第49章
シーラの視点:
「ねえ、ハリー、ジョン・ブルックスって知ってる?」
それ聞いて、マジで眉間にシワが寄っちゃった。
なんで彼のこと聞くんだよ?
ゴッド!
かっこいいなーって思ってたのに、つまんない質問して、せっかくのムードぶち壊し。
もし知ってると言ったら、どうなるんだろ?
なんかイライラして、ため息ついて、首を縦に振った。
「うん!知ってるけど、もう死んだ人だよね?なんで今更そんなこと聞くの?」
ちょっとイライラしながら言った。
「死んだ?」
ハリーは、マジでって顔で眉毛を上げた。
「ハリー、なんなの?
よく知らないんだよね。
まあ、死んだか生きてるかなんて、どっちでもよくない?」
肩をすくめた。
なんか彼、傷ついたみたいだけど、なんで?
「ハリー、ごめん。
ちょっと失礼なこと言っちゃったかも。
でも、なんで今、彼の話を聞くの?」
また同じ質問しちゃった。
そしたら、なんかピンときたんだよね。
「もしかして、知ってるの?」
って聞いたら、
「うん、知ってるよ。」
って答えて、サラサラヘアーに指を突っ込んでかきあげた。
「どれくらい知ってるのか知りたくて。
そうすれば、全部ちゃんと説明できるから。」
意味わかんなくて彼のこと見たけど、まあ、説明してくれるならいいかなって。
もし話すのが必要なら、別に構わないし。
「知ってるけど、そんなに詳しくないかな。
アメリカ人でさ。
14歳で『レーザー色素プロジェクト』で有名になったんだよね。
16歳で自分の会社まで作ったんだから、知らない人いないでしょ?
」
お父さんの金は使ってないんだよね。
マジで嫌いだけど、彼の才能の話になると、つい口出しちゃう。
「すごいよね、努力家だったんだね。」
ハリーは、ニヤッとしたけど、笑わないように唇噛んでた。
「で、まだあるんだよね。
ビジネスは成功したかもしれないけど、マジでバカだったんだよ。
人の気持ちとか全然わかんない。
14歳でいろんなモデルと付き合っては、1週間で別れてたし。
マジで性格悪い。」
鼻で笑った。
「すぐ相手を変えたりするんだよね。
超生意気だし、短気だったし。
いつもいとこのモデルと一緒にいたんだけど、名前は知らないんだよね。」
私が知ってるハリー・ジョン・ブルックスの歴史は、こんな感じ。
「会ったことある?」
って彼は聞いたけど、声が震えてた。
「直接は会ってないけど、プロジェクトの成功で賞とった時にテレビで見たことはあるかな。
でも、顔は覚えてないんだよね。
テレビで見たのは、4年前だし。」
賞持ってる時は、なんか誇らしげに笑ってた。
「同僚から聞いた話だと、事故で死んだらしいんだけど、本当かどうかはわからないけど。」
肩をすくめた。
「もういい?
これ以上聞かないで。
もう話したくないから。」
って言って、話を終わらせようとした。
彼は眉間にシワ寄せて、何か探し求めるように、私をじっと見てる。
「シーラ、もしかして、個人的に知ってた?」
って聞かれて、ドキドキしてきた。
言おうかな…?
ゴッド!
なんでこんなこと聞くんだよ!
彼から視線を逸らして、話す前に、こくんって頷いた。
「9年生の時、学校に彼が展示会に来たんだよね。
展示会が終わって、私と彼が実験室に残ってて、そしたら…そしたら、ファーストキスを奪われた。」
簡潔に言った。
今でも、なんか胸の奥に苦い気持ちがあるんだよね。
何も知らないで、キス奪われたし。
マジで、あいつのケツ蹴飛ばしてやりたい。
謝罪もなしで、キス楽しかったし、将来も楽しみとか言ってたし。
でも、将来なんてなかったんだよね、かわいそうに。
彼はびっくりして、ゴクリと唾を飲み込んだ。
深呼吸して、頷いた。
「あー!
あの時はまだ学生だったんだよね?
だから、自分が何してるかわかってなかったのかもね。」
って言って、シャツの最初の2つのボタンを外して、袖を肘の上までたくし上げた。
私は彼のこと睨みつけた。
「もしかして、彼の味方してるの?」
って両手腰に当てて言った。
彼はすぐに首を横に振った。
「それで…質問は終わり?」
って片方の眉を上げて聞いたら、彼は頷いた。
「何か質問してもいい?」
返事なし。
「ハリー?」
返事なし。
「ハリー??」
また呼んだけど、返事なし。
「ハリー!!!」
って叫んだら、彼は目を見開いて私を見た。
「ごめん、ボーッとしてた。」
って首の後ろを掻いた。
「ハリー、質問したんだよ。」
って指摘した。
「うん!どうぞ。」
って彼は緊張した顔で言った。
「なんで、特に今日、彼の話を聞くの?
他の日じゃなくて。」
なんか気になってるんだなって思って、理由を知りたかった。
彼は深いため息をついた。
「シーラ、本当のこと話す時が来たと思う。」
って言って、また心臓がドキドキした。
「うん」って答えて、彼に続きを話させた。
「シーラ、僕のパパは実業家で、NYUに何個も会社を持ってるんだけど。
僕は金持ちの家の子で…」
「ハリー、それは知ってるよ。
クインが教えてくれたし、チャリティーの時のパパとの写真も見せてくれたし。」
って彼を安心させた。
少し顔色がよくなったけど、まだ落ち着かないみたい。
「僕の本名知ってる?」
って聞かれて、自分で考えてみたけど、知らないことに気づいたんだよね。
私には関係ないことだったし。
「ううん。」
って正直に答えた。