第17章
もうすぐ午前3時なのに、眠れない。
なんでかって?
だって、変態に騙されたんだもん。
あいつ、いいタイミングで待ってて、俺に襲いかかってきたんだから。いい子ぶってるなんて、全然思わなかった。お風呂に入って――もちろん別々にね――着替えたんだ。あいつ、着替えるもんないから、ボクサーパンツだけだったし。電気消して、俺にギュッてくっついてきたと思ったら、ほんの数秒で事件勃発。
マジで飽きないやつ。
で、今は天井見て、自分が一体何に巻き込まれたんだろーって考えてる。超売れっ子のバチェラーでビリオネアと浮気してたんだよ。うわー。しかも、性格最悪だし。俺ら、全然正反対なのに、ベッドの中ではウサギみたいなんだよね。
顔を横に向けたら、あいつ、気持ちよさそうに寝てるし。このクソ野郎。そりゃ、俺をまるで肉叩くみたいにヤった後じゃ寝れるわな。あいつ、イケメンなだけじゃなくて、ベッドの上でもすごいんだよ。世の中、不公平すぎる。
いつ寝たのか分かんないけど、頭の中で色んなこと考えてたら、結局俺も寝ちゃったみたい。
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「んー」って唸った。なんかゾクゾクする感じが、体の奥の方まで伝わってきた。その感覚で目が覚めた。ナイルが俺のこと見てる。枕に肘ついて、手で顔支えて。
俺は下を見て、あいつの手が俺の胸で遊んでるのに気づいた。まるで遊びみたいに俺の乳首を弄ってる。
俺は顔をしかめて、あいつの手を叩き落とした。「なんなの! うざ! めっちゃイラつくんだけど」 ナイルに背を向けて、毛布を頭まで被った。ナイルは俺を見てクスクス笑ってる。
目を瞑って、また寝ようとしたんだけど、ナイルは俺にベッタリくっついてきて、うざい手は俺の体中をウロウロしてる。特に、股間あたり。
「やめて」って俺は文句言った。「寝るから」
そしたら、あいつは指を突っ込んできた。その瞬間に目が大きく見開かれた。あいつを睨もうとしたけど、代わりに目がぐるんって回っちゃった。
「クソ」って俺はあいつの顔に手を伸ばして、もう片方の手であいつの首に巻き付けて、キスした。こんなに気持ちいいなら、断る理由なんてないじゃん?
「お前は俺のものだ」ってあいつはキスしながら囁いた。
俺はすぐに離れた。「は?」え? 今、なんて言った? そう思った通り?
「何でもない」ってあいつはまた俺の唇に手を伸ばしたけど、俺は避けた。
「絶対何か言ったでしょ」
あいつは一瞬俺を見て、口を開いた。「お前は綺麗だ」
俺は呆然としてあいつを見てた。そして笑った。「冗談とか言えないと思ってた」
「言えない」ってあいつは真顔で答えた。
「お前はすごく綺麗だ。こんなに綺麗なのに会ったのは初めてだよ、人生で」
俺は深く息を吸い込んだ。あいつの手が俺の顔に触れて、指が頬、鼻、唇を撫でる。あいつの目は俺の目を見て、感情で輝いてた。俺はただ、ナイル・ヴェセロフの魔法にかけられてたんだ。そして、あいつは俺にキスしようと近づいてきた。俺はそれを受け入れた。
その日の朝は、セックスはしなかった。ゆっくりと、情熱的に、俺らの触れ合いが伝える温かさを一つ一つ感じながらやったんだ。
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「どこ行ってたの?」クインが場所に到着するや否や叫んだ。「もう遅刻常習犯だから、聞かないけど」って俺に言った。「でも、あんたはスピーチするんでしょ、ナイル。今日のオープニングで! 今何時? もうお昼の時間だよ」
俺はため息をついた。「落ち着いて。タイラーの愛が必要なんだよ。タイラーがいなくてムカついてるんでしょ?」俺がそう言うと、クインの目がピクッて動いた。多分、俺の言葉にイラついたんだと思う。俺はただ肩をすくめた。そしてクインの視線はナイルに戻った。
