始めた。ザビエルはキスを中断して、ヴァレリーの目をじっと見つめて、囁いた。
「愛してる」
ヴァレリーもザビエルを見て、囁いた。
「私も愛してる」
それから、またすごく情熱的なキスをした。
おしまい。
バイパーの伝説
プロローグ
21歳の誕生日のお祝いの仕方はたくさんあるけど、まさかこんな風になるとは思ってなかった。黒くてキレイで豪華なドレスを着て、背中には巨大で凶暴なバイパーが描かれてて、自信満々にゆっくりと、通路を歩いて王座に向かった。
ホールは、自分のフォロワーたちでいっぱいだった。みんな、それぞれの色の服を着てた。後ろには、オラクルがついてきてる。聞こえるのは、ドラムの音だけ。ついに到着して、そこに立った。
オラクルの中で二人のリーダーが前に出てきて、みんなは昔の本から見て読んだ詩を唱え始めた。なんでこんなに手間をかけなきゃいけないのか、ヴァイパーはよく分からなかった。
全部で1時間くらいかかって、もっと大事なものが手渡された。箱を手渡されたんだけど、聞くところによると、5世紀も閉ざされてたらしい。箱を開けたら、そこに美しさがあった。
たくさんの貴重な宝石。裕福な家庭に生まれたけど、これはすごすぎる。このために殺し合う人もいるだろうな。女司祭の一人が、バイパーの形をした髪飾り、バイパーのペンダントがついた金のチェーン、ブレスレット、アンクレット、そして最後に指輪をヴァイパーにつけてくれた。
過去6ヶ月で教わったことによると、ヴァイパーがつけてるものは全部、すごく強力なんだ。何でも武器として使えるけど、それには代償が伴う。ヴァイパーはもう代償を払ってて、今も払い続けてるんだ。
みんなは歓声を上げて、感謝を示して、ヴァイパーは二つのバイパーが彫られたアームレストのある高い椅子に座った。でも、儀式はまだ終わってない。どれくらいかかるんだろう。パーティーにも行かなきゃいけないのに。
もし行かなかったら、すっごい問題になるだろう。今は全能かもしれないけど、お父さんがすごく怖いんだ。
「バイパー、儀式は終わりました。子供たちに何か言いたいことはありますか?」
と、リーダーの女司祭は尋ねた。
バイパーは立ち上がり、自分の子供たちを見た。まさか、こんなにたくさんの子供たちに囲まれて、目が覚めるなんて思ってもなかった。みんなを覚えるのは、すごく難しいだろうな。
「私は、この世界にはまだ慣れてないけど、みんなが家族の一員でいることを感謝してるってことを知ってほしい。私が来る前から、みんなが忠実だったように、これからもそうであってほしい。
私はまだ若いし、みんながそうじゃないかもしれないけど、私たちはみんな、選ぶことはできない。だから、次にお話したいのは、絶対に私を裏切ったり、私の家族を傷つけたりしないでほしいってこと。
だって、一つだけ言えることがあるから。私はすごく復讐心のある人間だけど、優しくて思いやりのある人間にもなれるってこと。
もう遅いから、今夜はみんな自分の家族のところに帰って、一緒に過ごしてほしい。明日から、本格的に始めるから」
って言って、階段を下りて通路に向かった。
早くここから出たかったんだ。これはすごくワクワクするんだけど、ヴァイパーはすごく疲れてた。特に、今まで経験したことの後は。
「バイパー、次はどこに行きたいですか?」
と、リーダーの司祭は尋ねた。
「ジョン、私は家に帰るよ。みんなもそうして」
って言って、笑った。
これから、何が待ってるんだろう?ヴァイパーは知らなかったし、全然気にしなかった。