EPILOGUE
ニ十 (にじゅう) 年 (ねん) 後 (ご)
カラ (ガラ) は、話 (はなし) に夢中 (むちゅう) になっている 娘 (むすめ) の 方 (ほう) を 見 (み) た。その話 (はなし) をしているのは、最初 (さいしょ) からずっと彼女 (かのじょ) のそばにいた 左 (ひだり) の 守護者 (しゅごしゃ) ノラ (ノラ) だ。
お母さん (かあさん) が 五 (ご) 年間 (ねんかん) 彼女 (かのじょ) を 訓練 (くんれん) し、そのあと ノラ (ノラ) と 夫 (おっと) の ダレン (ダレン) 、そして 次 (つぎ) の Lotus (ロータス) 宮殿 (きゅうでん) の 女主人 (じょしゅじん) になるためにしっかり 訓練 (くんれん) させるために 雇 (やと) われた 他 (ほか) の 先生 (せんせい) たちに 彼女 (かのじょ) を 任 (まか) せた。
こんなに 高 (たか) い 地位 (ちい) に 座 (すわ) ることになるなんて、 最初 (さいしょ) は 思 (おも) ってなかったけど、 養母 (ようぼ) のおかげで 今 (いま) は 女主人 (じょしゅじん) なんだ。 彼女 (かのじょ) は 高 (たか) い 司祭 (しさい) と 結婚 (けっこん) した。これも、お母さん (かあさん) が 宮殿 (きゅうでん) が スムーズに 運営 (うんえい) できるように 開 (ひら) いた ポジションだったんだ。
彼女 (かのじょ) は 夫 (おっと) を 愛 (あい) していて、 自分 (じぶん) と 同 (おな) じ 意見 (いけん) を 持 (も) っている 人 (ひと) がいることに 喜 (よろこ) んでいた。 彼女 (かのじょ) のお母さん (かあさん) は、夫 (おっと) の 偉大 (いだい) な 王子 (おうじ) と 一緒 (いっしょ) に、 隠遁 (いんとん) した 場所 (ばしょ) に 行 (い) った。 二人 (ふたり) の 愛 (あい) は、 平民 (へいみん) の 間 (あいだ) で 何度 (なんど) も 語 (かた) られている。
みんな 自分 (じぶん) の 理想 (りそう) の 愛 (あい) が 二人 (ふたり) の ようであってほしいと 願 (ねが) っていて、 彼女 (かのじょ) も それを 尊敬 (そんけい) していた。 彼女 (かのじょ) は、 自分 (じぶん) の 愛 (あい) と 娘 (むすめ) の 愛 (あい) が、嵐 (あらし) を 乗り越 (こ) えて、お母さん (かあさん) とお父さん (とうさん) のように 強 (つよ) くなることを 願 (ねが) っていた。
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ヴァレリー (ヴァレリー) は、毛布 (もうふ) の 中 (なか) に 入 (はい) って、恋人 (こいびと) で 夫 (おっと) の 隣 (となり) で 眠 (ねむ) った。 結婚 (けっこん) して 二十 (にじゅう) 年 (ねん) が 経 (た) っているのに、 二人 (ふたり) はまだ 二十 (はたち) 代 (だい) に 見 (み) えるんだ。
彼女 (かじょ) は、夫 (おっと) が 二人 (ふたり) のために 願 (ねが) っていた 人生 (じんせい) を 送 (おく) ることができて 嬉 (うれ) しかった。 二人 (ふたり) は、いかなる 武力 (ぶりょく) 的 (てき) な 世界 (せかい) の 問題 (もんだい) からも 遠 (とお) ざかっていた。 誰 (だれ) の 邪魔 (じゃま) も 受 (う) けずに、自由 (じゆう) に 人生 (じんせい) を 楽 (たの) しんでいた。