「遅刻した理由、説明してくれるよね?」ってクインは眉を上げて聞いた。
ナイルは気まずそうに咳払いして、俺は明らかに何かから目をそらしてた。
「ちょっと用事があって」クインの目をちゃんと見ようともしない。俺はベルがずっと笑ってるのに気づいた。
「何か重要なことだっていいよね」ってクインは言った。
「落ち着いて、クイン」ベルがやっと口を挟んだ。「クルの言う通りだよ。本当にタイラーの愛が必要なのよ」
クインの目はピクッて動いた。そして俺に「それ」って指さした。俺はただ肩をすくめた。そしてベルの視線はナイルに戻った。
「遅刻した理由、説明してくれるよね?」ってクインは眉を上げて聞いた。
ナイルは気まずそうに咳払いして、俺は明らかに何かから目をそらしてた。
「ちょっと用事があって」クインの目をちゃんと見ようともしない。俺はベルがずっと笑ってるのに気づいた。
「何か重要なことだっていいよね」ってクインは言った。
「落ち着いて、クイン」ベルがやっと口を挟んだ。「クルの言う通りだよ。本当にタイラーの愛が必要なのよ」
クインは深呼吸して、ゆっくり息を吐いた。「ごめんね。だって、あと数週間で結婚式だし。めっちゃナーバスになってて」って、神経質そうな手つきで手を震わせてた。俺とベルはクスクス笑った。「もう結婚式全部スキップして、結婚契約書にサインしちゃえばいいのにね」って肩をすくめた。俺らはもっと笑った。
「心配性なんだから」って俺はからかった。
「婚約者のとこに行って、落ち着けば? 友達が全部やってくれるから」ナイルは妹を見るかのようにクインを見て言った。
クインの目がキラキラ輝いた。「マジで? みんな、いいの?」
「もちろん。ここにいたら、あなたはダメになるわ」ベルは冗談を言った。クインはベルを睨んだ。ベルはただ恥ずかしそうに微笑んだ。「本当のことよ。クルは遅刻できてラッキーね」
「分かったわよ」って彼女は睨みながら言った。「みんな、私が嫌いなんでしょ」
俺は目を回した。「もう、そんなドラマチックにならないでよ」
「明日のパーティーも忘れちゃだめよ」ナイルが付け加えた。
あ、そうだった。明日は成功したイベントを記念してパーティーを開くんだ。
彼女はいたずらっぽく眉を上げた。「スピーチも忘れずにね」ってからかった。ナイルの顔が少し赤くなったのが見えた気がした。
クインは俺らに順番にキスをしてから行った。ナイルは秘書を探しに行って、俺とベルだけになった。
「それでさ…」俺はベルを見た。「あなた達、一体何があったの?」彼女は笑顔を隠しながら、俺に尋ねた。彼女は俺の腕に自分の腕を絡ませて、俺らはずっとゆっくりと歩いた。時間はたっぷりあった。
昨日は全部見ちゃったし。それに、俺は場所全体のデザインをやってたから、もう景色には興味なかったんだ。
「何の話?」俺は無邪気に聞き返した。
「お願いだから、クル。そんな答えはしないで。今回こそは、質問から逃げないで。いつも何かしら理由をつけて答えないでしょ。それって、あなたが後ろめたいからでしょ」
俺は肩をすくめた。「別に。ただ…別に何もないよ。友達になったってことかな」
「嘘」
俺は息を呑んだ。「悪い言葉言った。まさかあなたが悪い言葉を言うなんて」って俺は責めた。自分がからかってるって気づいて、彼女は口を覆って、バツが悪そうにしてた。俺は彼女に笑いかけた。
「黙ってて。これは、あなたが話題から逃げてる典型的な例よ」
俺は立ち止まって、彼女も立ち止まった。俺は真剣な目で彼女を見た。そして、俺の視線が捉えたものに固まった。
「どうしたの?」彼女は心配そうに尋ねた。俺の視線の先に目を向けていた。「あれって…ニクソン?」彼女も俺と同じように、ショックを受けていた。
ニクソン・デール。俺の元彼…そして、俺が唯一付き合った男。