第21章
あたしのものは、誰とも共有したくない。
もうあいつには彼女に近づくな、って忠告したのに、全然本気にしてなかった。我慢できなくなって、あいつを殴って、人生のどん底に叩き落としてやったんだ。
あいつのママが助けに来なかったら、殺してたかもしれない。あいつは従兄弟かもしれないけど、彼女を好き勝手にできるってわけじゃない。
最近、彼女に対してすごく独占欲が強くなっちゃって、彼女はすごく純粋で完璧なんだ。彼女に無視されると、まるで自分が存在してないみたいで、耐えられない。
彼女に酒を飲めって言ったら、ちょっと戸惑った顔してた。なんで?彼女は今までお酒を飲んだことないのかな?
彼女に飲み物を渡したら、まるで幽霊でも見たみたいに目を見開いてたけど、あたしが睨んだら、一気に全部飲み干したんだ。あたしは彼女にそれを求めてるんだ、彼女の目に宿る恐怖。それがあたしの獣を落ち着かせるんだ。
彼女はすごく無害そうに見えたし、悪い癖も全然ない。彼女くらいの年齢の女の子は、ほとんどがめちゃくちゃわがままだけど、彼女は他と違ってて、あたしの心がすごく幸せになったんだ。
あたしの心は彼女を求めてる。もうすぐ、彼女を腕の中に抱ける。クラブで彼女が気絶した後、あたしは彼女を家に連れて帰ったんだ。彼女はあたしのベッドで気持ちよさそうに眠ってた。あたしは、元カノも含めて、誰かを家に連れて帰った記憶なんてないのに、またしても彼女はあたしのルールを破ったんだ。
この子は、あたしに何かしたんだな…
あのブルックス家があいつといつも一緒にいるのは気に入らない。あたしのパパは、あいつらの親父さんがあたしにすごく近いから、近づくな、ってきつく言ったんだ。パパは自分のビジネスを失いたくないんだって。
あたしたちの親父さんたちはビジネスパートナーかもしれないけど、もしあいつらが線を超えてきたら、あたしがどんなやつか教えてやる。
深呼吸して、あいつがどこに行ったのかついて行ったら、医療室の前で看護師と話してるのが見えたんだ。
ハリーの視点:
「何やってんだよ?授業とかないの?」あたしは苛立ちながら聞いた。
ナイスムーブ!
あいつは拳を握りしめて、数歩前に出て、「あのさ…」って言い始めたけど、あたしは遮って言ったんだ。「お前は学長の息子かもしれないけど、街を支配する権利なんかねえんだよ。もし…」って言い終わる前に、あいつはあたしの襟を掴んで殴ろうとしてきたから、あたしはあいつを突き飛ばした。
「いいか!あたしは、この大学からお前を追い出すことだってできるんだ。お前は火遊びをしてるんだよ、その火は、お前を焼き尽くすことになるぞ。気をつけろ。」あいつは警告してきた。
火?誰が?あいつが?!
「冗談だろ?」あたしは笑った。「お前があたしに何もできないってことは、あたしたちどっちも知ってるだろ。あたしの髪の毛一本だって触ることすらできないんだ。お前は他の奴らに対しては力を持ってるかもしれないけど、それは奴らが恐れてるからであって、あたしには当てはまらないんだよ。」あたしの言葉を聞いて、あいつはちょっと顔を引き締めた。
「お前は火だって言ったけど、あたしは一瞬でその火を消し去る嵐なんだよ。二度と彼女に構うな、じゃないとお前に報いを受けさせるぞ。覚えておけ。お前をあたしから救えるやつなんていないんだからな。」あたしは警告した。
「あと一つ、お前の態度、変えた方がいいぞ。将来のためにも。」あたしはあいつの肩を叩いて、ちょっとしたアドバイスをしてやった。
「何すればいいか言うな。あたしの女に近づくな、って警告するぞ。彼女はあたしのものだ、あたしのだけだ。」あいつは吠えた。
「夢の中でやれ。」あたしはニヤリとした。
こいつは意味不明なことばっかり言ってるな。こんなクソみたいな態度してたら、誰にも愛されないだろ。
「待ってろ、すぐに彼女を手に入れてやる。」そう言って、あいつはそこから出て行った。
あたしの女?あたしは口を歪めた。なるほどね…
*
シーラの視点:
目が覚めたら、腕に点滴が繋がれてた。周りは真っ白で、天井だけが薄紫だった。窓は白いカーテンで覆われてて、太陽が入らないようになってた。
「でも、あたしはどこにいるの?死んだのかな?」あたしは眉をひそめた。最後に覚えているのは、あの二人のモンスターと一緒に公園にいたこと。
「いや、生きてるよ。医療室にいるんだ。」って声がした。
声の主の方を見たら、怒りで血が沸騰した。「なんでここにいるの?」あたしは怒鳴った。
「命の恩人に、そんな言い方するのか?」彼は面白そうに言った。
「あなたが助けた?」あたしは眉を上げた。彼は肩をすくめて、弁解した。「まあ、そうだな。お前は床で意識を失ってたからさ…」彼は首の後ろを掻いた。
「だから、あなたが…」あたしはもっと詳しく話してくれってジェスチャーした。
「いいか!あたしは回りくどいこと言わないんだ。それで、えーっと…ごめん。」彼の頬はトマトみたいに赤くなった。
「何のために?」あたしは彼を睨みつけた。あたしの記憶では、彼はずっとあたしと何の関係もなかったのに、あたしが意識を失ってる間に何か不適切なことでもしたんだったら、もし何か悪いことしたなら、あいつの玉を切り落としてやる。
「全部だ。」彼は落ち着いて言った。それであたしの頭の中で、彼は横柄なやつナンバー2として謝ってるんだってわかったんだ。
「謝ったところで何も変わらないわ。あんたたち二人とも同じだ。」あたしは彼に嫌悪感たっぷりの視線を投げた。「最初に彼があたしを傷つけて、今度はあんた。」あたしは人差し指を彼の胸に突きつけた。
「嬉しい?お願いだから、行ってくれない?誰にも会いたくないの。」あたしは完全に打ちのめされてた。なんでこんな態度とってるのかわからないけど、そうしたかったんだ。
「あたしはお前を傷つけに来たんじゃないんだ。自分の間違いに気づいたんだ。それで…えーっと…大丈夫か?」彼は心配そうに聞いた。
あたしは彼の顔を見て、まるで誰にも優しさを見せないいつものやつだと思った。「なんであたしのことを心配してるの?誰もあたしのことなんか心配してくれなかったのに、みんな自分のことばっかりだった。」あたしはささやいた。涙があたしの頬を伝って落ちていく。
大学生活で夢見てたことが、全部消えてしまった。