二人 (ふたり) は 谷 (たに) に 家 (いえ) を 建 (た) てた。そこは、 誰 (だれ) も 来 (こ) ようとしないような 場所 (ばしょ) だった。 世界 (せかい) の 他 (ほか) の 人 (ひと) たちからは、 死 (し) の 谷 (たに) と 呼 (よ) ばれていた。 そこに 一度 (いちど) 入 (はい) ったら、二度 (にど) と 出 (で) てくることはできないような 場所 (ばしょ) だったけど、 彼女 (かのじょ) は 特別 (とくべつ) な 生 (う) まれ で、 夫 (おっと) は 彼女 (かのじょ) の 特別 (とくべつ) さに 引 (ひ) かれて彼女 (かのじょ) と 同 (おな) じ ようになったから、 誰 (だれ) の 邪魔 (じゃま) も 受 (う) けずに そこ で 自由 (じゆう) に 暮 (く) らすことができたんだ。
二人 (ふたり) には 必要 (ひつよう) なもの 全 (すべ) てがあったけど、 何 (なに) よりも 大切 (たいせつ) なのはお互 (たが) いのことだった。 彼女 (かのじょ) は、 人生 (じんせい) の 中 (なか) で 他 (ほか) の 人 (ひと) を 幸 (しあわ) せにすることができ、 それは 彼女 (かのじょ) にとって 素晴 (すば) らしい 成 (な) し遂 (と) げた ことだった。 彼女 (かのじょ) は 娘 (むすめ) の カラ (ガラ) を 宮殿 (きゅうでん) を 管理 (かんり) できるくらいに 立派 (りっぱ) に 育 (そだ) て、自分 (じぶん) は 夫 (おっと) と の 時間 (じかん) を 楽 (たの) しむことができたんだ。
彼女 (かのじょ) には、お母さん (かあさん) の ワンダ (ワンダ) の 名前 (なまえ) をつけられた 孫娘 (まごむすめ) までいた。 ノラ (ノラ) は 愛 (あい) する 人 (ひと) と 結婚 (けっこん) し、 二人 (ふたり) とも 山 (やま) に 残 (のこ) った。 いくつかの 悲 (かな) しい こと もあったけど、 たくさん の 嬉 (うれ) しい こと があったんだ。
皇帝 (こうてい) が 死 (し) んで、 皇太子 (こうたいし) の 息子 (むすこ) が 後 (あと) を 継 (つ) いだ。 ザビエル (ザビエル) の お母さん (かあさん) は、 帝国 (ていこく) の 太皇太后 (たいこうたいごう) になり、 国 (くに) で 最 (もっと) も 強力 (きょうりょく) な 女性 (じょせい) となった。
彼女 (かのじょ) は 自分 (じぶん) の やり方 (かた) を 変 (か) えることはなかったけど、 少なくとも、 最後 (さいご) の 出会 (であ) い の 後 (あと) は、彼女 (かのじょ) を 悩 (なや) ませる こと はなかった。 彼女 (かのじょ) の 夫 (おっと) は、彼女 (かのじょ) と 結婚 (けっこん) すること で、 彼女 (かのじょ) の 呪 (のろ) い を 引 (ひ) きつけ た。 最後 (さいご) に 黄金 (おうごん) の Lotus (ロータス) と 繋 (つな) がっていたから、 今 (いま) の 彼 (かれ) は 彼女 (かのじょ) と 同 (おな) じ ようになった。
彼女 (かのじょ) は 結局 (けっきょく) 自分 (じぶん) の 幸 (しあわ) せ を 手 (て) に 入 (い) れた。 彼女 (かのじょ) は、 呪 (のろ) われた 人生 (じんせい) の 残 (のこ) りの 間 (あいだ) 、彼女 (かのじょ) と 共 (とも) に 生 (い) きる 男性 (だんせい) を 与 (あた) えられたんだ。 二人 (ふたり) は 一緒 (いっしょ) に 生 (い) き、 一緒 (いっしょ) に 死 (し) ぬだろう。
ザビエル (ザビエル) は、 彼女 (かのじょ) が すごく 考 (かんが) え 込 (こ) んでいる よう な 妻 (つま) を 見 (み) て、 まぁ 、それ ほど 悪 (わる) い こと でも ないか な って 思 (おも) った。 彼 (かれ) は 近 (ちか) く に 寄 (よ) って、 彼女 (かのじょ) の 唇 (くちびる) に 優 (やさ) しく キス (きす) した。 彼女 (かのじょ) は 目 (め) を 閉 (と) じ、 彼 (かれ) は 続 (つづ) けた。 彼 (かれ) は 彼女 (かのじょ) と 親密 (しんみつ) になるのが 大好 (だいす) き だったんだ。
