CHAPTER 21
ヴァレリーの顔があの日変わった瞬間、なんか変だって絶対思ったんだよね。ヴァレリーはマジでヤバい時じゃないと、あの蓮に近づけさせないんだから。なんであんなことしたのか、本当の理由は聞くの怖かったけど、俺の考えてること全部お見通しだったみたい。
「あんた、死にかけてたから、止めなきゃいけなかったの」ってヴァレリーが言った。
「それって、どういう意味?」って、俺は彼女の背中を揉むのをやめて聞いた。
「あの晩、あんたを宿から連れ出した時、あんたは蓮の魔法の影響を受けてたの。気づいたのは、あんたが戻ってきてから。あんたを安定させないと、魔法に慣れさせないと、あんたを失うことになったから。そんなの耐えられないわ」って、ヴァレリーは告白した。俺は感動しちゃった。
ヴァレリーは、全然口に出さないけど、俺のことめっちゃ大事にしてくれてるんだよね。言葉で伝えるのは得意じゃないけど、少なくとも俺は、自分のやり方でヴァレリーのこと全部理解できるから。後ろから抱きしめて、頭を撫でた。
「絶対離れないって約束したし、本気だよ。いつも命を救ってくれて、ありがとう」って俺は言った。
「どういたしまして。薬、飲んだ?」ってヴァレリーが聞いてきたから、笑っちゃった。
「ちゃんと全部飲んだよ、心配しないで。ノラが全部なくなるまで、ずっといたんだから」って俺は答えた。
「よかった。飲んでないと、いつ花火みたいに爆発するかわかんないからね」ってヴァレリーが言うから、俺はむせた。マジかよ、からかってるだけ?
「そんなわけないだろ!」
「じゃあ、飲んでみない?花火になったら、もう二度とあんたを連れ戻せないかもしれないわ。魂見つけて、一番暗いところに閉じ込めるから」ってヴァレリーが脅してきたから、俺は笑った。
あ、からかってるだけなんだってわかった。薬を飲ませて、真面目に生きろって言ってるんだよね。そういうとこ、尊敬する。
「ちゃんと時間通りに薬飲むし、ヴァレリーの言うこと聞くよ。何でもする」って約束した。
「じゃあ、私がメイドたちを追い払ったから、まず私の背中を流すことから始めようか?」
「俺がやるの?だって俺、男だし」
「じゃあ、メイドたちを呼んできて。あんたは休んでなさい。命令よ」ってヴァレリーが言うから、俺は笑った。
「終わったら、待ってるよ」って言って、立ち上がった。
ヴァレリーをもう一度見て、笑った。俺はバスルームを出て、メイドたちに中に入って、やってたことを最後までやれって指示した。
別にヴァレリーの背中を流すのが嫌なわけじゃないけど、ヴァレリーの純粋さを守りたかったし、恥ずかしい思いはさせたくなかった。狡い男になるつもりはないけど、最初にプロポーズして、結婚して、それからヴァレリーを自分のものにするつもりだ。ヴァレリーはもっといい待遇を受けるべきだし、俺はそうしてあげたい。
自分の部屋に戻って、メイドたちに風呂の準備をさせた。ゆっくりと体を洗った。何日か風呂に入ってなかったんだよね。終わったら、新しい着物に着替えて、ヴァレリーに会いに行く準備をした。部屋を出ようとしたとき、お母さんとお父さんに手紙を書こうって決めた。
座って、紙と墨と筆を取った。俺の専属メイドが墨をすってる間に、ヴァレリーにプロポーズして結婚したいって手紙を丁寧に書いた。反対するかもしれないけど、ヴァレリーなしで人生を送るつもりはない。祝福してほしいし、自由にさせてほしいってお願いした。
手紙に封をして、自分の印を押した。伝令を呼んで、手紙を直接渡した。
「必ず皇帝か、皇帝の側近に直接渡してくれ。誰にも見せるな」って俺は言った。
「かしこまりました」って伝令が言って、部屋を出て行った。
準備することがたくさんあるけど、特に一人、すっごい助けになる人がいる。部屋を出て、探しに行った。
メイドたちが着替えを手伝ってる間、ヴァレリーは笑顔が止まらなかった。俺がヴァレリーを軽蔑するようなことはしないってわかってるってことは、本当に尊敬されてるってことで、すごく嬉しかった。
両親が結婚する前に持ってた、そしてその後もずっと持ってた、あんな愛をヴァレリーも欲しかった。ヴァレリーみたいな人が、自分の幸せを追求しても、そんなに悪いこと?
ネイルアーマーをつけて、首都でザビエルが買ってくれたネックレスをつけ、髪にヘアピンをいくつかつけた。
「奥様、とても素敵です」ってノラが入ってきた。
「ありがとう。どこ行ってたの?」ってヴァレリーが聞いた。
「台所に行ってました。終わったなら、庭のあずまやに行きませんか?」ってノラが言うから、ヴァレリーはノラを見た。ノラ、また何か企んでる?
「天気がいいし、夕日が見れるわ。行きましょう」って、ヴァレリーは状況をちゃんと知りたくて、承諾した。ノラが何か隠してる。
輿に乗って、ノラが提案したあずまやに行った。輿から降りて、あずまやに入り、クッションのある快適な椅子に座った。テーブルには準備がしてあって、石炭ストーブの上ではお茶が湯気を立ててる。
美味しそうな軽食があった。どんな機会なんだろう?ビスケットを手に取って、かじった。柔らかくて、すごくもちもちしてる。焼くのに使われた新鮮な材料の味がする。
ノラが、花から採れた朝露で作ったお茶をカップに注いで、ヴァレリーに渡した。ヴァレリーは香りを吸い込んでから、一口飲んだ。何かおかしいって感じた。
夕日を眺めながら座っていると、近くで琴の音が聞こえた。ヴァレリーは周りを見回して、演奏者を見た。ヴァレリーは笑って、みんなが何をしてたのかわかった。ヴァレリーが素敵なロマンチックな夜を過ごせるように、全部準備してくれたんだ。
ザビエルが、一年前にプレゼントした緑色の翡翠の七弦琴を弾いていた。ザビエルはヴァレリーの大好きな曲を演奏していた。お母さんがよく弾いてて、ヴァレリーに教えてくれた曲だ。