第6章
ああ、もう役に立たないって感じ。だって、あいつは俺から何にも欲しくないんだもん。ただ俺をからかいたかっただけなんだ。うまくいったみたいだけど。もうわかったよ。
泣きそうになるのを必死でこらえた。みんなが俺のこと笑ってるし、あいつはただショーを楽しんでるだけなんだよ。
あいつは俺に、あいつの汗くさいクソダサいTシャツを着せて、みんなが俺をモデルみたいに写真撮り始めたんだ。もうSNSにアップしてる人もいるし。
で、今度はあいつの番。俺の手から飲み物を取り上げて、頭からつま先までぶっかけてきたんだ。全身びしょ濡れで、みんなの笑い声を聞いて、もっと大声で泣きたくなったけど、なんとか我慢した。
こんな目に遭う覚え、ないんだけど。
やっと、あいつが俺に近づいてきて、一番聞きたくなかった言葉を言った。あいつのTシャツを着れて俺はラッキーだって。だって、大学のみんなが着たがってるんだから、って。
バカ、って心の中で呪った。
もう遅くなってきて、夕方8時近く。なのに、俺はまだ、あのクソ生意気な男の後ろをついて、グラウンドをうろうろしてる。毎週金曜の夕方は、フットボールするのがあいつの習慣らしい。
みんな家に帰る準備してて、もうほとんど帰っちゃった。あの悪魔みたいな男と、あいつのクソみたいな友達は、みんな荷物まとめてるけど、あの悪魔野郎は俺に荷物全部持たせてるんだよ。
あいつの車に着いたら、助手席にバッグを押し込んでから、俺の方に顔を向けた。「お前を乗せてあげたい気持ちはあるけど、お前みたいな気味の悪いクリエイターは好きじゃないからね」って。俺の腰に手を回して引き寄せ、額にクソみたいなキスをしてきた。それから、俺のこと見向きもせずに車に乗り込んで、走り去ったんだ。
うわー、マジ無理! キスされた額を拭った。
あいつの関心なんていらないけど、ほんと冷たいやつだよな。外は真っ暗だし。よかった、俺の寮は大学に近いから。じゃないと、気が狂っちゃう。「道を渡れば、もう寮だ」って呪文のように繰り返しながら歩き始めた。
今日もまた大変な一日だったな。ベッドに飛び込んで、明日明後日はちょっとは平和になるだろうって考えると、気持ちが楽になった。ゆっくり休んで、ぐっすり眠れるんだ。
カールも、悪魔もいない。
頭が枕に触れた瞬間、眠気が襲ってきて、俺は安らかな眠りに落ちていった。
*
シーラのPOV:
あっという間に日々が過ぎていったけど、あいつは俺をいじめるのをやめなかった。カールと友達は、俺をからかうために色んな方法を思いつくし、それを楽しんでるんだ。俺を泣かせることが、彼らのスタミナを上げるみたい。
あいつの友達は、授業中に教室に入ってきて、俺を引っ張り出すのが日課になってる。誰か一人でも不機嫌だと、俺のせいにされて、俺の一日を最悪にして、苦しむ姿を喜んでるんだ。
あいつはいつも、俺がやりたくないような新しいことを命令してくる。毎日朝ごはんを持って来いって言われて、次の日に寮のご飯を持って行ったら、地面に吐き捨てて、まるで俺がわざと腐った食べ物を持って来たかのような悪魔みたいな顔をしてきた。でも次の日には、あいつの賢い頭脳は、これが寮の味だって理解して、「もう毒は持ってこないでくれ」って言ってきたんだ。
ある日、あいつの靴を磨かされたり、男子トイレを掃除させられたりもした。最初の命令を断ったからだけど。
たまに、あいつの行動を見てると、大学を辞めたくなるけど、そんなことはしない。
で、俺があいつらにいじめられるようになってから、もう1ヶ月が経ったんだ。今日、あいつは俺に白いドレスを着ろって言ってきたけど、なんで白いドレスを着せたいのか、わからないんだよ。
あいつの最低な態度を考えながら、キャンパスに入ったら、体に水の重い力がかかってきて、全身ずぶ濡れになったんだ。白いシャツが黒くなって、ペンキをかけられたんだって気づいた。
みんなは狂ったように笑いながら、頭を前後に振って、状況全体を楽しんでるみたい。
やっと、なんであいつが俺にこのドレスを着せたかったのかわかった。もうこんな嫌がらせには耐えられなくて、大声で叫んだ。みんな一瞬静かになったけど、また笑い始めた。
「どこからそんな勇気が出てきたんだ?」って、あいつが突然聞いてきた。
俺が獲物みたいに近づいてくるのを見て、ごくりと唾を飲んだけど、逃げるつもりはない。内側では震えてるけど、あいつに向き合うために、すべての勇気を振り絞った。
「聞いて!」って、俺は人差し指をあいつに向けた。「あたしはあんたの人形じゃないし、もう一つ、あんたのルールには従わないってことをはっきりさせておく。あんたらはもう十分楽しんだでしょ。もう限界。もうたくさんだ。辞めたかったら、この大学から訴えればいい。だけど、あたしは誰のクソみたいなことにも屈しない」って、あいつの顔に向かって叫んだ。
「何だって?」って、あいつは俺の手を乱暴に掴んで、自分の方に引っ張った。「お前を大学から訴えたいなら、とっくにやってるよ。お前の意見なんて待ってない。でも、そんなことは絶対にない。お前は自分の立場を知っておくべきだ。俺の前でこんな風に話すやつはいないんだ。さあ、お前の罰の準備をしておけ」って、俺は冷たい表情でそれを見てた。
「みんな! カフェテリアに集まれ、面白いものを見せてやる」って、あいつは叫んだ。あいつの目には、たくさんの怒りが宿ってた。あいつの辞書では、カフェテリアは食事を提供する場所じゃなくて、楽しむ場所なんだ。あいつは俺を振り返って、一言も言わずに俺を見て、どこに向かうのかわからないけど、歩き始めた。みんなもその後を追ったんだ。