結婚 (けっこん) して 二十 (にじゅう) 年 (ねん) が 経 (た) っても、 彼 (かれ) は まだ 十代 (じゅうだい) の 頃 (ころ) の よう な 気分 (きぶん) で、 ヴァレリー (ヴァレリー) へ の 愛 (あい) は 日 (ひ) ごと に 強 (つよ) くなっ ていった。 彼 (かれ) は 彼女 (かのじょ) に 腕 (うで) を 回 (まわ) し、 キス (きす) を 深 (ふか) めた。 彼女 (かのじょ) は 彼 (かれ) の キス (きす) に 答 (こた) え、 彼 (かれ) は 笑顔 (えがお) になった。 彼 (かれ) の 妻 (つま) は、 彼 (かれ) が 何 (なに) を 望 (のぞ) んでいる か 知 (し) っていたし、 彼 (かれ) も 同 (おな) じ だったんだ。
彼 (かれ) の 妻 (つま) が 今 (いま) 望 (のぞ) んでいる こと を、 彼 (かれ) は 知 (し) っていたし、 それ を 彼女 (かのじょ) に 与 (あた) えよう と していた。 彼女 (かのじょ) が それ を 必要 (ひつよう) と する 時 (とき) は いつ でも、 どこ で も、 彼 (かれ) は 彼女 (かのじょ) に 与 (あた) えよう と していた。 なぜなら、 彼 (かれ) は 彼女 (かのじょ) に 命 (いのち) を 借 (か) り て いる だけ で は なく、 深 (ふか) い 幸 (しあわ) せ と、 もっと たくさん の もの を 彼女 (かのじょ) と 共 (とも) に 見 (み) つけ た からだ。
何十 (なんじゅう) 年 (ねん) も 前 (まえ) に 約束 (やくそく) した よう に、 彼 (かれ) は 彼女 (かのじょ) を 愛 (あい) し 続 (つづ) け、 彼女 (かのじょ) を 守 (まも) り 続 (つづ) ける つもり だった。 そして 何 (なに) よりも、 彼女 (かのじょ) と 彼 (かれ) の 人生 (じんせい) に 影響 (えいきょう) を 与 (あた) えて きた 黄金 (おうごん) の Lotus (ロータス) の 伝説 (でんせつ) が 続 (つづ) く よう に する つもり だった。
彼 (かれ) は、あの 呪 (のろ) い に 感謝 (かんしゃ) していた。 なぜなら、 それ が なかっ たら、 今 (いま) 彼 (かれ) が 自分 (じぶん) の 妻 (つま) と 呼 (よ) んでいる よう な 素晴 (すば) らしい 美 (うつく) しい 女性 (じょせい) に 出会 (であ) う こと は なかっ た だろう からだ。 ヴァレリー (ヴァレリー) は 彼 (かれ) の 女性 (じょせい) で、 彼 (かれ) の 聖女 (せいじょ) で、 彼 (かれ) の 女主人 (じょしゅじん) で、 彼 (かれ) の 女性 (じょせい) で、 そして 何 (なに) よりも 彼 (かれ) の 黄金 (おうごん) の Lotus (ロータス) だったんだ。
まるで 彼女 (かのじょ) が 彼 (かれ) の 全 (すべ) て の 思 (おも) い を 聞 (き) いている か の よう に、 二人 (ふたり) が 愛 (あい) を 育 (はぐく) む 中 (なか) で、 彼女 (かのじょ) は いつ も 極度 (きょくど) に 幸 (しあわ) せ な とき に する よう に、 光 (ひかり) 始 (はじ) めた。 彼 (かれ) は キス (きす) を 止 (や) めて、 彼女 (かのじょ) の 目 (め) を 深 (ふか) く 見 (み) つめ、 小声 (こごえ) で 言 (い) った。「 愛 (あい) してる。」
彼女 (かのじょ) は 彼 (かれ) を 見 (み) て、 小声 (こごえ) で 返 (かえ) した。「 私 (わたし) も 愛 (あい) してるわ。」 そして、 彼 (かれ) の 唇 (くちびる) と もう一度 (いちど) 、 目 (め) が 眩 (くら) む ような キス (きす) を 繰 (く) り 返 (かえ) した。
終 (お) わ り。