CHAPTER 31
ダレンはミカにバイバイって言って、自分の部屋に戻ったんだ。着いたら、もう何人ものメイドが部屋に来ててさ。全部準備してくれてあって、あったかい感じだった。
「紙とインク、もらえる?」ってメイドの一人に聞いたら、すぐいなくなって、すぐ戻ってきてくれた。持ってきてくれたよ。
テーブルにセットして、メイドにインクをすってもらいながら、両親に心配しないでね、元気だよ、って手紙を書いたんだ。終わったら、また都に帰るよ、って。
封をして、次どうしようかなーって思ってたらさ。
「ノラ様呼んでくれる?」ってメイドの一人に頼んだ。
メイドが行って、ノラが来た。メイドたちは遠慮して、二人だけになった。
「なんで私を呼んだの?」ってノラが聞いてきた。
「両親に手紙を送りたいんだけど、ここに来たばっかりで、どうすればいいかわかんなくてさ」って俺が言ったんだ。
「私に渡しなさい。使いの者をすぐに行かせるから」ってノラが言った。
「ありがとう。ここにいるの、思ってたより長くなりそう」って言って、手紙を渡した。
「彼女を怒らせなければ、大丈夫よ」ってノラは手紙を受け取りながら言った。
「今夜、一緒にいられるかなって思って…」
「それは無理ね。小冊子を渡すから、全部読んで、従わなきゃ、ここにいられないわよ」ってノラは俺のこと見て言った。
「そうすれば、あなたと一緒にいられるなら、そうするよ」って本気で言ったんだ。
「いいわ。何か困ったことがあったら、メイドに言って。助けてくれるから」
「今日あったこと色々で忘れちゃったんだけどさ。あのプレゼント、奥様のとこに送ってくれる? 今日、もう顔合わせるのはちょっと…」って俺が言ったら、ノラが笑った。
「そのうち慣れるわよ。送っておくから、心配しないで。早く休んでね。明日は忙しいと思うわ」って言って、ノラは出て行こうとした。
ノラがメイドに、朝渡し忘れたプレゼントを運ぶように指示してるのを見てた。全部運び終わってから、ノラがいなくなって、また寂しくなっちゃった。
結婚式が終わるまでは、ここにいようって決めたんだ。その時間を使って、ノラのこと知って、怖い場所にも慣れようって思ってたんだ。
夕食の後、ノラが約束してた小冊子が届いた。細かいルールとか色々書いてあって、ノラが罰せられたのも納得、って感じだった。
ノラに近づきたいなら、この本をしっかり読んで、守らないと、俺の首が飛んじゃうかもしれない…ってことだ。
****
ノラは、ミストレスがダレンを山に留まらせることに成功したのを見て、ワクワクしてた。彼女のために、ダレンに彼女を恋しく思わせ、ここに居続けさせようって決めたんだ。自分勝手だってわかってるけど、初めて自分の思い通りに事が進んで欲しかった。
朝起きて、ミストレスのお風呂の準備をした。ミストレスはいつも早く起きるけど、今は違う。結婚式の準備をしなきゃいけないんだ。でも、ほとんどの準備は、若い領主がするんだろうけど。
そういうのは、私には関係ない。ミストレスの部屋に行ったら、まだ寝てた。カーテンを開けて、ミストレスが目を開けるのを見た。
「お風呂の準備ができましたわ」って言って、ベッドから出るのを手伝った。
ノラは、ミストレスが靴を履くのを手伝って、手を繋いで浴室に連れて行った。ミストレスのローブを脱がせて、お風呂に入ってもらった。メイドたちに、薔薇をもっとお湯に入れるように指示した。ミストレスは目を閉じた。
他のメイドが体を洗ってる間、ノラは髪を洗ってた。ノラは、みんなに洗われるのは嫌だったから、気をつけないと、ひどいことになる。
髪を乾かして、綺麗にまとめた。ミストレスがお風呂に入ってる間に、着る服を準備した。他のメイドが、ミストレスがお風呂から出るのを手伝った。
ミストレスは服を着て、終わると、他のメイドに連れられて広間に向かった。ノラは急いでキッチンに行って、朝食の準備を確認した。準備ができてたから、メイドたちに広間に持っていくように指示した。ミストレスが待ってた。
エビのお粥とケーキをミストレスに運んだ。メイドだから、ミストレスが終わるまで、側にいなきゃいけないんだ。ミストレスはあんまり食べない。少し食べたら、もう大丈夫なんだ。
朝食の後、ミストレスはみんなを下がらせた。ノラは、自分の仕事に取り掛かった。やることがたくさんあって、若い領主の結婚の準備を手伝わなきゃいけないんだ。
ダレンの様子を見に行こうって決めたんだ。朝どうしてるかなって。着いたら、ダレンはもう起きてて、朝食も済ませてた。
「来ると思ってなかった」ってダレンは言って、立ち上がった。
「ミストレスのお世話をしてたから、今は暇なの」ってノラが言った。
「それはよかった。ミカ、あ、ごめん、ザビエルと一緒に出かけるんだ。何か欲しいものある?」ってダレンが聞いて、ノラは笑った。
「何でも嬉しいわ」ってノラは答えた。
「なら、一番いいのを選ぶよ。ミストレスにプレゼント渡した?」
「忘れちゃった。ここで終わったら渡すわ」ってノラはダレンに言った。
その時、ザビエルが入ってきて、二人を見た。
「邪魔しちゃってごめん。そろそろ行かないと」ってザビエルはダレンを見て言った。
「準備はいいよ。行こう」ってダレンが言って、ノラを見た。「また後でね。良い一日を」
ノラは、二人が部屋を出るのを見てた。嬉しかった。ダレンは少しずつ馴染んでるみたいだし、友達もいるから良かった。こんな場所じゃ、一人じゃ辛いからね。いつか、物凄く寂しくなって、逃げ出したくなるかもしれないけど、そんなチャンスはないんだ。
山に入ったら、出るのは難しいんだ。死ぬ方が、ずっと簡単かもしれない。まるで魔法にかかったみたいだけど、私には関係ない。私はこの山にいるのが運命なんだ。ここが私の家なんだから。
ミストレスは、愛する人と一緒になることで、あの災難を乗り越えた。私もそうなるように願ってる。家族とダレンと一緒にいることが、今の私に必要な全て。静かな願いが叶いますようにって、どんなことがあっても。
部屋をもう一度見回して、出て行った。今日は忙しい日だし、結婚式の準備も始めなきゃいけない。山にとって、盛大で幸せな日になるだろう。
20年前にあった聖女の葬儀以来、こんなに盛大なイベントはなかったんだから。